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Trademark Appeal Case

称呼・外観類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35247号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第3354761号商標(以下「本件商標」という。)は、「大阿蘇万能茶」の文字を縦書きしてなり、平成7年7月7日に登録出願、第30類「茶」を指定商品として、平成9年10月24旧こ設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2.請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3120299号商標(以下、「引用イ商標」という。)は、「大阿蘇健康茶」の文字を縦書きしてなり、平成5年7月8日登録出願、第30類「茶」を指定商品として、平成8年2月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。そして、同じく請求人が引用する商標登録出願平成6年第35362号、同第35363号及び同第35364号商標(以下、「引用口商標」という。)は、それぞれ別紙のとおりの構成よりなり、いずれも第30類「茶」を指定商品として平成6年4月8日に登録出願されたものであるが、これらについてはいずれも同8年6月14日付をもって拒絶査定がなされ、その後、当該拒絶査定は確定しているものである。

3.請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を概略次のように述べている。

(イ)本件商標は、その先出願にかかる引用イ商標と指定商品が同一であり、かつ以下に述べるように商標が類似している。

(ロ)請求人は、本件商標の無効審判請求に先立って、引用ロ商標の出願を行った。

これらの出願にかかる商標は、「大阿蘇」の文字とこれより大きなサイズの「万能茶」の文字を続けて縦書きにし、その下に阿蘇山を直感させる図形を付した構成を基本とし、1件はこの構成のみからなり、他の2件はこの構成に「選」または「粋」の文字を付加した構成であったが、これら請求人の各出願は、いずれも引用イ商標と同一又は類似であってその指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるとして、商標法第4条第1項第11号該当を理由に拒絶査定を受け、当該査定は確定した。

(ハ)上記拒絶査定謄本によれば、「本願商標中の『万能茶』の文字は肥満防止、コレステロール除去等の効用、効果あるいは熱湯、冷水のいずれにも用いられる等の用法を表した部分と看取、把握され、『大阿蘇』の文字は・・・これを捉えた『オオアソ』『ダイアソ』と称呼されて取引に当たることがあるとするのが相当である。一方、引用商標中の『健康茶』も薬効のあるハトムギ茶、クコ茶等を総称、称呼するものであるから、『大阿蘇』の文字がその主要部であり、両者は『オオアソ』あるいは『ダイアソ』の称呼を同一にする場合のある類似の商標である。」とのことであった。

(ニ)ところが、その後になって本件商標が登録されたのである。引用イ商標は「大阿蘇健康茶」という単純な文字からなる商標であるが、本件商標も「大阿蘇万能茶」という単純な文字からなる商標であって、引用ロ商標と比べても、より引用イ商標に近いものであり、引用口商標が引用イ商標に類似するとして拒絶されたにもかかわらず本件商標が登録されたのは、不可解というほかない。

(ホ)そこで請求人は、本件の無効原因として、次のとおり、上記(ハ)記載の拒絶の理由と同趣旨の主張をするものである。

すなわち、本件商標中の「万能茶」の文字は、商品の効用、効果あるいは用法を表したものであり、したがって、本件商標は、「大阿蘇」の部分から「オオアソ」あるいは「ダイアソ」との称呼が生じるものである。一方、引用イ商標中の「健康茶」の文字も薬効を表したものであるから、「大阿蘇」の文字がその主要部であり、引用イ商標からも「オオアソ」あるいは「ダイアソ」の称呼が生じるものである。よって、両者は「オオアソ」あるいは「ダイアソ」の称呼を同一にする場合のある類似の商標である。

(ヘ)さらに、外観についても、本件商標と引用イ商標の実質的相違点は「万能」と「健康」の文字部分のみであるところ、前記のとおり「万能」 「健康」はいずれも商品の効能等を表す一般的表示であり、自他商品識別力や訴求力を有する部分は「大阿蘇」であることから、少なくとも離隔的観察によれば極めて紛らわしく、誤認混同のおそれが大きい。

したがって、本件商標と引用イ商標は外観においても類似する。

以上のとおり、本件商標は、引用イ商標と称呼及び外観において類似し、かつ指定商品を同一にするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

4.被請求人は、3.に対し何等答弁していない。

5.当審の判断

そこでまず、本件商標と引用イ商標との称呼上の類否について判断するに、本件商標は「大阿蘇万能茶」の文字よりなるものであるところ、構成中の「茶」の文字は、商品の普通名称を表した部分と認められるところから、本件商標に接する取引者、需要者は、構成中自他商品識別標識としての機能を果たす部分は「大阿蘇万能」の文字部分にあるものと理解し、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標よりは「大阿蘇万能茶」の文字に相応する「オオアソバンノウチャ」若しくは「ダイアソバンノウチャ」の一連の称呼のほか、「大阿蘇万能」の文字部分より「オオアソバンノウ」若しくは「ダイアソバンノウ」の称呼をも生ずるものといえる。

一方、引用イ商標は、「大阿蘇健康茶」の文字よりなるものであるところ、構成中の「健康茶」の文字は、漢方で用いられている生薬や、古くから民間に伝わる薬草を原料にした保健効果をもたらす茶(株式会社大泉書店発行「健康茶の美味しい飲み方」)を表すものとして普通に使用されているところから、これに接する取引者、需要者は、構成中自他商品識別標識としての機能を果たす部分は「大阿蘇」の文字部分にあるものと理解し、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものというのが相当である。

そうとすれば、引用イ商標よりは「大阿蘇健康茶」の文字に相応して「オオアソケンコウチャ」若しくは「ダイアソケンコウチャ」の一連の称呼のほか、「大阿蘇」の文字部分より「オオアソ」若しくは「ダイアソ」の称呼をも生ずるものといえる。

そこで、本件商標より生ずる「オオアソバンノウチャ」「ダイアソバンノウチャ」及び「オオアソバンノウ」「ダイアソバンノウ」の各称呼と、引用イ商標より生ずる「オオアソケンコウチャ」「ダイアソケンコウチャ」及び「オオアソ」「ダイアソ」の各称呼とを比較すると、両称呼は、その配列構成音を著しく異にするものであるから、称呼上明瞭に聴別し得るものである。

次に、本件商標と引用イ商標とは、前記したとおりの構成よりなるものであるから、外観上互いに区別し得る差異を有するものであり、また、本件商標は特定の観念を生じさせない造語よりなるものと認められるものであるから、引用イ商標がいかなる観念を生じさせるものであっても、観念について両者は比較すべくもないところである。

してみれば、本件商標と引用イ商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項により、その登録を無効にすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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