Trademark Appeal Case
POLO商標の混同判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第19455号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ROYAL POLO LEAGUE」の文字を書してなり、第17類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とし、平成7年12月28日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に『POLO』の文字を有するところ、該文字はアメリカのトップデザイナー『ラルフ・ローレン』のデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表彰する商標として本願出願前より需要者に広く認識されていると認められるから、これをその指定商品に使用するときには、恰も前記デザイナーまたは前記デザイナーと何らかの関係にある者の取扱に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。
3 請求人主張の概略は、次のとおりである。
「POLO ポロ」の語を含む結合商標が多数登録されている事例に照らせば、不可分一体に表されている本願商標は、引用の「POLO」とは非類似の商標であり、本願商標は、引用商標とは出所の混同をおこすおそれは全くないものといわなければならない。
4 当審の判断
(1)「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標の周知性について 株式会社講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラ−「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。他にこれを覆すに足りる証拠はない。なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表すものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、構成全体をもって、請求人主張の「気品のあるポロの競技連盟」という特定の意味合いを表す語として認識、理解される場合があるとしても、我が国においては、「ポロ」は親しまれているスポーツとは言い難く、本願商標は、構成中に前記ラルフ・ローレンの「POLO」の文字を有するものと認識、理解される場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そうとすると、本願指定商品は、ファションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファションをまとめようとする昨今を考え合わせると、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記した実状からラルフ・ローレンのデザインに係る商品であるかの如く認識し、ラルフローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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