結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30412号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2565277号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年5月20日に登録出願され、「ALTIA」の文字と「アルティア」の文字とを二段に横書きしてなり、第21類「袋物、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年8月31日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品』について登録を取り消す。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」について本件商標を使用しているとは認められない。また本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるとも認められない。
従って、本件商標は商標法第50条の規定に基づき、取り消されるべきものである。
(2)平成11年7月5日付け答弁書に対する弁駁
(イ)本件商標は、取消審判の請求に係る指定商品に対して使用されていないこと
本件商標を構成する「アルティア」の文字は、被請求人が答弁書に添付した「使用証明書類」においては、表紙の上部及び裏表紙の下部に記載されているのみである。そして、当該「アルティア」の文字は、各商品の写真や商品の説明部分とは離隔した状態で配置されている。また、「使用証明書類」において各商品について説明している本文中においては、「アルティア」の文字は一切記載されていない。その代わりに、各々の商品を説明した部分では「Zippo」,「Gショック」,「TISSOT」,「Swatch」などの商標が各々の商品について付されている。
また、本「使用証明書類」は、通信販売の商品紹介用の印刷物であり、その注文を容易にするために各々の商品に「商品番号」が付されている。
このような態様で使用されている「アルティア」の文字がある商品に付された商標であると誰が認識できるであろうか。「使用証明書類」に記載された各々の商品についての商標は、各々の商品について紹介した個所の直近に記載された「Zippo」等の文字であると認識するのが自然である。さらに「使用証明書類」が通信販売用の印刷物であるので、各々の商品は商品番号をもって、事実上、取引されるとするならば、「使用証明書類」の表紙及び裏表紙に、不特定多数の商品の商標として包括的に付した「アルティア」の文字を特定の商品を表彰する商標と認識するとは考え難いことである。
(ロ)被請求人の本件商標の使用は、第16類「印刷物」についての使用であること。
「使用証明書類」に付された「アルティア」の文字からは、「日産アルティア株式会社が、1998年秋季号及び初版として発刊した図鑑であり、その内容は、時計・ライター・雑貨商品・カー用品等を特集して紹介した通信販売用のための情報誌のタイトル(題号)である。」旨が想起されるだけであり、請求に係る指定商品「身飾品、ボタン類、宝玉及びその模造品」について付された商標であるとは認識できない。
このようにして被請求人は、本件商標を第16類「印刷物」に使用しているのであり、請求に係る指定商品について使用しているものではない。
(ハ)以上述べた通り、本件商標は被請求人により提出された商標の使用の事実を示す書類に基づいて、請求に係る第21類の指定商品「身飾品,ボタン類,宝玉及びその模造品」についての使用を証明することはできない。
従って、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消されるべきである。
(1)被請求人は、「結論同旨の審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書及び参考資料1、2を提出した。
被請求人は、「登録商標の使用説明書」の商標の使用の事実を示す書類として挙げた、「MONO図鑑 ’98AUTUMN vol.01」(以下単に刊行物1という)号、及び「MONO図鑑 ’98〜’99Winter vol.02」(以下単に刊行物2という)号を、季刊誌として、その対応する時期に発行している。
