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Trademark Appeal Case

著名人略称と商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第90010号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4185853号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4185853号商標(以下「本件商標」という。)は、「VALENTINO BERTINI」の欧文字を書してなり、平成8年8月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年9月11日に設定登録されたものである。

2.本件商標に対する取消理由の要旨

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張の趣旨及び甲第1号証ないし同第62号証(枝番を含む)によれば、次の事実が認められる。

「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァニ)は1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。

わが国においても、ヴァレンティノ ガラヴァニの名前は1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品は「Vogue(ヴォーグ)」誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。

昭和49年には三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は我が国のファッション雑誌にもより数多く掲載されるようになり、同氏は我が国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。

以上のとおり、ヴァレンティノ・ガラヴァニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された平成8年8月当時には、既に我が国においても著名であったものと認められる。

同氏の名前は「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。

さらに、当審において調査するに、「ヴァレンティノ ガラヴァニ」「VALENTINO GARAVANI」は、我が国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」とも略されて表示されていることは、田中千代「服飾辞典」同文書院1981年p550、山田政美「英和商品辞典」(株)研究社1990年p447、金子雄司外「世界人名辞典」岩波書店1997年p84)において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」1996年2月1日号、「non-no」1989年 No23号等からも認められる。

以上の事実よりすると、請求人は、「VALENTINO」又は「VALENTINO GARAVANI」よりなる商標を婦人服を始めとし、紳士服、アクセサリー、バッグ、香水等の商品に使用しており、その結果、これら商標は、本件商標の登録出願の時には、既に我が国において、取引者、需要者間に広く認識されていたものといえる。

他方、本件商標は、その構成中に「VALENTINO」の文字を有するものであり、その指定商品は、引用商標が使用されている被服等と関連する商品である。

以上を総合すると、本件商標を、商標権者がその指定商品について使用した場合、取引者、需要者をして、その商品があたかも上記デザイナーあるいは、同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3.商標権者の意見

商標権者は、2の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

4.当審の判断

平成13年8月7日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記2の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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