結論テキスト
審判費用は、その3分の2を請求人の負担とし、3分の1を被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成8年審判第21680号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件審判請求に係る登録第396083号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりのものであり、第45類「他類に属しない食料品及び加味品、但し漬物、魚介の乾製食品、味付、乾製魚介、佃煮、飴煮、鶏冠草、昆布、味噌並びに胡しょう、芥子、及其の類似品を除く」を指定商品として、昭和26年1月24日に登録されたもので、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標に係る指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰、加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求めると主張し、甲第1号証乃至同第5号証を提出している。
(1)利害関係 請求人は、平成6年12日28日に商標「恵比寿/戎」について第29類において商標登録出願をし(甲第1号証)、同7年11月1日付けでその指定商品を「梅干し」に補正する手続補正書を提出したところ(甲第2号証)、同8年11月15日付け発送の拒絶理由通知において本件商標を引用されたもである(甲第3号証)。
したがって、請求人は、本件審判を請求することについて利害関係を有するものである。
(2)本件登録商標の不使用 本件商標は、継続して3年以上日本国において商標権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰、加工野菜、加工果実、並びにれらの類似品」について使用していないので取り消されるべきであり、請求の趣旨通りの審決を求める。
(3)被請求人の答弁に対する弁駁
▲1▼被請求人は、『本件商標は、大正11年1月11日施行の「類似商品例集」によりその商品を指定しているが、大正10年分類において、「加工野菜」、「加工果実」の所属分類はいずれも第47類(以下、「第40類、第45類、第46類又は第47類」はいずれも大正10年分類に係るものを指す。)であって、第45類ではなく、したがって、本件審判請求において、「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」につき登録を取り消すべき旨の主張は、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱しており、本件審判は、本件商標に係る指定商品の範囲を超えた不適法な請求である。』旨主張している。
▲2▼しかしながら、本件審判請求は、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱しておらず、被請求人の主張は理由がない。
請求人が本件審判を請求した趣旨は、請求人の平成6年12月28日付け商標登録出願(指定商品「梅干し」)に対し、本件商標を引用されて拒絶されたことから、本件商標に係る指定商品中、少なくとも前記商標登録出願に係る指定商品「梅干し」と抵触する商品すべてにつき登録を取り消すべく本件審判を請求したものである。そして、請求人の商標登録出願に係る指定商品「梅干し」は、昭和34年分類において、商品区分第32類(以下、「第32類」は昭和34年分類に係るものを指す。)内における「加工野菜および加工果実」に含まれこと明らかであり、「加工野菜」と「加工果実」は互いに類似する商品であるとされている(甲第4号証)。
したがって、本件商標に係る指定商品中に含まれる「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」を取り消すことにより、請求人の登録出願商標の登録が期待できるのである。
被請求人は、答弁書において、『大正10年分類においては、「加工野菜、加工果実」は第47類であって、第45類ではない。』旨主張しているが、そもそも大正10年分類では、いずれの分類にも「加工野菜」、「加工果実」の明記はなく、昭和34年分類に明記された「加工野菜および加工果実」に含まれる商品は、大正10年分類では、第45類、第47類、第40類、第46類に分散し(甲第5号証)、第45類の細分類には、「加工野菜」である「蔬菜類の漬物」、「蔬菜類の揚物及び味付焼」等が、また、「加工果実」である「ジャム」等が例示的に掲げられている。
しかして、本件商標に係る指定商品は、「他類に属しない食料品及び加味品(但し漬物、魚介の乾製食品、味付、乾製魚介、佃煮、飴煮、鶏冠草、昆布、味噌並びに胡しょう、芥子、及其の類似品を除く)」、すなわち、但し書以外の他の類に属しない食料品及び加味品をすべて包含するもの(食料品並びに加味品を総括するもの)であって、かかる指定商品「食料品」には当然のことながら「加工野菜」、「加工果実」が含まれており、しかも大正10年分類において第45類の細分類に列挙されている商品は、あくまでも例示に過ぎないのである。
したがって、第45類には、同類の細分類において例示されている、例えば、加工野菜「蔬菜類の漬物」、加工果実「ジャム」だけではなく、細分類に例示されていない食料品としてのその他の「加工野菜」、「加工果実」も含まれていることは明らかである。
斯くして、請求人の前記した登録出願商標が登録されるためには、本件商標に係る指定商品中に含まれる『他類に属しない「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」』を全て取り消す必要があることから、本件審判を請求するに当たっては、昭和34年分類の「加工野菜」、「加工果実」に該当する「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」は勿論のこと、大正10年分類と昭和34年分類における商品記載の相違に鑑みて、第45類の細分類には例示されていない本件商標に係る指定商品に含まれる「加工野菜、加工果実並びにこれらの類似品」をも取消しの対象商品として明記せざるを得ないのであって、「加工野菜、加工果実、並びにこれら類似品」をも取消しの対象商品とすることにつき、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱するものではない。
