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Trademark Appeal Case

周知商標の立証と構成態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35077号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3344623号商標(以下「本件商標」という。)は、「PLANET EARTH」の欧文字を書してなり、平成7年2月22日登録出願され、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物」を指定商品として、平成9年9月5日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第23号証を提出した。

本件商標は、以下の理由により、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。

別掲に示した商標(以下、「引用商標」という。)は、平成5年より我が国において「スケートボード」及び「被服」に使用されてきた周知商標である。

本件商標は引用商標に類似し、同一又は類似の商品に使用するものであること明らかである。

引用商標は、請求人が、長年の間、米国・日本を始めとする世界各国で、スケートボードやスノーボード用の被服に使用している周知商標である。引用商標を付した被服は、スノーボード用パンツ、スノーボード用ジャケットの他、Tシャツ、ポロシャツ、ジーンズ、ショートパンツなど多岐に渡っている。引用商標を付した被服の日本への輸入は、平成5年1月よりソニープラザ(本社:東京都)や株式会社ムラサキスポーツ(本社:東京都)、アドバンス マーケティング株式会社(本社:茨城県)などを通じて開始され、その後、スノーボード人口の急増に伴って、輸入元もユニコムコーポレイション(本社:愛知県)、東京ファィバーグラス株式会社(本社:東京都)、ブラックゴールドインターナショナルインコーポレイテッド(本社:米国、ムラサキスポーツの子会社)などと拡大し、平成7年1月31日時点では、日本への輸出高が少なくとも337,323ドルに達するまでになっていた。この間、スノーボーダー向けの主力雑誌「SNOW STYLE」や「SNOW BOARDER」に広告を掲載したり、人気ブランドとして頻繁に紹介されている。さらに、近年では、インターネット上のスノーボーダー向けの多くのホームページ上において、スノーボード用ウエアの人気ブランドとして紹介されている。引用商標は本件商標の出願時点において請求人の商品を表示するものとして周知であった。

前記のように周知な引用商標と類似する本件商標がその指定商品「被服」等に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が請求人の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、請求人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれが極めて高いものである。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証乃至同第10号証(枝番を含む。)を提出した。

請求人の提出した甲各号証についてみると次のとおりである。

甲第4号証及び同第5号証は、アドバンスマーケティング株式会社の取扱商品のブランドを表示しているが、引用商標が如何なるスケートボードに使用されているのか、知るすべはない。また、この程度の証拠では周知な商標とはいえないし、引用商標とは構成態様が異なるから引用商標の使用とはいえない。甲第6号証に記載された「Planet Earth」なるラベル及び甲第7号証乃至同第10号証のインボイスに使用されている「Planet Earth Products」の文字は、引用商標の構成態様と著しく相違し全く異質のものである。甲第11号証乃至同第12号証のインボイスに引用商標が使用されているが、その使用に係る商品について、この程度の使用では引用商標が周知とはいえない。甲第13号証乃至同第23号証は、いずれも本件商標出願後のものであり、これらに使用されている「PLANET EARTH」等は、引用商標とその構成態様を著しく異にするから引用商標の使用とはならない。

したがって、請求人の提出した証拠をもってしては使用にかかる商標が本件商標の出願前に日本国において取引者・需要者に広く認識されていたものではないから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。また、本件商標を指定商品に使用した場合、その商品が請求人の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、請求人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、商品の出所について混同を生ずるおそれのないものであるから、同法第4条第1項第15号にも該当しない。

4 当審の判断

(1)本件商標は「PLANET EARTH」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「プラネットアース」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、別掲のとおり「PLANET」「EARTH」及び「PRODUCTS」の各欧文字を三段に横書きしてなるものである。しかして、これよりは、構成文字全体に相応して「プラネットアースプロダクツ」の称呼を生じるほか、その全体の称呼がやや冗長であること、構成中の最下段に表された「PRODUCTS」の文字が「製品」等の意味を表す語として一般に使用されて識別力の弱いものであること、構成全体を常に一連に称呼しなければならない特段の事由も認められないことから、簡易迅速を尊ぶ取引において、「PLANET」と「EARTH」との両文字に相応した「プラネットアース」の称呼をもって取引に資される場合も少なくないとするのが相当である。よって、これよりは「プラネットアース」の称呼をも生じるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標といい得るものである。

