sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第11006号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2704592号商標の登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2704592号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、昭和63年8月9日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成7年2月28日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人が引用する登録第1509137号商標(以下「引用商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、昭和52年7月16日に登録出願、第30類「菓子」を指定商品として、同57年4月30日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第7号証を提出した。

(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効とすべきである。

請求人所有に係る引用商標は、本件商標より先願に係るものであって、両商標は相類似しており、その指定商品は菓子について同一である。

本件商標は、別紙に示す通り、平行に並べられた5本の短冊の前面に楕円を置き、この楕円の中にアルファベットで「Ola」の文字を配したものである。

これに対し引用商標は、平行に並べられた5本の短冊の前面に、中を白抜きにした楕円を配したものであり、本件商標から文字を除いたものと同一の態様である。

このように、両商標は図形が同一であり、本件商標は、図形を背景にして文字を普通に表しただけのものであり、文字と図形が一体不可分に結合しているというわけではない。したがって、類似判断する場合、文字部分と図形部分を切り離して観察することが許される。本件商標と引用商標を比べた場合、図形部分は同一であるから、両商標は外観上類似する。

以上の通り、本件商標は引用商標に類似することは明らかであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件の審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べるとともに、証拠方法として乙第1号証乃至乙第6号証を提出している。

(1)本件商標は、中央に肉太に二重に楕円形を書し、その背景に短冊状の細長い図形を5列並べて書した図形とともに、この図形の中空部分に、欧文字「Ola」を配してなるものである。

他方、引用商標は、中央に肉太に二重に楕円形を書し、その背景に短冊状の細長い図形を5列並べて書した図形のみからなるものである。

本件商標にあっては、図形の中空部分に配された欧文字「Ola」が、最も需要者の注意を惹くものであって、この結果、本件商標にあっては、図形部分は、商標としての自他商品識別機能を発揮することのない装飾的図形として認識されるにすぎないものである。すなわち、本件商標に接する需要者は、本件商標の欧文字「Ola」より、「オーラ」の称呼と「オーラなる女性名」の観念を強く生ずるものであり、図形部分は欧文字を取り囲む単なる装飾的な図形と認識するに過ぎない。したがって、本件商標は、自他商品識別機能を発揮する欧文字と同機能のない装飾的図形とから構成されるものと理解される。また、本件商標において、欧文字部分と図形部分とは、一体に構成されたものである。需要者をして、殊更に、図形部分のみが抽出されて認識されることのないものである。

この点で、本件商標は、中央に肉太に二重に楕円形を書し、その背景に短冊状の細長い図形を5列並べて書した図形のみから構成され、したがって、同じ図形でありながらも、図形部分に自他商品識別機能が認められるものとして登録されたと思われる引用商標とは、著しく性格の異なるものであり、両商標は、外観、称呼、観念いずれにおいても混同する虞れのない非類似の商標である。

(2)引用商標の図形(すなわち、中央に肉太に二重に楕円形を書し、その背景に短冊状の細長い図形を5列並べて書した図形)は、ユニリバーグループ各社では、いわゆるオーニングディバイス(awning device)(日除けマーク)といわれるもので、図形の中空部分に「Ola」その他の言葉を配してグループ各社によりアイスクリームについて使用する商標として世界中で使用されている。この世界的な使用の事実は、引用商標の出願時である昭和57年4月30日以前より存在していたものであり、引用商標は、本来ユニリバーグループに帰属すべき性格の商標である。

5 当審の判断

本件商標は、別紙に示すとおり下端が丸みを帯びた短冊状の細長い黒塗りの図形を5列に並べ、その中央部分を楕円形に白抜きした図形を基本構成とするものであって、その白抜き部分に「Ola」の文字を配してなるものである。

他方、引用商標は、別紙に示すとおり下端が丸みを帯びた短冊状の細長い黒塗りの図形を5列に並べ、その中央部分を楕円形に白抜きした図形よりなるものであって、特定の称呼及び観念が生じないこと明らかであり、上記のごとく特異な態様の図形からなるものであることから、その外観が看者に強く印象に残り記憶されるものといえる。

そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標の図形部分は、引用商標とほぼ同一であり、その指定商品も同一又は類似のものである。

そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本件商標の図形部分が引用商標とほぼ同一であることに着目し、引用商標が付された商品と同一の出所のものと混同するおそれが少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念の点を考慮しても、外観上紛らわしい類似の商標と判断すのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ず、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

なお、被請求人は、答弁書において、「引用商標の図形は、その中空部分に『Ola』その他の言葉を配してグループ各社により引用商標の出願以前よりアイスクリームの商標として世界中で使用されている。」旨主張しているので、当審において、被請求人に対し、平成10年10月21日付けで審尋書を発し、その事実を証する書面の提出を求めたが、被請求人からは、何ら書面の提出もなく、かつ、その事実を認めるに足る証左も発見できないから、被請求人の上記主張は採用できない。また、被請求人は、本件商標に係る過去の経緯について種々述べているが、上記判断に影響を及ぼすものでもない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。