これらの刊行物1〜2は、被請求人が日頃系列の自動車デーラーなどから集めた顧客を中心とした一般ユーザーのデータを基にして、直接これらの一般ユーザーに頒布するシステムを取っている。そして、刊行物1は、その表紙の表示「’98AUTUMN」から明らかなように、平成10年の秋季用のものであって、この時期の少々前に一般ユーザーに届くように発行されたものである。また、刊行物2もその表紙の表示「’98〜’99Winter」から明らかなように、平成10年〜11年の冬季用のものであって、この時期の少々前に一般ユーザーに届くように発行されたものである。つまり、これらの刊行物1〜2は、本審判の請求の登録前3年以内に発行されたものであることは明らかである。
刊行物1〜2は、内容的にカタログ集の形態を取っており、多数の取扱い商品が紹介されている。これらの紹介商品は、被請求人の責任において、推薦する厳選された商品であることを一般ユーザーに訴えている。つまり、被請求人は、業としてこれらの紹介商品を取り扱う者、すなわち商品を譲渡する者として、上記刊行物1〜2を通信販売用の広告媒体として使用しているのである。
一般ユーザーは、この認識に立って、欲しい商品があれば、例えばこれらの刊行物1〜2に予め綴じ込まれている書類(葉書など)に所定の事項を書き込んで、被請求人側に郵送すればよい。つまり、被請求人による通信販売方式が取られており、一般ユーザーは安心して目的の商品を購入することができるようになっている。
そして、刊行物1〜2の表紙部分の上段に記載された「MONO図鑑」タイトル部分の左上、及び裏面部分の最下段左側に記載された「MONO図鑑」タイトル部分の左上には、本件商標の下段を構成する「アルティア」のマークを表示してある。このような「アルティア」のマークの表示は、本件商標のように上下2段書き構成の商標の場合、上下のいずれか一方のマークの使用でも、登録商標の使用と認められることから、本件の場合にも、登録商標の使用となることは明らかである。さらに、「アルティア」のマーク自体は、各刊行物1〜2中の紹介商品群が、被請求人によって推薦された商品であることを示すマークとして機能している。そして、また、刊行物1の11頁の中段〜下段にかけては、本件商標の指定商品(第21類)である、「ペンダント、ネックレス」が紹介商品として掲載してあり、また、刊行物2の7頁の中段〜下段にかけては、同じく本件商標の指定商品(第21類)である「指輪、ペンダント、ネックレス」が紹介商品として掲載してある。
本審判では、取り消しの対象指定商品として、「身飾品、ボタン類、宝石およびその模造品」を指定してあるが、上記「指輪、ペンダント、ネックレス」は、「身飾品」に属するものである。
以上のことをまとめると、被請求人が、本件商標を審判の請求の登録前3年以内においてその請求に係る指定商品について使用していることは明らかである。
(2)平成11年10月8日付け弁駁に対する答弁
被請求人の平成11年7月5日の答弁書で主張した、本件商標の使用について、
a.「本件商標は、取消しの審判に係る指定商品について使用されていないこと」と、
b.「被請求人の本件商標の使用は、商標法施行規則別表第16類(印刷物)についての使用であること」を主張し、結論として、相変わらず本件商標の取り消しを要求している。
そこで、被請求人は、この請求人の主張に対して、以下の如く反論する。
(イ)「本件商標は、取消しの審判に係る指定商品について使用されていないこと」について
a.請求人は、この理由として、本件商標の「アルティア」(以下単に「アルティア」マークという)は、上記審判事件答弁書での登録商標の使用説明書において、商標の使用の事実を示す書類として挙げた、「MONO図鑑 ’98AUTUMN vol.01」(以下単に刊行物1という)号、及び「MONO図鑑 ’98〜’99 Winter vol.02」(以下単に刊行物2という)号の「表紙の上部及び裏表紙の下部」に記載されているのみで、当該「アルティア」の文字は、各商品の写真や商品の説明部分とは「離隔した状態」で配置されている、と主張している。
b.確かに、商標の表示態様は、指摘の通りであるが、前回の答弁書で説明したように、被請求人は、この刊行物1〜2をカタログ販売方式の「カタログ集」として用いている。
