結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2001−90164(T2001−90164/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4436187号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年12月3日登録出願、商標の構成を「多彩」の文字(標準文字による商標)とし、指定商品を第2類「塗料,染料,顔料,印刷インキ,絵の具,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉,防錆グリース,壁紙剥離剤,媒染剤,木材保存剤,カナダバルサム,コパール,サンダラック,シェラック,松根油,ダンマール,マスチック,松脂」として、同12年12月1日に設定の登録がされたものである。
登録異議申立人は、本件商標(「多彩」)は、色材を取り扱う業界においては「複数の色彩」であること、また、特に塗料においては、「多彩塗料」「多彩模様塗料」を容易に認識させるものであるから、これをその指定商品中「顔料,塗料,印刷インキ,絵の具」などに使用しても単に品質を表示するにすぎず、また、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるとして、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当を理由に、前記商品について、商標法第43条の3第2項による登録の取り消しを求めている。
登録異議の申立てがあった結果、本件商標の指定商品中の「塗料」についての登録を取り消すべきものとして商標権者に対し意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成13年7月26日付取消理由通知書)は、次のとおりである。
<取消理由>
本件登録第4436187号商標(以下、「本件商標」という。)は、「多彩」の文字を標準文字とするものであるところ、本件登録異議申立人の提出に係る甲各号証によれば、以下の各点が認められる。
(1)技報堂出版「塗料用語辞典」(甲第4号証及び同第7号証)によれば、塗料には、「多彩塗料」または「多彩模様塗料」と称する種類のものがあり、「1回塗るだけで、いくつもの色や斑点状の模様にちりばめた塗膜を与える塗料、1つの塗料の中に、この塗料と溶け合わない色の違った塗料を懸濁させた非相溶形と着色したポリマー粒子や珪砂を着色骨材として用いたものがある。色調や光沢の組み合わせによりいろいろな意匠性をもった塗膜を得ることができるため、家電製品、建材等に適用されている。」旨解説されていること。
(2)財団法人日本規格協会発行JISハンドブック塗料編「多彩模様塗料」の項(甲第5号証)によれば、「2色以上の塗料が互いに溶解混合し合わないように、不溶性の媒体の中に粒状に分散させて作り、1回の吹き付け塗りで色散らし模様の塗膜ができる塗料」旨解説されていること。
(3)塗装または建築塗料関連業界において、「多彩模様塗料」が金属系素地、セメント系及び石こう系素地、木質系素地について施工可能とされており、また、これを使用することにより多彩な新意匠塗料が工夫されている状況が認められること(甲第8号証ないし甲第11号証)。
以上によれば、塗料の中には、一回の塗装で模様をいろいろに表出し得る種類のものがあり、塗料業界または塗装関連業界ないしはこの種商品の取引者・需要者間においては、これら塗料を称して「多彩塗料」または「多彩模様塗料」と呼んで取引上普通に使用しているのが実情である。
そうすると、本件商標をその指定商品中の「多彩模様塗料」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、その品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。そして、これを前記塗料以外の「塗料」について使用するときは、該商品が「多彩模様塗料」であるかの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中の「塗料」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
上記取消理由の通知に対して、商標権者は何ら意見を述べていない。
本件商標について示した上記取消理由は妥当であって、本件商標の登録は、その指定商品中の「塗料」について前記各法条の規定に違反してされたものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により、前記指定商品について取り消すべきものとし、その余の指定商品についての登録は、取り消すべき理由のないものであるから、同法第43条の3第4項により、その登録は維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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