Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91248号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4277157号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年10月3日登録出願、商標の構成を「VALENTINO VALENTINI」の欧文字とし、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年5月28日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標の登録は商標法第43条の3第2項により取り消されるべきであるとし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第62号証を提出した。
(1)本件商標は、イタリアの著名なデザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏の著名な略称として本件商標の登録出願前すでに我が国において広く知られた「VALENTINO」の文字を含むものであるにも拘わらず、同人の承諾を得たものではないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)本件商標は、他人に係る商標登録第972813号、同第1793465号及び同第1786820号の各商標と類似し指定商品も抵触するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)本件商標は、他人の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 本件商標の取消理由
本件商標権者に対し、意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成13年8月15日付取消理由通知書)は、要旨次のとおりである。
<取消理由>
申立人の提出に係る甲各号証(甲第2号証ないし甲第62号証)によれば、次の各点が認められる。
(1)「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は、1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名デザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。以来、同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで広く知られる国際的デザイナーの一人と認められる。
(2)わが国において、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)の名称(氏名)または標章(以下、「申立人商標」という。)は、前記1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞を契機に知られるようになり、同時にその製作・発表に係る作品群、すなわち、その取扱いに係る婦人服その他の衣料品、かばん類、はき物類ほかファッション関連各商品を表彰するいわゆるデザイナーズキャラクターブランドとして、ファッション関連雑誌、新聞等により屡々日本国内にも紹介されてきたことが認められる。また、この間、日本及び極東地区総代理店として昭和49年に設立された「株式会社ヴァレンティノヴティックジャパン」の事業展開と相俟っていわゆるヴァレンチノ(VALENTINO)製品の輸入、販売及びその広告・宣伝活動が活発に行われてきた状況を窺うのに十分である。
これら事情よりして、前記デザイナーの氏名ないしその作品群またはそれら取扱いに係る商品を表示する申立人商標は、わが国において、少なくとも昭和50年代前半においてすでにわが国の需要者一般に広く認識せられるに至ったいわゆる著名商標と認め得るものである。
(3)前記デザイナー名称または申立人商標は、一方において、前出新聞、雑誌の記事や見出し中において、単に「VALENTINO」または「ヴァレンティノ」の省略形または略称(以下、「略記商標」という。)をもって取り扱われている事実があり、ファッション関連分野において「VALENTINO」(ヴァレンティノ)といえば前記デザイナーに係る商品を表示するものとして、申立人商標と同様に需要者間に広く認識せられるに至ったものと認められる。
すなわち、当審において調査するに、申立人商標はわが国において、「VALENTINO」、「ヴァレンチノ」または「ヴァレンティーノ」の略記(略称)をもって取り扱われていることが田中千代著同文書院1981年発行「服飾辞典」、山田政美著株式会社研究社1990年発行「英和商品辞典」、金子雄司ほか著岩波書店1997年発行「世界人名辞典」の当該各項の記載に徴して認め得るところであり、このほか、女性雑誌等においても、たとえば、「marie claire」(マリ・クレール)1996年2月号、「non−no」(ノンノ)1989年12月号における当該記事の見出し表示等よりして、その状況が十分に窺われる。
(4)前述わが国への進出時期と前後する昭和43年頃から同49年にかけて、申立人会社は、「VALENTINO GARAVANI」または「VALENTINO」商標のわが国における使用権確保と他人による使用を排除すべく、被服、布製身回品、寝具類、はき物、装身具類、かばん類、宝玉類、喫煙用具その他いわゆるファッション関連各商品分野において商標登録出願を行い(爾後、商標登録済み。)、その後も引き続き関連商標について商標登録し権利確保を図ってきた状況が認められる。
以上、(1)ないし(4)の各点よりして、略記商標は、申立人商標と同様に、国際的デザイナーの一人に数えられる前記デザイナーまたは申立人会社に係る婦人服、紳士服等の衣料品、かばん類、宝玉その他装身具類、はき物類及び喫煙用具等の各商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時(平成8年)はもとよりそれ以前においてすでにわが国の需要者間において広く認識せられたいわゆる著名商標と認め得るものであって、その状況は本件商標の登録査定時である同11年4月13日の時日においてもなお同様であったものと認められる。
ところで、本件商標はその構成前記のとおり、「VALENTINO VALENTINI」の文字よりなるところ、意味上においてこれら文字を常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情は見出せない一方、その冒頭部にあって強く印象づけられる部分というべき「VALENTINO」の文字部分は前記認定の略記商標と同一の文字綴りであり、かつ、その指定商品は申立人商標または略記商標の使用に係るかばに類ほか関連各商品を含むものと認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、前記各事情よりして、略記商標または申立人商標を容易に想起するとともに、その商品があたかも上記デザイナーまたは申立人会社ないしはその関連会社の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を来すおそれが少なからずあったとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
4 商標権者の意見
本件商標権者は、上記取消理由の通知に対し、何ら意見を述べていない。 5 当審の判断
本件商標について示した上記取消理由は妥当であって、本件商標は、他人の業務に係る商品とその出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ないから、その登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものというべく、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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