c.このような「カタログ集」の場合、一般的にその紹介商品の中には、カタログ販売方式の企業(以下単にカタログ販売方式企業という)が製造した自社製品もあろうが、他社製品が多数あることも特に珍しいことではない。販売だけが専用のカタログ販売方式企業では、自社製品を持たず、掲載された全商品が他社製品であるケースもよくあることである。このような「カタログ集」において、「請求人の主張に従うならば、」紹介商品の近傍に、他社製品の本来の商標、所謂ブランド名とは別に、カタログ販売方式企業の商標、本件の場合では「アルティア」マークを紹介商品である「ペンダントやネックレス」などの掲載写真の回りに表示しなければならないことになる。
そうすれば、確かに請求人が主張するように、指定商品「ペンダントやネックレス」に対して、「アルティア」マークが使用されていることが明白であると言える。
しかし、このような捉え方は、あまりにも商標が商品の名称を直接的に指す場合の使用形態に拘り過ぎる考え方であると言える。
商標というのは、商標法第2条第1項第1号にいうように、文字、図形などからなる標章を、商品の生産する者だけではなく、商品を証明し、又は譲渡する者が使用するケースもある。
商品の生産者であれば、商標を商品自体やその包装に直接的に分かり易い形で付することも容易であろうが、証明する者や譲渡する者の場合、その取り扱う商品が、上記のように他社製品であるとき、通常はその他社製品にはブランド名があるため、この他社製品にそのブランド名とは、別に証明する者や譲渡する者が取得した独自の登録商標を直接的に付することは、不可能であったり、コスト上昇を招くなどの理由から、現実にはあまり行われていない、と言える。
d.被請求人は、本件の場合、カタログ販売方式企業として、上記「カタログ集」を用いて、「ペンダントやネックレス」などの紹介商品を販売しており、この行為が、まさに上記譲渡に相当するものと言える。実際、カタログ販売の「カタログ集」において、他社製品の回りにカタログ販売方式企業が、自社商標をべたべた表示するというような取引上の慣習はあまりないものと言える。
e.被請求人である、日産アルティア株式会社の場合も、「アルティア」マークの付された「カタログ集」にあっては、被請求人が取り揃えてユーザーに推奨する商品集として提案し、この推奨行為を一種の企業努力として、この企業努力という信用が「アルティア」マーク自体に化体されれば十分であり、「アルティア」マークを他社製品の回りにべたべた表示する必要はあまりないものと言える。
f.ユーザー側から見ても、直接的には、紹介商品のブランド名がより重要であって、ブランド名が周知でなかったり、不明瞭な場合においても、被請求人の永年の努力による上記信用を担保として、購入するものと考えられる。
g.しかも、本件の「カタログ集」が頒布される需要者は、自動車ユーザーを中心とした顧客であり、被請求人が、直接「ペンダントやネックレス」を製造していないことは、よく了解されていることと言える。
h.したがって、「カタログ集」の表紙や裏表紙などの一部であっても、需要者による分かる形で、明瞭に「アルティア」マークが表示されていれば、ユーザー側は、この「アルティア」マークが、被請求人の上記推奨する紹介商品を表示するマークとして、十分に認識されているものと言える。
i.このことからすると、請求人が主張するように、「カタログ集」の「表紙の上部及び裏表紙の下部」に記載されているのみで、かつ、「アルティア」の文字が、各商品の写真や商品の説明部分とは「離隔した状態」で配置されていても、「アルティア」マークは十分商標の機能を果たしているものと言える。
j.商標法上においても、商標の使用には、第2条第3項第7号において、商品に関する広告や取引書類に標章を付して頒布する行為を挙げており、本件の「アルティア」マークは、まさにこのケースに相当するものと言える。
k.逆に、請求人が主張するように、常に取得した登録商標を、「カタログ集」の指定商品の近傍に付することを要求したのでは、本件のような、カタログ販売方式企業が登録商標を取得する意義やメリットが大幅に低下し、上記した商標法第2条第1項第1号にいうような商品を証明し、又は譲渡する者の自由度を不当に制限することにもなって、法の趣旨に反する事態を招くものと言える。
L.また、現状において、特許庁では、カタログ販売方式企業のような一種のサービス行為を行う者に対しても、商品を取り扱う場合には、サービスマークの取得ではなく、商標の取得に限定しているわけであるから、上記のような「カタログ集」において、他社製品の回りに自社の登録商標をべたべた表示しなくとも、カタログ販売方式企業とユーザー間で、商標の機能が果たされているのであれば、広く商標の使用と認めるべきであると考える。
