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結論

勝訴(請求認容)

商標「シンクイン」の技術用語の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判異議2001−90086(T2001−90086/J7))

審判番号
異議2001−90086(T2001−90086/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「シンクイン」
争点(論点)
技術用語の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第21類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2001−90086(T2001−90086/J7)・異議)は、本件商標「シンクイン」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「技術用語の識別力」です。指定商品・役務は第21類に属します。特許庁は「登録第4430320号商標の商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4430320号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4430320号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年8月5日登録出願、商標の構成を「シンクイン」の片仮名文字とし、指定商品を第21類「食器類(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),陶磁製のティッシュケースカバー,化粧用具,陶磁製のポプリ容器,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,食卓用ディナーベル(貴金属製のものを除く。),ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),ごみ箱(貴金属製のものを除く。),貯金箱(金属製のものを除く。),花瓶及び水盤・その他の花器(貴金属製のものを除く。),香炉,コッフェル」として、同12年11月2日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標(「シンクイン」)は、陶磁器製品の加飾方法の一つを意味し普通に使用されている技術用語であるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。よって、その登録は、同法第43条の3第2項により取り消されるべきである。

3 本件商標の取消理由

登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成13年6月20日付取消理由通知書)は、要旨次のとおりである。

<取消理由>

登録異議申立人の提出に係る甲各号証によれば、以下の各点が認められる。

(1)財団法人日本セラミックス協会編,丸善株式会社昭和61年1月25日発行セラミックス辞典「シンクイン」の項(甲第1号証)によれば、「磁器の上絵付は普通650ないし850°C付近で行う、これに対して、1200°C或いはそれ以上の高温で焼成し、絵具をうわぐすり層に沈めて実際使用に際しての耐摩耗性を増大するとともに、絵具の光沢をよくすることをねらって行う高温絵付をシンクインという。」旨解説されていること。

(2)編者:社団法人日本セラミック協会,技報堂出版株式会社1989年4月10日発行セラミック工学ハンドブック当該掲載箇所(甲第2号証)によれば、「施釉した表面にこの目止め液を使用して転写を貼り、釉焼と同時に絵付してしまう生釉上シンクインはこの手法を発展させたものである。・・・」等の解説のほか、絵付手法の技法種別として「上絵」、「下絵」の用語と並列的に「シンクイン」の語を用いていること。

(3)業界紙「セラミックス」(1983)No.5,筆者上田英三(窯業関連技術者の一人と認められる。)に係る「最近の陶磁器装飾技術」とする評論(甲第3号証)によれば、「シンクイン」の語を上記(2)と同様に絵付手法の技法種別として「上絵」、「下絵」の用語と並列的に用いていること。

(4)以上のほか、前出セラミックス辞典第2版(平成9年3月25日発行)「シンクイン」または「イングレーズ」の項によれば、「シンクイン」は「イングレーズ」の語と同義語である旨の解説が認められること。

以上の各点よりして、陶磁器業界ないしはこの種商品の取引者、需要者間においては、「シンクイン」の語は、「イングレーズ」の語と同様に陶磁器の絵付または加飾の方法、すなわち、商品の加工方法、品質を表示するものとして容易に理解されるものであり、かつ、取引上普通に使用されているとみるのが相当である。そして、本件商標は、その指定商品中にこの種陶磁器製品の多くが含まれるものといえる。

そうとすれば、本件商標をその指定商品中のシンクイン技法による加工(装飾)を施した各種陶磁器製品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その品質、加工の方法を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、これを前記以外の商品について使用したときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の各規定に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

本件商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした上記の取消理由は妥当であって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の各規定に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項により取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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