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Trademark Appeal Case

「junior」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第19859号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,襟巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、平成9年5月29日に登録出願されたものである。

2.原査定の理由

原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係に於いて、『ジュニア用』『若向用』『少年者用』等の意味を有し、この種商品取引業者或は一般需要者間に普通に使用されているものである『junior』を容易に看取する『junIOR』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質(用途)を表したにすぎず自他商品を区別する標識としての識別力を具有しない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「junIOR」の欧文字を書してなるところ、その構成・態様は、「j」「u」「n」「I」「O」「R」の各ローマ文字よりなるものである。そして、前半の「j」「u」「n」の文字部分は小文字、後半の「I」「O」「R」の文字部分は大文字で、「j」を除く各文字は同じ大きさの文字で表され、全体として、まとまりよく一体的に書してなるものと容易に看取させるものである。

近時、文字のレタリング技法等広告技術の進展に伴って、現実の商品の流通過程では商標を構成する文字を、いわゆるロゴタイプの英文字を装飾的に図案化するなどして顕著に表現する手法は決してめずらしいことではなく、様々な態様で商品に使用することがしばしば行われている。そして、需要者は、かかる状況に慣れ親しんでおり、又多種多様なレタリング等が存在し、それぞれが親しまれ理解される今日にあっては、まとまりよく一体的に書してなる「junIOR」の文字からなる本願商標に接する取引者・需要者は、大文字、小文字の差異はあっても、その文字及び配列を同じくする「junior」又は「JUNIOR」の文字を容易に想起、連想するとともに「ジュニア」(年少者)と称呼、観念して取引にあたることも決して少なくないものというのが相当である。

しかして、「junior」又は「JUNIOR」の文字は、「年下の」の意味を有する英語であり、その表音と認められる「ジュニア」の文字は外来語と認められ、例えば「ジュニアハイスクール」、「ジュニアフライ級」、「○○ジュニアチーム」等広い分野において使用され、親しまれている語でもある。とりわけ本願指定商品との関係においては、用途別にジュニア(年少者)用の商品を表示するものとして普通に使用されているものである。

そして以上のことは、例えば、インターネットにより情報を公開しているサイトにおいても、子供服のリサイクル商品を扱うホームページ(http://www4.synapse.ne.jp/nice-kitty/Child/junior/)で、「BABY」「KIDS」と共に身長140cm〜160cmのサイズを「JUNIOR」として紹介、また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G―Searchの新聞情報データベース」をみるに、「【キッズファッション】 変わるジュニア市場 本格的な取り組み始まる(2000.02.29 繊研新聞)」の見出しのもと「小学校高学年から中学生を対象としたジュニア市場が変わり始めた。・・・これまで子供服メーカーとしては最も難しい市場だった。しかしここにきてようやく、ジュニア市場に本格的に取り組もうという子供服メーカーが出てきた。・・・ジュニア向けブランドは数えるほどしかない。・・・ジュニアサイズの本格販売にあたり、同社では数多くの子供たちにフィッティングをして徹底したパターン研究を続けてきた・・・一部プリント商品などはベビーからジュニアまで同企画で提案し、チャビーギャングのファン層を拡大する。ジャンパースカートやスカート、パンツなどでジュニア独特のパターンを研究しながら、トドラーでの基本コンセプトである『単品コーディネートの妙』をジュニアでも追求する。」の記載が認められることからも十分裏付けられるところである。

してみれば、「junior」又は「JUNIOR」の文字が広く使用され、認識されているとともに、ジュニア(年少者)用の商品が開発、商品化され、かつ、該商品であることを特徴とした宣伝・販売が広く行われていると認められる以上、「junior」の文字を看取させる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記用途の商品であると理解するにとどまり、単に商品の用途、品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。

なお、請求人は、本願商標と同様のローマ文字「junior」の文字から商標を大正10年法第36類に属する商品「被服」等を指定商品として商標登録(商標登録第436035号)を受けていること、及び本願商標を永年にわたって使用した結果、請求人が取り扱う洋服下着類等を表す商標との認定が定着してきているので、自他商品の識別機能を具備している旨述べている。

しかしながら、本願商標の登録要件(商標法第3条)の存否の判断時は査定時又は審決時を基準とすべきものであるから、前記の事実が存在する以上、過去に同様の商標が登録されたとしても、そのことをもって本願商標の判断を左右するものとはいえない。

また、提出に係る甲各号証をみるに、本願商標が使用されていることは認め得るが、単独で使用されているものでないから、該証拠をもって直ちに自他商品の識別力を存しているとは認め難いものであり、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消す限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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