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Trademark Appeal Case

商標使用の有無と商品名

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31499(T2000−31499/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2378283号商標の「印刷物(文房具類に属するものを除く)」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2378283号商標(以下「本件商標」という。)は、「クオリス」の文字を書してなり、平成1年5月10日に登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標における指定商品中の「印刷物(文房具類に属するものを除く)」については、継続して3年以上日本国内において使用している事実がない。すなわち、商標権者自身による使用はもとより、商標登録原簿を見ても設定登録された専用使用権はなく、また、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もないと共にその不使用についての正当な理由があるとも認められない。

よって、本件商標における指定商品中の「印刷物(文房具類に属するものを除く)」については、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録は取り消されるべきである。

2 被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標を指定商品中「カタログ」に使用している旨を主張し、乙第1号証ないし同第5号証を提出している。

しかしながら、被請求人が提出した審判事件答弁書における答弁の理由及び乙号証のいずれからも、被請求人が本件商標を確実に使用していることの確証は得られない。以下、各乙号証について反論する。

(2‐1)乙第1号証について

提出の趣旨からして問題なし。

(2‐2)乙第2号証について

この乙号証における表紙の右上角部には、確かに「クオリス」の表示がなされているが、しかし、この「クオリス」の表示は、商品「カタログ」についての商標の使用ではない。

すなわち、この表紙における「クオリス」の表示は、第1頁以下に掲載されてしいる注文住宅の名称である。

そのことは、表紙における表示が、単に「クオリス」の文字だけではなく、「クオリス」の文字の上部には「新星和のQUALIS」の文字が、また、下部には「設備仕様・プラン」の文字が一体的に表示されていること及び第1頁の説明文中に「間取りはもちろん、設備や外装材など住まいのすみずみに高品質な快適性『クオリス』」、「クオリスの15プラン」、「クオリスは『ありがとう』の在る住まい」、第2頁の「クオリス設備仕様・プランCONTENTS」及び第14頁の「外観に、間取りに、設備に高品質な快適性があふれる住まい『クオリス』」等の表示からして、これが注文住宅の名称であることは明らかである。

(2‐3)乙第3号証について

この乙号証における表紙の左上角部及び次の頁における右上角部にも、乙第2号証におけると同様に、「クオリス」の表示がなされているが、この「クオリス」の表示も、商品「カタログ」についての商標の使用ではない。

すなわち、この表紙及び次の頁における「クオリス」の表示は、次の頁以下に掲載されている注文住宅の名称である。

そのことは、表紙の左上角部及び次の頁における右上角部の表示が、単に「クオリス」の文字だけではなく、「クオリス」の文字の上部には「新星和のQUALIS」の文字が一体的に表示されていること及び次の頁以下の説明文中に「ミニキッチンのあるおじいちゃんおばあちゃんの部屋など、素敵な暮らしの夢を住まいづくりにいかした新星和の家<クオリス>」、「クオリスは、『ありがとう』の在る住まい」、「高品質な家<クオリス>のテーマは、クオリティ一&アメニティー」等の表示からして、これが注文住宅の名称であること明らかである。

(2‐4)乙第4号証について

この乙号証における3枚の写真は、小さくて不鮮明のため、「クオリス」の文字が何れの箇所に如何様な態様で表示されているのかの確認をすることが全くできない。よって、このような乙号証の証拠能力は到底認めることはできない。

(2‐5)乙第5号証について

被請求人は、この乙号証をして、乙第4号証における店頭の掲示板と同じものが記載されている被請求人「新星和ホーム MyHome」のカタログであると称するが、請求人において拡大鏡等をもって対比した限りでは、特に説明文の態様が全く異なり、これが同じものであるとの確証は到底得られない。なお、この乙号証においても、次頁以下の説明文中には「グランデール、クオリス、創快は、伝統的な在来工法でつくられています。」、「クオリスの外観は、落ち着いた中にも斬新なデザインになっています。」等の記載が建物の全景写真や具体的な間取図とともに掲載されており、これが注文住宅の名称であることを如実に示している。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

被請求人は、日本生命グループの総合不動産会社として、長年の信頼と実績を誇る企業であるが(乙第1号証)、商標「クオリス」は、そもそも被請求人の注文住宅の商品名として使用しているものである。そして、顧客に注文住宅の営業を展開する際、顧客から住宅「クオリス」の注文を受ける際などに、本件商標「クオリス」を付した商品「カタログ」(乙第2号証及び乙第3号証)を顧客に頒布している。従って、商品「カタログ」を含む商品「印刷物(文房具類に属するものを除く)」に本件商標「クオリス」を使用しているのは明らかである。乙第2号証は、その裏面に記載のとおり、1989年(平成元年)に作成したものであり、乙第3号証は1992年(平成4年)に作成したものであるが、現在のところ、これ以降新しくこの「カタログ」の作成はしていない。その理由は、この「カタログ」の在庫がまだあるからである。つまり、注文住宅業界において、注文住宅という商品は大量に売れる商品ではないことなどから、「カタログ」類は一度に大量に作成し、在庫がなくなるまでは新たに作成しないものであり、この業界においては一般的なことである。

そこで、現在に至るまで本件商標「クオリス」を使用していることを証明するものとして、事業所「新星和ホーム」の店頭の掲示板写真(撮影日:平成13年2月19日)を提出する(乙第4号証)。また、この店頭の掲示板と同じものが記載されている被請求人の「新星和ホーム MyHome」のカタログを念のため添付する(乙第5号証)。「伝統美を洋風のタッチでコーディネート」のキャッチコピーが付されているものが「クオリス」であり、顧客から「クオリス」の受注等があれば、本件商標「クオリス」を付した商品「カタログ」(乙第2号証及び乙第3号証)を顧客に頒布しているのが容易に理解できる。

以上述べたとおり、被請求人は、本件審判請求登録前3年以内はもちろんのこと、長年にわたり本件商標「クオリス」を商品「印刷物(文房具類に属するものを除く)」に属する商品「カタログ」に使用していたのは明らかであり、請求人が審判請求書で種々述べている主張は何ら根拠がなく、これを認める理由がないものである。

第4 当審の判断

被請求人提出の乙各号証をみるに、乙第1号証及び同第4号証は、被請求人の会社案内パンフレット及び同人の事業所と認められる「新星和ホーム」の店頭の掲示板の写真であって、これらからは本件商標の使用の事実は認められない。つぎに、同第2号証、同第3号証及び同第5号証は、同人作成に係る注文住宅に関する仕様書、設備仕様書等のパンフレットと認められるものである。そして、これらパンフレットについては、被請求人も認めているように、顧客から住宅の注文を受ける際などに、顧客に頒布するために用いられるものである。

そうとすれば、これらのパンフレットは、注文住宅に対する広告宣伝、販売促進用、あるいは、注文住宅建設時の検討用資料として無償で配布されるもので、該パンフレットが商取引の目的物として一般市場に流通するものであるということはできないばかりでなく、ほかに該商品が不特定多数の取引者、需要者を対象として販売されている商品であることを客観的に認めるに足る証左の提出もないものであるから、本件商標を本件請求に係る商品「印刷物(文房具類に属するものを除く)」について使用しているものと認めることはできない。

してみれば、被請求人の提出に係る書証を総合勘案するも、本件商標をその指定商品中「印刷物(文房具類に属するものを除く)」について使用していることを立証するに十分なものと認め得ることができないから、本件商標は、本件請求の登録前3年以内に日本国内において本件請求にかかる指定商品について使用していたものとは認められない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中結論掲記の指定商品についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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