Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼・観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第6255号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「青空文庫」の文字を横書きしてなり、第16類「印刷物」を指定商品として平成8年3月8日に登録出願されたものである。そして、その指定商品については、その後、平成10年1月14日付け手続補正書をもって第16類「叢書、文庫本」に補正され、さらに、当審においても、平成10年4月22日付け手続補正書をもって第16類「文庫本」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4093878号商標(以下「引用商標」という。)は、「あおぞら」の文字を縦書きしてなり、平成8年2月6日に登録出願、第16類「教科書,双書,新聞,雑誌,紙類,紙製包装用容器,写真,写真立て,文房具類」を指定商品として平成9年12月19日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、「青空文庫」の文字よりなるところ、その全体より特定の親しまれた熟語的意味合いを看取し得る訳ではなく、また、全体として特定の事業者の業務に係る商品又は役務を表示するものとして周知、著名となっているが如き格別の事情を見出し得る訳でもないものである。しかも、その構成文字の全体より生ずる「アオゾラブンコ」の称呼についても、一気に称呼し得るほど簡潔とはいい難いものである。そして、その構成中の後半部の「文庫」の文字は、「書籍・古文書などを入れるくら」、「文庫本」等の意味を有する語として親しまれ、本願商標の指定商品を取り扱う出版業界においては、「文庫本」であることを表すために普通に使用されている実情にあるところ、前半部の「青空」の文字が成語で「青く澄んで見える空」を意味する熟語として親しまれていることをも勘案するならば、本願商標をその補正後の指定商品である「文庫本」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「文庫」の文字部分を「文庫本」の略称又は俗称を表すに過ぎないものと理解するにとどまるといえるから、本願商標における自他商品の識別力を有する部分は「青空」の文字部分にあるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、「青空」の文字部分に相応して、単に「アオゾラ」(青空)の称呼及び観念をも生ずるものといわざるを得ない。
一方、引用商標は、「あおぞら」の文字よりなるところ、これに接する取引者、需要者は、これを、「青空」の文字をひらがなで表したものと理解するとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「アオゾラ」(青空)の称呼及び観念を生ずるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、「アオゾラ」(青空)の称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品においても、本願商標の指定商品である「文庫本」と引用商標の指定商品中の「教科書,双書,新聞,雑誌」は、ともに「書籍」又は「印刷物」である点で共通の関係にある類似の商品である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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