m.現実に、本件の例とは少々異なるものの、例えばデパート(百貨店)では、自社製品がないものと思われる酒類において商標権を取得し、その使用の形態としては、専ら御中元や御歳暮用の「カタログ集」において使用しているのではないかと思われる。
参考までに、デパート高島屋においては、昭和34年法の区分(第28類)で酒類に商標権(第2673697号)を取得しているが(参考資料1)、今年の御中元用の「カタログ集」を見ても(参考資料2)、酒類の部分(例えば洋酒部門、164〜166頁)には登録商標の表示が全くなく、「カタログ集」の表紙や裏表紙に登録商標が表示されているのみである。このようなケースにおいても、「表紙の上部及び裏表紙の下部」に記載されているのみで、登録商標が各商品の写真や商品の説明部分とは「離隔した状態」で配置されているから、商標の使用に当たらないとしたのでは、極めて不合理であると、考えられる。
n.さらに、請求人は、「ルイ・ヴィトン事件」の判例を引用して、ルイ・ヴィトン社が、不使用取消審判を免れるため、新聞の広告に「HEURES D′ABSENCE」「LOUIS VUITTON」「VUITTON」の商標とともに、「香水、レザークロス、スカーフ、・・・マッチ、その他多数」の商品名を掲載した場合、どの商標がどの商品に付されるべきか、広告を見たものが理解できないため、使用に当たらなかった、ことを主張している。確かに、この判例の場合、複数の商標があって、かつ、複数の商品があるのだから、その組み合わせは膨大なものとなって、上記のような結論になるであろうが、本件では、商標が「アルティア」マークの一つであり、その「カタログ集」に掲載された紹介商品に対して、上述したように、この「アルティア」マークは、他社製品のブランド名とは別の商標として、カタログ販売方式企業とユーザー間には了解されていることであり、上記判例のケースとは、大きく異なること明らかである。
(ハ)「被請求人の本件登録商標の使用は、商標法施行規則別表第16類(印刷物)についての使用であること」について
a.請求人は、この理由として、「アルティア」マークは、上記「カタログ集」の表紙の上部と裏表紙の下部に記載され、かつ、「MONO図鑑」や「VOL.01」に近接して表示されているため、刊行物の「題号」に相当する、と主張している。
b.確かに、「MONO図鑑」の部分にあっては、「題号」と指摘されても、「カタログ集」の内容が多数のもの(MONO)を紹介する形態の刊行物であることから、無理からぬ面があると言える。
c.しかしながら、「アルティア」マーク部分については、「MONO図鑑」のMONO部分に比較して、文字も小さく(高さで約1/3、横幅で約1/2)、かつ、色彩も黒一色で、MONO部分とは色彩や明暗が異なることから、外観的に「MONO図鑑」から遊離した形となっている。さらに、観念(意義)的にも、「MONO図鑑」のMONO部分と「アルティア」マーク部分とは直接の関連性は全くなく、独立した部分となっている。
d.したがって、請求人が主張するように、「アルティア」マーク部分も含めた「MONO図鑑」部分を、「題号」とするには無理がある。特に、「アルティア」と「図鑑」部分を結合させた「アルティア図鑑」とする主張に至っては、それぞれの大きさや離れ具合からすると、極めて無理があるものと思われる。
e.また、上述したように、本件の「アルティア」マーク部分は、被請求人の社名である、日産アルティア株式会社から、漢字部分の「日産」を取り除いた構成からなっており、被請求人のユーザーにあっては、被請求人が斬新なイメージを強調する際、カタカナ文字部分からなる、「アルティア」マーク部分を積極的に使用していることは、広く認知されているところである。つまり、「アルティア」マーク部分は、「カタログ集」の「題号」ではなく、被請求人である、日産アルティア株式会社が、「アルティア」のネーミングのもとで、ユーザーに推奨している商品に対するマークであることは、上述したように、被請求人とこの「カタログ集」の頒布されているユーザー間には、容易に了解されていることである。ここでも、「アルティア」マーク部分は、十分商標の機能を果たしているものと言える。
(ニ)注文後の発送時における登録商標の使用
a.上述した「カタログ集」の頒布によって、ユーザーからの注文があると、被請求人である、日産アルティア株式会社が直接受け、その担当部署(通信販売部)から、上記ユーザーに注文品を発送するわけであるが、その際、今回添付の「登録商標の使用説明書2」から明らかなように、上記担当部署は、「アルティア」マークと社名(日産アルティア株式会社)の記載された包装箱(大小幾つか用意してある)に注文商品を入れて、発送するシステムを取っている。
