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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠証明力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第17833号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2206815号商標の指定商品中「医療機械器具及びその類似商品」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2206815号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和62年7月30日に登録出願され、「EXERGEN」の文字を横書きしてなり、第10類「赤外線利用による遠隔熱測定器、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録されたものである。

2請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は、その指定商品中の「医療機械器具及びその類似商品」について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁をつぎのように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第3号証を提出している。

(1)請求人の調査によれば、本件商標は、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において、上記の指定商品について使用された事実は発見し得なかった。よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、上記の指定商品についての商標登録は取り消されるべきである。

(2)答弁書に対する弁駁

乙第各号証をもってしては、本件商標が請求に係る指定商品について、審判請求の登録前3年以内に、通常使用権者によって使用された事実は証明されていない。すなわち、

▲1▼乙第1号証には、本件商標が使用されているとする具体的商品が証明されていない。「LTX」なる記号が記載されているが、それが如何なる具体的商品を示すのかの点について証明されていない。

▲2▼乙第2号証の1及び2には、山武ハネウェル株式会社が商品記号「LTX」で表す商品は「赤外線中耳体温測定器」であろうことは推認しうるが、これらの印刷物には、イ)本件商標は付されていない。ロ)印刷物が展示されあるいは頒布された事実は何ら証明されていない。ハ)印刷物が作成された日付も証明されていない。従って、これら証拠は証明力に欠けるのみならず、証拠能力も認められない。

▲3▼乙第1号証と乙第2号証の1との関係、言い換えれば、乙第1号証に示される「エドックス・コーポレーシヨン」と乙第2号証の1及び2に表示される「山武ハネウェル株式会社」との関係は、提出された証拠をもってしては何ら証明されておらず、独立した別個の証拠の単なる寄せ集めにすぎないから、これらの証拠をもって、被請求人の主張が証明されているとは到底いうことができない。

▲4▼乙第2号証の3及び4は、同じく、イ)印刷物が展示又は頒布された事実が証明されていない。ロ)その印刷物が作成された日付が証明されていない。さらに、下部に表示されたページ付けよりすると、第1頁と第2頁が連続頁の証拠として提出されているものと理解し得が、各頁に付された数字は明らかに相互に相違する数字の活字体が用いられており、また各頁の右下欄には各々「社名」等の記載がされていて印刷物としても不自然な証拠といわざるを得ない。

▲5▼乙第2号証の5の印刷物には、唯一、95年9月と日付が付されているが、この乙第2号証の5は米国医療機関を紹介する印刷物にすぎず、さらに、この印刷物には、イ)本件商標のみならず、請求対象商品の記載は一切ない。ロ)印刷物が展示又は頒布された事実を証明するものもない。

以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証は、それらが存在したこと自体は推認しうるものの、イ)その証拠物の展示あるいは頒布行為の有無。ロ)印刷(展示・頒布)年月日等の重要な点で証明力に欠け、証拠能力を認めることはできない。よって、審判請求の趣旨の通りの審決を求める。

3被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由をつぎのように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)本件商標は、社会通念上、これと同一のものと容易に理解される商標(乙第1号証)がその指定商品中の商品「赤外線中耳体温測定器」について使用されており、当該商品が杉並区荻窪3−48−10出川ビル在の「エドツクスコーポレーション」によって、少なくとも1996年2月23日付にて我が国に輸入され、かつ、渋谷区渋谷2−12−19在の「山武ハネウェル株式会社」(乙第3号証の2)によっても、少なくとも1995年9月(乙第2号証の5)に商品の販売のための展示がされていたことが明らかである。

すなわち、取引書類であるインボイス(乙第1号証)の左上方に「EXERGEN」の欧文字が顕著に表示され、かつ、モデルNo.の欄(DESCRIPTION CONTENTS)に「LTX」の記号が記載されており、この「LTX」の記号が「赤外線中耳体温測定器」を表すものであることは、山武ハネウェル株式会社のパンフレットの表紙中の「LTX」の表示(乙第2号証の1)との関係によって明らかである。そして、「赤外線中耳体温測定器」が「医療用機械器具」に含まれるものであることはパンフレット中の説明によって明らかであり、乙第2号証の3及び4の各3行目中央には、「赤外線温度測定システム」の文字に続いて「Exergen」の文字が表示されている。

