sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標の混同判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第14079号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成7年11月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、その構成中に『スノーボード、スノーボード用手袋・被服、その他の被服、バッグ類』の製造・販売を中心としている米国法人『The Burton Corporation』が前記商品に付して著名な商標である『BURTON』の文字を書してなるものであるから、出願人がこれを指定商品に使用する場合、前者の業務に係る商品又は何らかの関係のある者に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 請求人の主張

請求人は、原査定を取り消す、本願商標は登録すべきものとする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

1 本願商標がアメリカのスノーボード・メーカー「The Burton Corporation(ザ・バートン・コーポレーション)」の商品と混同すると指摘しているが、この見解に承服できないので次の理由を主張する。

2 請求人所有の商標「BURTON HORN」「登録第4008669号」(第18類)について、上記「The Burton Corporation」より、本願商標と同種の理由で「異議申立」を受けたが、特許庁より「理由なし」との審決が下され、申立人の主張は退けられた経緯がある。また、その他同様の判断を得た請求人所有の登録商標及び出願商標等が存在する。

3 請求人は事業を日本で問題なく行う為に昭和57年6月1日から「バルトン/BURTON」商標(登録第664522号、旧第17類)及び「BURTON」商標(登録第1229927号、旧第21類)の「商標使用権許諾契約」を行っていた。

4 申立人は「BURTON」の商標名は自分達によって日本で有名になったと主張しているが、上記国内商標の実施権を請求人が旧第17類については11年間、旧第21類(新18類該当)については平成6年9月30日までの9年間使用していた事を考えると、申立人の主張は正しいとは思えない。

5 「BURTON」商標は請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。ニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日にライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。請求人が昭和61年(1986年)から12年以上に渡り、「BURTON」等商標を国内で使用した事が明らかである。

6 「BURTON」はスノーボードで有名であるとの主張をしているが、「スノーボード」は日本のスキー場で受け入れたのはここ数年のことであり、それまではコースが荒れる、他のスキーヤーに危険だとの理由で各スキー場から締め出された筈である。

7 「BURTON」と言えば申立人であると考えるのは全くの誤りであり、請求人の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で下記の会社が有名である。

(1)「BURTON」は「プレッピー・ファッション」を代表するニューヨークの「ファッション・ブティック」名であって、「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドであり、そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されている。

(2)アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」(フロリダ州)の「ゴルフ・バッグ」が有名であり、日本においては「ダイワ精工株式会社」がその輸入代理店としてそれらの商品を販売している。

(3)イギリスで「BURTON」と言えば「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名である。

(4)日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」のブランドとして有名である。

第4 当審の判断

1 当審において「BURTON」に関して行った職権による証拠調べの結果、以下の事実が認められる。

(1)「Forbes(フォーブス)」(1996年2月1日号の日本版)には、「・・・・現在、アメリカのスノーボードの市場規模は750億円に達しているが、彼が経営するバートン・スノーボード社(バーモント州バーリントン)は、この市場の30%以上を支配しているのだ・・・・」、「・・・・九八年の長野冬季オリンピックでも、スノーボーディングが公式種目となり、その人気はますます高くなると見られている。・・・・」との記事が掲載されている。

(2)「SNOWBOARD LIFESTYLE CATALOG」(別冊ジュノン 1995年10月1日 主婦と生活社発行)に「スノーボード・ブランドストーリー」の見出しのもと、「1978年、ジェイク・バートン、バートンスノーボードを設立。1990年、ISAによるワールドカップが北海道のルスツで国内初開催された。1992年、日本スノーボード協会(JSBA)による国内プロサーキットが初開催」等の記事が掲載されている。

(3)「skier別冊 SNOWBOARD」(1996年3月号)には、「’96 スノーボード・オブ・ザ・イヤー みんなが選んだ人気ナンバーワンはこれだ」の見出しのもと、「ボード アルペン部門 第1位 バートン/アルプ、ボード フリースタイル部門 第1位 バートン/カスタム、アルペン系バインディング部門 第1位 バートン/カーボンレースプレート、フリースタイル系バインディング部門 第1位 バートン/カスタムフリースタイル」等の記事が掲載されている。