以上、本件審判を請求する趣旨に鑑み、本件審判において、その指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰、加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」の登録の取消しを求める本件審判は、適法な請求である。
▲3▼しかして、被請求人は、答弁書において、本件審判は不適法であると主張をするだけで、本件審判請求に係る商品につき本件商標を使用していることを何等証明していないし、また使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
被請求人は、本件審判請求はこれを却下する、又は本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、乙第1号証及び同第2号証を提出している。
(1)請求人は、「加工野菜、加工果実、並びにこれら類似品」についても登録は取り消されるべきである旨主張しているが、その主張は本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱しており、不当なものである。
商標法第50条1項規定の立法趣旨により、同条項により登録の取消しを求める指定商品は、当該登録商標に係る指定商品の範囲内でなければならないこと明らかであり、その範囲を逸脱して登録の取消を求めることは認められない。
本件商標は昭和24年4月28日に出願をしたものであり、大正11年1月11日施行の「類似商品例集」(昭和7年3月)によりその商品を指定しているが、大正10年分類においては、「加工野菜」、「加工果実」の所属区分はいずれも第47類であり、第45類ではない(乙第1号証)。
したがって、「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」には、本件商標に係る指定商品の範囲外の商品も含まれるのであり、本件審判は、本件商標に係る指定商品の範囲を超えた不適法な請求である。
(2)なお、請求人は、平成6年12月28日に商標「恵比寿/戎」について商標登録出願(商願平6−131243)をし、同7年11月1日にその指定商品を「梅干し」に補正をし、その後、本件商標等を引用した拒絶理由通知を受けたため、本件審判を請求している。すなわち、本件商標に係る指定商品には、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰、並びにこれらの類似品」も含まれているため、「梅干し」との類似商品が含まれいるとの判断の下に、その登録を取り消すべく本件審判を請求したものと考える。
大正10年分類による商品の類否判断は難しく、あるいはそのような考え方も成り立つのかも知れないが、前記(2)で述べたように、本件審判請求は、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱するという重大な瑕疵を有するものであって、これが看過されることがあってはならない。
(3)以上の通り、本件審判は,本件商標に係る指定商品の範囲を超えた不適法な請求であって、その補正をすることができないものであるから、商標権者等による本件商標の使用の有無を問わず、商標法第56条第1項で準用する特許法第135条の規定により、その請求は却下されるべきである。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当するとして、その指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物・蕈類の味付、水煮の缶詰、加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」について取り消される理由は全くないものである。
また、被請求人は、平成9年5月23日付請求人の弁駁に対して次の通り答弁している。
(1)請求人は、「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」をも取消し対象商品とすることにつき、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱するものではないとするが、かかる主張は不当である。すなわち、請求人は、昭和34年分類の表示を基礎として本件商標に係る指定商品の範囲を認識しているようであるが,これは、大正10年分類において商標登録出願した本件商標に係る指定商品の範囲を認識する態度として正当ではないからである。
(2)請求人は、本件商標中、自己の商標登録出願に係る指定商品である「梅干し」と抵触する商品につき登録を取り消すべく、本件審判を請求したものである。そして、請求人は、「梅干し」は昭和34年分類においては第32類「加工野菜および加工果実」に含まれ、また、「加工野菜および加工果実」は大正10年分類においては第45類、第47類、第40類、第46類に分散されているとする。
しかし、大正10年分類においては、「加工野菜」、「加工果実」という包括的な表現は用いられていないため、単に、「加工野菜」、「加工果実」と表示すると、第45類、第47類、第40類、第46類に分散している商品を総称したのと同じ結果になってしまい、不合理である。
このように、昭和34年分類における表示からみると、大正10年分類における商品の表示としては適切ではない場合が存するのである。
そこで、本件審判についてみると、単に、「加工野菜」、「加工果実」という表現を用いると、例えば、第47類に属する「乾燥野菜の缶詰」(加工野菜)及び「乾燥果物の缶詰」(加工果実)をも含むこととなってしまい(乙第2号証)、適切ではなく本件商標に係る指定商品に包含される商品を明確に表示すべきである。
したがって、本件商標の登録取り消しに係る商品には第45類似外の第40類、第46類、第47類に分散している商品をも包括的に含んでいるから、本件審判請求は、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱するものと言わざを得ない。
