Trademark Appeal Case
「文庫」の識別力と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−17996(T2000−17996/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「デュアル文庫」の文字を横書きしてなり、第16類「双書」を指定商品として、平成12年2月7日に登録出願、その後、指定商品については平成12年9月7日付けの手続補正書により「文庫版の双書」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4179402号商標は、「DUAL」の欧文字を横書きしてなり、平成5年11月25日に登録出願、第16類「衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,印刷物,写真,写真立て」を指定商品として、平成10年8月21日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「デュアル文庫」の文字よりなるところ、構成中後半の「文庫」の文字は、「装幀・版型などを一定にし、特定の主題をもって限られた冊数で完結するように計画された出版物。全集とか双書とかいわれるものと同じ。」(株式会社出版ニュース社発行 出版事典)又は「双書的性格のものではあるが、終期を定めず、とくに廉価普及を目的とし、古典的作品や既刊の著作を携帯に便利な小型の形態にした出版物」(同事典)を指称するものとして容易に理解されるといえるものであり、特に、後者の小型サイズのものは文庫版(A6版)と一般に称されているところと認められる。そしてこの種出版物において、ある文字と「文庫」の文字を結合させた「○○文庫」のような標章が取引上普通に採択・使用されているのが実情である。
そうしてみると、本願商標「デュアル文庫」をその指定商品「文庫版の双書」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「文庫」の部分を「文庫版(A6版)の双書」、すなわち、その発行形態又は形態表示と認識するにとどまり、前半の「デュアル」の文字をもって自他商品の識別標識と捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、本願商標は、構成文字全体から「デュアルブンコ」の称呼を生ずるほか、「デュアル」の文字に相応して単に「デュアル」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、前記のとおり、「DUAL」の文字よりなるから、その構成文字に相応して、「デュアル」の称呼を生ずるものである。
そうしてみると、本願商標と引用商標とは、「デュアル」の称呼を共通にする点で互いに紛らわしく、このほか、外観・観念の点を考慮してもなお両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、引用商標は、その指定商品中に本願商標の指定商品「文庫版の双書」を含むものである。
してみれば、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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