(4)「1991年輸入品(消費財)売れ筋動向(平成3年11月 日本貿易振興会海外経済情報センター)には、スノーボード(小売市場)に関する調査について、「・・・・『バートン』は、初心者用から上級者用まで幅広くタイプがあり、豊富なバリエーションの品揃えをしているので人気がある。・・・・」、1992年輸入品(消費財)売れ筋動向(その2 衣・余暇スポーツ分野)(平成5年3月 日本貿易振興会海外経済情報センター)(017 スノーボード用品・用具)には、「・・・・小売店での売れ筋ブランドとしては、バートン(カナダ、オーストリア、オリジナルは米)、ケンバー(米)、・・・・いずれも代表的なスノーボードメーカーとして知名度が高く、主要な用品・用具を扱っている。バートンは世界で最初にスノーボードを制作し、販売したトップブランド。・・・・ 」、1994年輸入品(消費財)売れ筋動向(その2 衣・余暇スポーツ分野)(平成7年3月 日本貿易振興会海外経済情報センター)(011 スノーボード用品・用具)には、「・・・・スノーボードは欧米で生まれ、日本でも2〜3年前から人気が広がってきた。スノーボード専用ゲレンデを新設するスキー場が増えるなど、市場環境も整いつつある。94/95年シーズンでは、スポーツ用品専門店各社が取り扱い店舗数や1店当たりの売場面積を増やしている他、スノーボード専門店の出店も相次いでいる・・・・」との報告がそれぞれ記載されている。

(5)1990年12月13日付け日経流通新聞(25頁)には、「・・・・現在、日本のスノーボード人口は約二十万人。昨シーズンはワールドカップなどの国際競技大会も国内で開催された。国内の滑降ゲレンデも百コース近くになり、年々増加傾向にある。スノーボードは米国、欧州製など輸入品が主流。なかでも草分け的存在といえる米バートン社の製品は、日本市場で販売される板のうち四十%以上を占めている。・・・・」との記事が掲載されている。

(6)1991年12月7日付け日経流通新聞(6頁)には、「・・・・日本での販売量の九割以上は欧米のメーカー製品で占められる。なかでも人気が高いのがバートン社(米)の製品。・・・・バートン社の輸入総代理店である小倉貿易(本社東京)は『バートンの製品は日本で四十%のシェアがあり、PJなどは既に完売状態』としている。・・・・」との記事が掲載されている。

(7)1991年12月26日付け日経産業新聞(16頁)には、「コカ・コーラグループがスノーボードスクール」の見出しのもと、「コカ・コーラグループがスノーボードスクール 日本コカ・コーラなどコカ・コーラグループはスノ ーボードの世界的なメーカー、米バートン社(バーモント州)と共同で、九二年三月末まで全国七カ所のスキー場でスノーボードスクールを開校する。・・・・」との記事が掲載されている。

(8)1995年10月17日付け日経産業新聞(21頁)には、「昨年の市場規模は約二十万台(業界推定)で一昨年の二倍、愛好者のすそ野は広がる一方で、今シーズンは倍増の四十万台が見込まれている。人気が高いのは『シムズ』『バートン』『モロー』などのブランドで・・・」との記事が掲載されている。

(9)1996年8月23日付け日経産業新聞(18頁)には、「スノーボード用品の国内最大手ザ・バートン・コーポレーション(埼玉県浦和市、小倉一男社長)は今季(九六年冬ー九七年春シーズン)、全国七カ所のスキー場でスノーボードの子供向けスクールを開設する。経費の負担が重く直接の利益は期待できないというが、スノーボード人口のすそ野拡大を図るとともに、将来のバートンファンを育成する狙いだ。・・・・」との記事が掲載されている。

(10)1991年1月1日付けスポーツ産業新報には「・・・・事実、90シーズンは『デリバリー戦争』といった側面もみられ、立ち上がりはまずモノのあるブランドに流れたとの分析もある。こうした早期動向をとらえた『バートン』はよりトップブランドとしての地位を固めた。・・・・」との記事が掲載されている。