(2)つぎに、引用商標が取引者・需要者の間で広く認識され周知商標となっていたとして請求人の提出した甲各号証をみると、以下のとおりである。

引用商標は、甲第2号証をもって特定され別掲に示すとおりの構成態様からなるものである。そして、甲第3号証には、引用商標を付したジーンズと思しきものの一部が示されているが、使用の時期等については不明である。同第4号証(アドバンス マーケティング株式会社の1993年商品カタログ)には、取扱商品一覧表の「1.スケートボード」の欄に引用商標が他のブランドとともに掲載されているのが認められ、同第5号証(アドバンス マーケティング株式会社の1993年同94年商品カタログ)には、「2.スケートボード及びストリートウエアー」の欄に引用商標が他のブランドとともに掲載されている。甲第6号証は英文レターであり、そこには、1994年5月4日から1995年1月28日に至る日本への輸出の額が記載されており、また、衣料品に付された「Planet Earth label」なる記述が認められるが、これと引用商標との関連は必ずしも明確とはいえないものである。甲第7号証乃至同第10号証(いずれもインボイスの写し)によれば、「Planet Earth Products」と「ソニープラザ」等との間の衣料品他の取引は窺えるけれども、品目などの記載をみても、引用商標との関連が明確ではない。甲第11号証乃至同第12号証(いずれもインボイスの写し)によれば、本件商標の出願日前である1994年3月1日から同年11月18日に至る間に、「アドバンズマーケティング」や「ユニコムコーポレーション」等との間で、スノーボードジャケットや同パンツ等の取引がなされたこと、その送り状に引用商標が表示されていることが認められる。甲第13号証乃至同第14号証及び甲第16号証(いずれもインボイスの写し)には、「8〃Planet Earth Products」の記載は見えるが、「InvoiceDate」よりみれば、いずれも本件商標の出願日の後のものである。また、甲第15号証(英文レター)には、「Planet Earth」の記述があるのが認められるにすぎない。

さらに、甲第17号証(雑誌「SNOW STYLE 1995年(平成7年)9月号」)には、引用商標及び「PLANET EARTH」と「プラネットアース」の文字がジャケット等の商品とともに掲載されている。しかし、同雑誌は、本件商標の出願日より後の発行に係るものである。また、甲第18号証乃至同第20号証は、いずれも雑誌「SNOW BOARDER」であり、それには、引用商標を使用したジャケットの写真と「PLANET EARTH」と「プラネットアース」の文字が掲載されているが、それぞれ1997年10月11日、1998年11月12日、1998年12月10日の発行に係り、いずれも本件商標の出願日より後のものである。さらに、甲第21号証乃至同第23号証(いずれもインターネットウエブサイトの写し)には、「PLANET EARTH」と「プラネットアース」の文字の掲載はされているが、引用商標は見出せず、かつ、いずれも本件商標の設定登録日より後のものである。

しかして、本件商標の出願時よりも以前において引用商標との関連を示し得る資料は、甲第4号証乃至同第5号証、甲第11号証乃至同第12号証に限られるといわざるを得ず、しかも、これらによるも、広告的な使用のほかは引用商標が実際の商品にどのように使用されたのかは看取し得ないところである。そして、その余は本件商標の出願の後の時点に係るものか時点が不明なもの、または引用商標の使用を確認し得ないものである。

そうとすれば、これらによっては、本件商標の出願時より前において、引用商標が「スケートボード、衣服」等に使用されたことが窺い知れるといい得る程のものであるというのが相当である。

(3)してみれば、甲各号証を総合してみても、本件商標の出願時において、引用商標が請求人の商品を表すものとして、本件商標の指定商品(被服等)の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものとは認め難いものである。なお、さらに敷衍して言えば、「PLANET EARTH」及び「プラネットアース」の両標章についても、同様に広く認識されるに至っていたものということはできない。

そして、前述のとおり引用商標が請求人の商品を表示するものとして広く認識されるに至っていたとは認められないものであるから、本件商標の出願時において、たとえ引用商標と称呼において類似する商標といい得る本件商標をその指定商品に使用しても、その商品の取引者・需要者をして、請求人の取扱に係る商品であるかのごとく、または請求人と何らかの関係を有する者の取扱に係る商品であるかのごとく、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあったとも言い難いものである。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号のいずれにも該当するものとはいえない。

(4)したがって、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同第15号に違反して登録されたものとして、同法第46条の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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