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Trademark Appeal Case

称呼・外観類似と著名性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第10991号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3278022号商標の登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3278022号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成4年11月13日登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料、飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成9年4月11日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標中、登録第1410675号商標(以下、引用商標という。)は、別紙(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和49年4月2日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、昭和55年3月28日に登録され、平成2年4月27日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出している。

▲1▼本件商標と引用商標の類否について

本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが相抵触していることは明らかである。そこで、本件商標は、「サンウエスト」と称呼されるものと認められる。引用商標は、「サンキスト」の称呼をもって取り扱われるもである。本件商標の称呼「サンウエスト」は「エ」が拗音化して「ウェ」と発音される可能性があるから、引用商標の「サンキスト」の称呼とは、発音方法が近似した「ウェ」音と「キ」音とが相違するにすぎないので、本件商標は一連に称呼された場合には引用商標と称呼上相紛らわしい類似の商標となる。

引用商標が著名なものであって、取引者、需要者の間に深く浸透しているから、引用商標は取引者、需要者には、一種の先入観として働き、本件商標と著名な引用商標とは、類否判断の経験則からすれば多少非類似のものとされるような商標であっても、実際の取引では称呼上混同してしまうから類似するものである。

▲2▼我が国における引用商標の浸透度と著名性

請求人は、我が国においても、果実を販売するとともに、森永乳業株式会社を通じてオレンジジュース等の様々な果汁ジュース、果汁のゼリーを永年に渡って販売してきている。これら、ジュース、ゼリーは優れた味、品質故に他の国と同じく、取引者、需要者の好評を博し、その販売量は膨大なものとなっている。また、テレビ等のマスメディアを通じて、これら商品の宣伝広告が頻繁に行われてきた。以上述べたように永年に亘る請求人の製品の販売及びその製品の宣伝広告により、引用商標は請求人のハウスマークとして現在はもとより、本件商標の出願前から著名なものとなっていたといえる。

さらに加えて、引用商標は使用に際して構成中の「un」の文字が一体に記載されている(甲第27号証...別紙(3))。一方、本件商標の「UN」の文字も一体のものとして記載されている。この「UN」の文字の構成上の一致からしても、本件商標は引用商標と同一系統にある商標と誤認されやすい。したがって、企業が内外を問わず多角経営を行っている事情をも勘案すると、本件商標がその指定商品に使用された場合、当該商標が請求人自身ないしは請求人と資本的ないし人的に関係のあるものの業務にかかるものであると、需要者がその商品の出所について混同を生じるは必定である。

▲3▼以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第10、第11号及び第15号に違反して登録されたものというべく、したがって、その登録は、同法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は何等答弁していない。

5 当審の判断

本件商標は、その構成中の「SUNWEST」を表したものと認められる文字部分が最も注意を惹くと認められ、該文字部分と甲第27号証の写真に写っている缶入りの飲料に表記されている「SunKist」の文字部分とを比較すると、外観上において両者は、語頭の「SUN」、「Sun」の文字及び語尾の「ST」、「st」の文字の各文字部分を共通にし、しかも、その「SUN」、「Sun」の「U」、「u」の右側と「N」、「n」の左側を重ねて表してなる点も共通しているものである。また、称呼上においても、前者より生ずると認められる称呼「サンウエスト」と後者より生ずると認められる称呼「サンキスト」とは、語頭の「サン」と語尾の「スト」の音を共通にするものである。

また、引用商標は、果物及び果実飲料に使用されて、本件商標出願前、既に著名なものとなっていたことは、請求人が提出の証拠による他、当庁において顕著な事実である。

そうだとすると、前記の各共通点と、引用商標が例えば商品「スカッシュオレンジ」に別紙(3)の如く使用され著名なものとなっていること及び企業が内外を問わず多角経営を行っている事情を総合勘案すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、恰も請求人或いは請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、請求人のその余の主張について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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