(11)1995年2月20日付けスポーツ産業新報には、「トップブランド『バートン』快走」の見出しのもと、「スノーボードのトップブランド、バートンスノーボードの予約受注会が二月十三日から地区代理店六社で一斉に開始され、前年を上回る盛況ぶりとなった。九六年ラインナップは、ボード四十九機種、ブーツ十四機種、バインディング十一機種、ウェアもアイテム数を増やし『百人が着てもすべて違うものが揃うほど』(福島光久氏)という、すべての人に対するラインナップの拡充、価格帯を含む商品力の強化でニーズ対応を図っている。・・・・」との記事が掲載されている。

(12)1996年3月1日付けスポーツ産業新報には、「トップブランド『バートン』快進」の見出しのもと、「スノーボードのトップメーカー、バートンスノーボードの予約受注会が二月十三日から地区代理店六社で一斉に開始され、前年を上回る順調な受注状況となっている。96ー97年『バートン』(米)はライダーがライトするための商品機能、そこからのフィードバック、R&Dを重ね、最新テクノロジーを全面に性能・品質を一段と高め、すべてのニーズに対応する充実展開を強めている。・・・・」との記事が掲載されている。

2 「BURTON」商標の周知、著名性について

以上の事実からすれば、「ザ・バートン・コーポレーション」は、米国で1977年に設立されたスノーボード、スノーボード用靴、スノーボード用手袋・被服等の製造、販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品にハウスマーク「BURTON」を約20年間にわたり使用しており、平成8年2月当時において申立人の米国におけるスノーボードの市場(規模約750億円)の占有率は30%以上となっていたことが認められる。

そして、これらの商品は、日本でも1981年より販売が開始され、近時、スノーボードの人気は急激に高まってきているところであり、1990年12月13日付けの日経流通新聞(25頁)には、「スノーボードは、米国、欧州製など輸入品が主流。なかでも草分け的存在といえる米バートン社の製品は、日本市場で販売される板のうち四十%を占めている。」、また、1991年12月7日付け日経流通新聞(6頁)には、「バートン社の輸入総代理店である小倉貿易(本社東京)はバートンの製品は日本で四十%のシェアがあり、PJなどは既に完売状態」との記事が掲載されているものである。

そうとすれば、申立人の使用する商標「BURTON」は、遅くとも本願商標の出願時には、申立人の業務に係る商品「スノーボード及びスノーボード関連商品」を表示するものとして、その商品の取引者・需要者の間において広く認識され、その状態は現在に至っても継続しているものと認めることができる。

3 出所の混同の生ずるおそれについて

本件商標は、別掲のとおり、「BURTON HORN」の文字と、「BURTON」の文字の左上に黒塗りの飛翔している鳥の図形を配してなり、その構成文字中には「BURTON」の文字を含むものである

そうとすると、本願商標の指定商品中には、運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)等を含むものであり、これらの商品と引用商標が使用されているスノーボード、スノーボード用衣服、スノーボード用靴等は、共に運動用具、ファッションに関連した商品を含む点において共通しており、請求人が本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人の著名商標と共通の「BURTON」の文字に着目し、前記周知になっている申立人の使用に係る商標を連想、想起し、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品の如くその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。そして、この出所の混同を生ずるおそれは、本願商標の出願時はもとより、現在(審決時)においても認められるものである。

4 請求人の主張について

(1)請求人は、1982年(昭和57年)1月25日から「BURTON」商標を使用したブランド展開を行っていると述べるとともに、「BURTON」は「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドであり、そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されていること、また、アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」の「ゴルフ・バッグ」が有名であり、イギリスで「BURTON」と言えば「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名であり、日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」のブランドとして有名である等、申立人が使用を始めるより前から使用されていたのであるから、申立人が、「BURTON」の名前を独占することはあり得ない旨主張するが、請求人の提出に係る上記に関する証拠をもってしても、引用商標の周知著名性が失われるものと認め難いというべきである。

(2)その他、請求人は、他の登録例、審査例等を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、過去の審査例の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、これらの点に関する同人の主張は採用することができない。

5 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。