(3)以上の通り、本件審判は、本件商標に係る指定商品の範囲を超えた不適法な請求であって、その補正をすることができないものであるから、商標権者等による本件商標の使用の有無を問わず、商標法第56条第1項で準用する特許法第135条の規定により、その請求は却下されるべきものである。
(1)本件審判請求の取消しに係る指定商品の範囲に争いがあるところ、まず、本件商標に係る指定商品「第45類 他類に属しない食料品及び加味品、但し漬物、魚介の乾製食品、味付、乾製魚介、佃煮、飴煮、鶏冠草、昆布、味噌並びに胡しよう、芥子、及其の類似品を除く」についてみる。
本件商標に係る指定商品は大正10年分類における第45類を指定してなるところ、いわゆる全類指定から但し書で、「漬物、魚介の乾製食品、味付、乾製魚介、佃煮、飴煮、鶏冠草、昆布、味噌並びに胡しょう、芥子」及び「其の類似品」を除いてなるものである。そして、本件商標の登録時に施行されていた「昭和7年3月調 類似商品例集」(乙第2号証101頁及び102頁)によれば、第45類には、「ホ佃煮」「ト漬物」「カ蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」が例示され、「(ホ)(ト)(カ)の項商品は互に類似す」と定められている。
してみれば、本件商標に係る指定商品には、「漬物」、「佃煮」の外、これらの前記「其の類似品」に属する「蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」も但し書で除かれて、含まれていないと解される。
したがって、本件審判請求においては、取消しに係る指定商品中、「蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」は本件商標に係る指定商品に含まれていないものに係るものである。
(2)また、被請求人は、本件審判請求において取消しに係る指定商品中、「加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」については、本件商標に係る指定商品の範囲を逸脱しいると主張して、乙第1号証及び同第2号証を提出している。確かに、大正10年分類においては同第45類又は他の分類においても「加工野菜」、「加工果実」として包括的にまとめられた表示はなく、昭和34年分類の第32類における「加工野菜および加工果実」は第45類以外からも各単品が移行していることは明らかである(甲第5号証45頁。これに反する乙第1号証は専ら先行商標サーチ用の資料で(同号証序)本件には適切でない。)。
しかして、指定商品は、当該願書の記載からその内容、範囲等が決せられることは当然としても、その内容又は範囲の解釈に疑義が生ずるときは、当該分類(番号)も合わせて解釈の指針となるものと言うべきである。これは、本件のような取消審判における取消しに係る指定商品についても同様に扱うのが相当である。
これを本件審判請求の取消しに係る指定商品についてみるに、本件審判請求において、取消しに係る指定商品「加工野菜、加工果実」とは、「第45類 加工野菜、加工果実」とみるべきであるから、第32類「加工野菜および加工果実」に属する商品で、第45類に属しないものは含まれないとみるのが相当であり、両分類に重複して含まれる商品のみが含まれると言うべきである。
してみれば、取消しに係る指定商品「加工野菜、加工果実」には、第45類以外の第47類、第40類、第46類に分散された商品は含まないと解される。
したがって、本件審判請求は本件商標に係る指定商品の範囲を超えた不適法な請求であってその補正をすることができないものであるから商標法第56条第1項で準用する特許法第135条の規定によりその請求は却下されるべきものであるとする、被請求人の主張は採用することができない。
(3)本件審判請求の取消しに係る指定商品は、「ジャム、蔬菜類の揚物及び味付焼、蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰、加工野菜、加工果実、並びにこれらの類似品」であるところ、前記(1)において認定したとおり、「蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」はもともと本件商標に係る指定商品に含まれていないものである。
また、「ジャム、蔬菜類の揚物、味付焼」はいずれも果実又は野菜の加工品であること明らかであるから、第32類「加工野菜および加工果実」にも含まれるものである。
してみれば、本件審判請求においては、その取消しに係る指定商品「ジャム、蔬菜類の揚物、味付焼(並びにこれらの類似品)」と同「加工野菜、加工果実(並びにこれらの類似品)」は重複しているものであり、後者については無意味な取消し請求と言うべきである。請求人は、自己の商標登録出願に係る指定商品と抵触する範囲を取り消す関係からと主張するところがあるが、その点は「・・・これらの類似(商)品」を含めて取り消すことによって補っているものと解される。
したがって、本件審判は、取消しに係る指定商品中、「蔬菜、果物、蕈類の味付、水煮の缶詰」については、本件商標に係る指定商品に含まれていないことをもって、また、同指定商品中、「加工野菜、加工果実」については、他の取り消しに係わる指定商品と重複した請求であることをもって、その請求を却下するのが相当である。
(4)本件審判請求の取消しに係る指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物、味付焼並びにこれらの類似品」については、被請求人が本件商標の使用をしていることについて証明すべきであるにも拘わらず証明するところがなく、また、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにするところもない。
したがって、本件商標は、本件審判請求に係る指定商品中、「ジャム、蔬菜類の揚物、味付焼並びにこれらの類似品」については、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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