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Trademark Appeal Case

登録商標と使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30721(T2000−30721/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2500115号商標(以下、「本件商標」という。)は、別記(1)のとおりの構成よりなり、平成2年11月28日に登録出願、第7類「建築または構築専用材料、その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年1月29日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の指定商品中「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。

1 請求の理由

被請求人は、平成9年4月21日から存在していない。

また、本件商標には、専用使用権、通常使用権の設定登録も存せず、別に通常使用権者も確認することができず、これらの者によって、本件商標が使用された事実も確認できない。さらに、本件商標の使用をしていないことについて、被請求人には、正当な理由も存しない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物」について、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第2号証は、証拠となる写真の右隅に、「′00 11 8」の表示がみられ、これは平成12年11月8日に撮影されたものと認められるものであり、本件予告登録日以後であるから、本件審判の請求の登録前3年以内の使用の証拠とはならない。また、同号証に「平成2年頃より現在に至るまで」とあるが、その証拠は示されていない。乙第2号証に示される証明書は、株式会社丸新によるものであり、最後の行に「貴社の名称の下、出荷していることに相違ありません。」と記載されているように、株式会社丸新が出荷しているものであり、被請求人が出荷しているものと解されない。また、商標原簿に登録された専用使用権者、通常使用権者はおらず、株式会社丸新が本件被請求人の通常使用権者であるとの証明もない。

(2)乙第3号証は、商品カタログであるが、このカタログには作成日が記載されておらず、カタログ作成日を証明するための株式会社大通発行による請求書には、「NEAT3折パンフ/住訂正、くれいわーく&クレイマスター/住訂正」とあり、この商品カタログが商標「NEAT」「くれいわーく」「クレイマスター」の商品カタログであることを示している。また、各商品カタログ自身も、その記載内容から、それぞれ「NEAT」「くれいわーく」「クレイマスター」の商品カタログであることを示している。

したがって、株式会社大通発行による請求書が「NEAT」「くれいわーく」「クレイマスター」の商品カタログの請求書であることを立証したとしても、本件商標の使用を証明するものとはいえない。

さらに、この商品カタログは、平成9年3月21日の被請求人住所移転より3年も経てから、住所を訂正したものであって、不自然である。

なお、乙第3号証における各カタログの下欄に「OLIVE」と「セラミックオリベ」と、これらの間に両者よりも小さな字で「CERAMIC OLIVE INC.」と三段書きされた標章が記載されているが、この標章と「OLIVE」及び「オリべ」の二段書きからなる本件商標とは、その外観、称呼、観念が異なるから、本件商標の使用とはいえない。

(3)乙第4号証において、「煉瓦」の横に、「OLIVE」と「セラミックオリべ」と、これらの間に両者よりも小さな字で「CERAMIC OLIVE INC.」と三段書きされた標章は、上記したように、本件商標の使用とはいえない。この標章は、むしろ織部製陶株式会社の本店住所等と一体となって記載されており、また、特に「CERAMIC OLIVE INC.」の記載があることより、織部製陶株式会社を表すものと考えられる。

(4)乙第5号証においても、乙第3号証及び同第4号証と同様に、その使用標章が本件商標と異なる外観、称呼、観念を有しており、本件商標の使用とはいえない。なお、乙第5号証には、2000年6月取材の際に「本件商標を刊行物掲載のため配布しており、」とあるが、具体的に指定商品との関係において本件商標をどのように宣伝広告したのか不明である。また、乙第5号証にかかる刊行物の発行は予告登録日以後である。

(5)以上、乙第2号証ないし同第5号証を検討しても、被請求人は、本件商標の指定商品中「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用していない。

第3 被請求人の主張の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

(1)被請求人は、乙第1号証に示すように、昭和53年7月1日設立、平成9年4月14日、兵庫県尼崎市神田南通3−69−2に住所を移転して現在に至っており、その間、継続して存在している。

(2)株式会社丸新に被請求人の名称の下、タイルの製造及び顧客への出荷を依頼しており、株式会社丸新は、添付した写真に示されているように、「せっ器質レンガタイル」と明記され、かつ「OLIVE」及び「オリべ」をそれぞれ付したダンボール製容器内にタイルを収納して各顧客へ出荷している(乙第2号証)。

なお、被請求人は、このようなタイルの製造及び同様な容器による出荷を、共和製陶株式会社、杉浦製陶所株式会社など他社にも依頼し、全体で月産約2万5千ケース程度を継続的に販売している。

(3)被請求人は、複数の商品カタログを作製しており、それらにはいずれも、「タイル」の文字と共に、「OLIVE」及び「オリべ」の二段書きからなる本件商標がそれぞれ印刷されている。なお、添付した商品カタログは、過去に作製したものを一部訂正し増刷したものであり、また、今回、これらのカタログを作成した時期は証明書に示すように平成12年6月であり、本件審判請求の登録以前である(乙第3号証)。このように、被請求人は、商品に関する広告に本件商標を付して頒布する行為を現在に至るまで継続的に行っている。