b.ユーザーから見れば、注文品が「ペンダントやネックレス」の場合、メーカー製のケースに入れられた品物が、さらに上記包装箱で包装された形で、受け取ることとなり、このとき、被請求人の社名以外のマークとして、「アルティア」マークがあることを認識し、それが、上記「カタログ集」で被請求人が推奨している紹介商品のマークと同一であることを知ることができる。
c.つまり、被請求人は、商標法第2条第3項第2号でいう、商品の包装に「アルティア」マークを付したものを譲渡している。これによって、上記包装箱の「アルティア」マーク部分は、十分商標の機能を果たしているものと言える。
(ホ)以上のことをまとめると、請求人の弁駁書における主張に関わらず、被請求人が、本件の登録商標(第2565277号)である、「アルティア」マークを審判の請求の登録前3年以内においてその請求に係る指定商品について使していることは明らかである。
(1)商品カタログと商標との関係について
被請求人の提出に係る登録商標の使用説明書に添付された商標の使用の事実を示す書類(以下、「使用の事実を示す書類」という。)は、多くのカタログ販売会社が使用する商品カタログと同様な商品カタログと認められるものである。
ところで、一般需要者がカタログにより商品を購入する場合には、カタログに掲載されている個々の商品のブランドのみならずそれを取り扱っているカタログ販売会社の信用、規模等を総合的に判断して商品を購入するか否かを決定し、万一、購入した商品が不良品、傷物等であった場合には、まず商品を取り扱ったカタログ販売会社に連絡をとり、返品、交換等、必要な措置を講じてもらうのが実情である。
上記実情よりすれば、該カタログに掲載されている商品に関し、第一義的にはその商品の販売会社が全て責任を持ち、また、需要者が、カタログに使用されている商標(以下、「使用商標」という。)を見て、商品の購入にあたる場合も少なくないところから、使用商標は、カタログ掲載商品の責任標としての機能及び商品の識別標識としての機能という両面的な機能を果たしていると言い得るものである。
一方、被請求人が上記商標の事実を示す書類として提出している1998年の商品カタログ中には、本件商標の指定商品である「身飾品」の範疇に属する「ペンダント、ネックレス」が被請求人の取り扱い商品として掲載されている。
(2)本件商標と被請求人の使用商標との同一性について
本件商標は「ALTIA」「アルティア」の各文字を二段に書してなるものである。
そして、被請求人が「使用の事実を示す書類」として提出している商品カタログの使用商標は、「アルティア」の文字と「MONO」「図鑑」の各文字を組み合わせとも看取し得るものである。しかしながら、それら各構成文字は、文字の大きさ、態様、色彩を著しく異にしているために、需要者が全ての文字を一体不可分のものとして認識・理解し難いものである。加えて、上記文字中「MONO図鑑」の文字部分は、需要者に「色々な物品が掲載された図鑑」の如き意味合いを看取させ、自他商品の識別標識しての機能を有しないか、又は有するとしても極めて弱い部分と言える。
そうとすれば、使用商標に接する需要者は、構成中の「アルティア」の文字を被請求人の業務に係る商標であると認識・理解するものと認められる。
また、商標を使用する者の商慣習として、欧文字と片仮名文字よりなる商標の一方のみを使用する場合が多いこと、さらに、「アルティア」を欧文字表記した場合には「ALTIA」であることからすれば、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一性を有する商標であると判断するのが相当である。
(3)してみれば、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中「身飾品」に属する「指輪、ペンダント、ネックレス」について使用されていたものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定商品についてその登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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