Trademark Appeal Case
キッチン本みりんの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第1926号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「キッチン本みりん」の文字よりなり、第33類「みりん」を指定商品として、平成7年10月31日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、台所で用いられる料理用のみりんを認識させるに止まる「キッチン本みりん」の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用するときは、商品の品質・用途を表示するものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
原査定を取り消す、本願商標は登録すべきものとするとの審決
2 請求の理由
(1)「キッチン」の語が「台所」の意味の英語・外来語であったとしても、本願商標「キッチン本みりん」の文字からは、特定の観念は生じない。
本願商標の指定商品「みりん」は、その性質上「台所用みりん」や「台所用以外のみりん」等用途別の商品概念自体存在しないものであり、「キッチン本みりん」と称することもない。
(2)みりんの業界で「キッチン本みりん」の文字が商品の品質・用途表示として使用されている事実はない。
(3)そうすると、本願商標は、需要者において商品の品質・用途を表示したものと理解されることはなく、請求人の創造語として理解されるから、自他商品識別力を有するものである。
(4)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
3 証拠方法
請求人は、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
第4 当審の判断
1 本願商標の識別性について検討する。
(1)本願商標は、「キッチン本みりん」の文字よりなるところ、その構成文字からみて、「台所」を意味する英語「kitchen」の外来語である「キッチン」の文字と「本みりん」の文字とを結合させたものであると容易に理解させる表示である。
そして、「キッチン」の文字は、「キッチンウェア(台所用品)」「キッチンタオル(ふきん)」「キッチンタイマー(調理時間に合わせてセットしておくとベルが鳴るタイマー)」などのように台所で用いるものを表示する語として使用されている。
(2)ところで、「みりん」は、「本みりん」と「みりん風」に分けられる。「本みりん」は、もち米と米こうじ、しょうちゅうなどを主原料に熟成させたアルコール度14%の酒類で酒扱いであったが、平成9年から規制緩和の一環として酒類販売の免許を持たないスーパー、コンビニでも「調味料」として販売できるようになった。「みりん風」は、アルコール度は1%未満で、原料は糖類や酸味など自由で、家庭では安くて手軽な「みりん風調味料」が使われている。しかし、「本みりん」は、昔は高級料亭、専門店で伝統的に使われていたが、最近では消費者のグルメ志向やほんもの志向の高まりで、家庭での消費も伸びている。
(3)そうすると、本願商標「キッチン本みりん」は、上記(2)の「みりん」についての実情に照らすと、本願指定商品「みりん」に使用するときは、家庭の台所において調味料として用いるのに適した(例えば、調味料として家庭で使うのに便利なように、小分けしたタイプ、アルコール度数を抑えたもの)の本みりんの意味合いを認識するものであって、商品の品質を表示したものであり、自他商品の識別機能を有しないものと判断するのが相当である。
(4)請求人は、本願商標について請求人の創造語として需要者に理解されるものである旨主張するが、「キッチン本みりん」といえば、請求人の商標であるとの認識が取引者、需要者において形成されている事実を認めることはできないから、請求人の主張は採用することができない。
請求人は、「キッチン本みりん」の文字が商品の品質・用途表示として使用されている事実はない旨主張する。しかしながら、本願商標の識別性の問題は、本願商標「キッチン本みりん」に接する取引者、需要者が、これを自他商品識別標識として認識するか否かということである。当該「キッチン本みりん」の文字が商品の品質・用途を表す語として使用されていることが証拠上認められないからといって、そのことをもって直ちに原査定の認定判断に誤りがあるとすることはできない。
2 結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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