(2)被請求人の提出に係る乙各号証を総合的にみれば、本件商標は、通常使用権者によって本件審判請求の登録前3年以内でその請求の登録の日から3ケ月前の間に我が国において「医療機械器具」に含まれる上記の商品に使用された事実があるといえるから、本件商標は指定商品中の「医療機械器具及びその類似商品」についての登録は取り消されるべきではない。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。

4 当審の判断

商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れない。

そして、本件審判における取消請求に係る指定商品は「医療機械器具及びその類似商品」であること前記のとおりであり、被請求人は、本件商標(「EXERGEN」)をその指定商品中の医療機械器具に属する「赤外線中耳体温測定器」について使用している旨述べている。

(1)被請求人提出の乙第1号証は、被請求人(会社)より「エドックスコーポレーション」に宛てた「送り状(INVOICE)」と認められるところ、この書面には本件商標と認め得る「EXERGEN」の表示、取扱い品目欄の「MODEL LTX−1」の記載及び96/2/23の日付けの記載は認め得るとしても、使用に係る商品(名)が具体的に記載されておらず、取扱いに係る商品は不明といわざるを得ないから、同書面をもって、本件商標をその指定商品について使用したとする証左となすことはできない。

(2)同じく、乙第2号証の1乃至同5は、山武ハネウェル株式会社制御機器事業部に係る「赤外線中耳体温測定器」に関する5葉の印刷物である。そして、その1枚目、同2枚目に、それぞれ「赤外線中耳体温測定器」、「LTX」の各表示が認められ、また、同3枚目、同4枚目にそれぞれ「赤外線温度測定システム」、「Exergen Corporation」(被請求人会社)の各記載があり、さらに、同5枚目に95年9月の日付が認められる。

しかしながら、該印刷物は、丁数(頁)の記載の有無及びその使用活字が一定したものでなく、全体が不自然に綴られてなり、一冊の装丁をなした印刷物(パンフレット)とは認め難いものである。

そうすると、該印刷物(乙第2号証の1乃至同5)に記載されている前記の各記載内容は、相互に関連性がなく、補完性に欠けるものといわざるを得ないから、この書面をもってしては、山武ハネウエル株式会社の関与を示すこと以外の具体的事柄、すなわち、本件商標とその使用に係る商品との関係及びその使用時期等を具体的に明らかにするものとはいえない。

また、該「Exergen」の表示は、当該商品の取扱い主体を示す会社商号の一部として記載されているに止まり、商品識別のための出所標識とはいえないから、その表示をもって直ちに本件商標の使用とみるのは困難といわざるを得ない。

さらに、この乙第2号証と前述乙第1号証(送り状)との関係も明らかでないから、たとえ、書面(送り状)上に本件商標の表示が認められるとしても、「MODEL LTX−1」に係る商品の実体を把握し得ない以上、その使用をもって、取消請求に係る指定商品について使用するものとは認められない。

(3)乙第3号証の1及び2は、東洋経済発行1997年10月発行の「会社四季報」と認められるが、「山武ハネウエル」の頁(写し)が添付されているのみで、これをもって本件商標の使用を具体的に明らかにするものとは認め難い。

(4)被請求人は、乙第1号証と乙第2号証又は乙第3号証との相互の関係について疑問を述べる請求人の弁駁に対し何ら反論するところがない。

以上の(1)乃至(4)の各点よりして、被請求人提出の乙各号証によっては、本件商標(「Exergen」)は、被請求人のいう「赤外線中耳体温測定器(医療機械器具)」について使用されたものとは認められない。

そうすると、被請求人は、本件商標の取消請求に係る商品(「医療機械器具及びその類似商品」)についての使用を客観的に証明し得なかったものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人又は通常使用権者等により、取消請求に係る商品について使用されていたものとは認められず、かつ、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「医療機械器具及びその類似商品」について取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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