Trademark Appeal Case
歴史人物名の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−11738(T2000−11738/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「北条時宗」の文字を横書きしてなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成11年5月11日に登録出願されたものであるが、その後、当審において、平成13年2月6日付けの手続補正書をもって、第32類「ビール」と補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第4389688号商標(以下、「引用商標」という。)は、「北条時宗」の文字を標準文字で書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成11年4月30日に登録出願、同12年6月9日に設定登録されたものである。
3 請求人の主張
請求人は、本願商標は、「北条時宗」の文字よりなるところ、NHKの平成13年に放送が予定されている大河ドラマ「北条時宗」の制作発表が新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等の各種マスコミを通じて一斉に報じられたこと、及び、NHKの大河ドラマに対する世間の注目の大きさから、上記制作発表後、直ちに、「北条時宗」はNHKの大河ドラマのタイトルとして周知著名となり、引用商標の登録査定時である平成12年4月21日においては述べるまでもなく、出願時である平成11年4月30日の時点においても、既に、周知著名であったので、NHKと何ら関係を有しない引用商標の出願人が、「北条時宗」を商標として採択使用することは、競業秩序の維持を図る商標法の目的に照らして妥当ではない。また、引用商標は、NHKと何らかの関係のある者の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることが明らかである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
4 当審の判断
本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は、前記したとおり、「北条時宗」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して、「ホウジョウトキムネ」の称呼及び「鎌倉中期の武将、北条時宗」の観念が生ずること明らかである。
他方、引用商標は、前記したとおり、「北条時宗」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して、「ホウジョウトキムネ」の称呼及び「鎌倉中期の武将、北条時宗」の観念が生ずること明らかである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「ホウジョウトキムネ」の称呼及び「鎌倉中期の武将、北条時宗」の観念を共通にする商標である。
次に、外観についてみると、本願商標と引用商標とは、共に「北条時宗」の文字を横書きしてなるものであるから、その外観は、略同一の商標と認められる。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観において略同一の類似する商標と認められ、かつ、本願商標の補正後の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、NHKと何ら関係を有しない出願人が、NHKが平成13年に放送を予定している大河ドラマのタイトルとして周知著名な「北条時宗」を商標として採択使用することは、競業秩序の維持を図る商標法の目的に照らして妥当ではない。また、引用商標は、NHKと何らかの関係のある者の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることが明らかである旨主張しているが、「北条時宗」は、我が国の鎌倉時代における鎌倉幕府の第八代執権であった歴史上の人物であることは、広く一般に知られているものと認められるところであり、NHK大河ドラマの「北条時宗」との関連でのみ捉えることは必ずしも適切でなく、単に歴史上の人物を表記したに止まるものと認めるのが相当である。
そして、NHKが行った大河ドラマ「北条時宗」の製作発表自体は、該ドラマを製作する旨の告知に止まるものであり、また、請求人の提出に係る証拠では、該ドラマの製作発表をもって、直ちにそのタイトルが商品を表すものとして、周知著名になったことの証左とするのは到底困難であり、他にこの点を認めるに足りる証左はないから、請求人の主張は、採用することができない。
さらに、請求人(出願人)が引用登録商標にした、商標登録異議申立事件(異議2000‐90879号)は、当該商標の商標登録を維持する、との異議の決定がなされ、平成13年2月5日に確定している。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。