(4)平成9年10月30日発行の月刊誌「自転車バイク駐車場 11月号」(乙第4号証)において、「煉瓦」の文字と共に「OLIVE」及び「オリべ」の二段書きからなる本件商標を掲載して広告行為を行っており、それが頒布(出版)されて本件商標の使用が成立している。

(5)平成12年9月1日発行の月刊誌「報道ニッポン 9月号」(乙第5号証)において、「煉瓦」や「陶製タイル」の文字と共に「OLIVE」及び「オリべ」の二段書きからなる本件商標を掲載して広告行為を行っている。

なお、この刊行物は本件審判請求の予告登録日以降の平成12年9月1日発行であるが、この記事の取材は、予告登録日以前の「2000年6月取材」である。

第4 当審の判断

被請求人提出の乙第3号証における3種類の商品カタログは、「陶磁製タイル」に関する記事を内容とするものであるが、これらカタログ表題の「NEAT」「CLAY WORK/くれいわーく」「クレイマスター/CLAY MASTER」の文字よりなる標章は被請求人の商品毎の出所標識として、また、その表題下部の別記(2)に示す構成よりなる標章(以下、「本件使用商標」という。)は被請求人の主たる出所標識として、それぞれ独立しても自他商品の識別機能を果たすと認められるものである。そうとすれば、当該商品カタログをもって、請求に係る指定商品「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物」中に含まれる商品「陶磁製タイル」について、本件使用商標の使用をするものということができる。

さらに、乙第4号証における月刊誌「自転車バイク駐車場 11月号」においても、その広告欄における被請求人の広告記事が、中央部に本件使用商標を表示し、その左右に「煉瓦」と「織部製陶株式会社」の文字を配した構成で掲載されているところからみれば、これをもって、請求に係る指定商品「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物」中に含まれる商品「れんが」について、本件使用商標の使用をするものということができる。

そして、当該商品カタログは、平成12年6月20日付の株式会社大通による被請求人宛の請求書によれば、計9000部が住所訂正、増刷されていて、その請求書の日付、カタログの数量等からみて、遅くとも本件審判請求の登録日前3年以内の平成12年6月中にはそのカタログが一般の取引者・需要者に頒布されたこと、及び、当該「月刊誌」は、「平成9年11月号」(平成9年10月30日発行)であることから、平成9年11月中にはその「月刊誌」が一般にも販売されたことが推認でき、他にこの認定を左右するに足る証拠はない。

つぎに、本件商標と本件使用商標についてみるに、本件商標は、別記(1)のとおり、「オリベ」の片仮名文字とその上部に「オリベ」の発音に相当する欧文字の「OLIVE」を図案化して表示したものであって、全体としては特定の観念は生じないといい得るものである。

他方、本件使用商標は、別記(2)とおり、本件商標の欧文字部分と同一の図案化した「OLIVE」の文字と「セラミックオリベ」の文字を上下二段に併記し、両文字間に被請求人の商号を英語表記したと認められる「CERAMIC OLIVE INC.」の文字を極めて小さく表示した構成よりなるものである。

ところで、登録商標は、商取引の実際においては、例えば、書体を変更したり、他の文字等を付記する等その表示態様について少なからぬ変更が加えられて使用されることがむしろ通常であるから、その変更により外観が必ずしも登録商標と酷似するとはいえない標章であっても、それが登録商標の表示態様において基本をなす部分を変更するものでなく、当該登録商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるものであるときは、その標章の使用をもって「登録商標の使用」とみるべきである。

これを本件についてみると、本件使用商標は、その構成中の顕著に表された「OLIVE」と「セラミックオリベ」の文字部分が自他商品の識別標識として看者の注意を強く惹き、中段の「CERAMIC OLIVE INC.」の文字は極めて小さく付記的に表示されているところから、格別印象に残るとはいい難いものである。そして、当該「OLIVE」と「セラミックオリベ」の文字部分は、上段の「OLIVE」の文字が本件商標中の欧文字部分と同一態様であり、下段の「セラミックオリベ」の文字も本件商標中の片仮名文字部分と同一書体であって、かつ、その前半の「セラミック」の文字は、「陶磁器、製陶」の意味合いで商品又は商品の品質等を表示するにすぎないと認められるものである。

そうとすれば、本件使用商標は、その構成中の片仮名文字部分を「セラミックオリベ」とした点及び中段に「CERAMIC OLIVE INC.」の文字を付加した点において、本件商標とは相違するとしても、この程度の変更使用は、商取引の実際においては通常行われているところであり、本件商標の識別性に影響を与えない程度の表示態様の変更とみるのが相当であるから、本件商標と社会通念上同一のものというべきである。

してみれば、本件商標は、商標権者たる被請求人によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品中「タイル、れんが」について使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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