1 本願商標
本願商標は、「歌川派門人会」の文字を横書きしてなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,かるた,歌がるた,トランプ,花札,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、平成8年2月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『歌川派門人会』の文字を書してなるところ、『歌川派』は、江戸後期の浮世絵の一流派として著名であることから、これを上記派に何等の関係があるとは認められない出願人個人が自己の商標として独占使用することは穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり前半は、「江戸時代の浮世絵の流派である歌川派」を表す「歌川派」の文字を、後半に「門人会」の文字を配置、組み合わせた「歌川派門人会」の文字を一体に表してなるものであって、全体的に「江戸時代の浮世絵の流派である歌川派にかかる門人の会」程の意味合いの団体の名称を表したものとみるのが相当である。
ところで、構成中の「歌川派」の文字は、前記したように江戸時代の浮世絵の流派である「歌川派」の名称として美術史上に周知であることが認められる。
しかしながら、現代において「歌川派」として特定される団体等が活動している事実および当該流派の活動を表すものとして「歌川派」の文字が取引者、需要者に広く認識されている事実は見出せない。
してみれば、請求人(出願人)が、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は「歌川派」の文字より江戸時代の浮世絵の流派である「歌川派」を連想することはあっても、「歌川派」によって特定される流派の表示とは認識し得ず、せいぜい全体が前記意味合いの団体の名称を表したものと理解認識するに止まるものと判断される。
そうすると、本願商標は、その構成中に「歌川派」の文字を有するからといって、その使用が直ちに制限されるものでなく、穏当でないということはできない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。