Trademark Appeal Case
商標の要部認定と類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−867(T2000−867/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,生命保険に関する情報の提供」を指定役務として、平成10年8月28日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定は、登録第4066880号商標(以下引用A商標」という。)、すなわち、平成4年9月29日登録出願、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第36類「生命保険の引受け」を指定役務として、平成9年10月9日にいわゆる特例・重複商標として設定の登録がされた引用A商標の外、「ひまわり」の文字を主要部とし、第36類「損害保険契約の締結の代理」又は同「損害保険の引受け、資金の貸付け」又は同「生命保険の引受け」又は同「損害保険の引受け」を指定役務とする登録第3072068号商標、登録第3178166号商標、登録第3273477号商標、登録第3273478号商標、登録第3273479号商標、登録第3273480号商標、登録第3273481号商標、登録第3273482号商標、登録第3273483号商標、登録第3273588号商標、登録第3273589号商標、登録第3273590号商標、、登録第4069891号商標、登録第4069892号商標及び登録第4276932号商標の計15件の各登録商標を引用し、本願商標の商標法第4条第1項第11号該当を理由に本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「INAひまわり生命」の文字を横書きしてなるものであるところ、構成中後段の「生命」の文字は、その指定役務に係る業種名、すなわち、当該取扱いに係る「生命保険」の役務の質、内容を表示し、又は、保険業界において取引上普通に使用されているものであるから、これ自体は自他役務の識別標識としての機能を有しない部分と認められる。したがって、本願商標にあって自他役務の識別標識と目される部分は、これを除いた「INAひまわり」の部分にあるというのが相当である。
そして、「INAひまわり」の文字部分についてみるに、該構成は視覚上、欧文字と邦文字とに自ずと分離して看取されるばかりでなく、前半の「INA」の欧文字は、直ちに特定の意味合いを想起し得ない造語と認められるのに対し、後半の「ひまわり」の文字は、世上一般に親しまれた夏の花の一つであって、これら両文字(語)の間には何らの意味上の繋がりはなく、また、主従、軽重の差も見出せない。
そうとすれば、本願商標にあって、「INA」と「ひまわり」の各文字部分はそれぞれ単独に、自他役務の識別機能を果たし得るものであるから、これに接する需要者は、誰もが知っている花である「ひまわり」の文字部分に着目し、その称呼及び観念をもって簡略に取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、本願商標は、「ひまわり」の称呼及び観念をも生ずるといわなければならない。
他方、引用A商標は、別掲(2)のとおり、赤く塗りつぶした横長矩形中に「ひまわり保険」の文字を白抜き横書きで表わしてなるものであるところ、構成後半の「保険」の文字は、本願商標の場合と同様に、この種保険の役務の質、内容等を表示するものであるから、引用A商標にあって自他役務の識別標識と目される部分は、「ひまわり」の部分にあるというのが相当であり、これより「ひまわり」の称呼及び観念を生ずる。
してみれば、本願商標は引用A商標と、「ひまわり」の称呼及び観念を共通にするものであり、かつ、その指定役務の分野における取引事情を併せ考慮するに、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標は、その指定役務において、引用A商標の指定役務を含むものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。
請求人は、本願商標は請求人(出願人)の名称の略称であって一体不可分のものである旨主張しているが、請求人(出願人)の名称は、平成13年2月23日付けの名称変更届をもって「安田火災ひまわり生命保険株式会社」と変更された。そうすると、もはや、本願商標は請求人(出願人)の名称の略称ということはできず、また、本願の出願時(平成10年8月28日)を含むこの間において、旧名称の略称としての周知性も明らかでなくその証左も見出せないものである。したがって、本願商標についてした前記認定は相当というべきであり、またほかに、本願商標を一体不可分のものとして捉えなければならない特段の事情も見出せないから、請求人の主張は妥当でなく、採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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