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Trademark Appeal Case

著名商標と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第19868号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別記に記載したとおりの構成よりなり、第18類「皮革、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金、傘、ステッキ、つえ、つえ金具、つえの柄、乗馬用具、愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成9年7月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において、「本願商標は、その構成中に、イタリア国ベネティア市在住の『Roberta di Camerino』が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『ROBERTA』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)「ROBERTA」商標の著名性

当審においてした職権証拠調べ通知書によれば、次の事実が認められる。

(ア)「世界の一流品大図鑑’82年版」(昭和57年5月25日 講談社発行)「婦人服/Ladies’ Wear」、「セーター・カーディガン/Sweater・Cardigan」及び「ハンドバッグ/Handbag」の各項には、それらの商品や取扱い店の紹介とともに「ROBERTA」及び「ロベルタ」(イタリア)」が記載されている。

(イ)「’86〜’87 ザ・ブランド」(サンケイマーケティング 昭和61年10月30日 発行)の商標「ROBERTA DI CAMERINO」のマークの由来の項に「Roberta」の社名の由来及びロベルタ・ディ・カメリーノ社の沿革の紹介とともに、「日本へは1976年からミカレディ(株)を通じて、ロベルタ・ブランドが紹介されている。」旨記載されている。

(ウ)「英和商品名辞典」(株式会社研究社 1990年 発行)に「Roberta di Camerino ロベルタディカメリノ」の項に「イタリア Venezia(Venice)に本社のある衣料品(婦人服・紳士服カジュアルウェア・シャツ・スカーフ・ネクタイなど)とバッグのメーカー,そのブランド,Venezia,Milano,Romaにあるその直営ブティック.・・・」と記載され、また、「Roberta ロベルタ」の項に「→Roberta di Camerino」と記載されている。

(エ)「ファッション・ブランド年鑑’98年版」(チャネラー 1997年12月20日 発行)の「アクセサリー&ファッション雑貨」の「ロベルタ・ディ・カメリーノ(Roberta di Camerino)」の[商品特徴」の項に、「クラフトマンとしての理念に基づきロベルタならではのカラーコーディネート(グリーン、ネイビー、レッド)で表現した商品」と記載されている。

(オ)「朝日新聞」(1985年7月2日付け)に「偽ブランド、霞が関横行外務・通産などの売店に一流品銘のベルト」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・偽ブランドのベルトが売られていたのは、・・・▽特許庁=セリーヌ、バレンティノ(伊)▽外務省=ロベルタ(伊)、カルティエ、▽農林水産省=セリーヌ、カルティエの5売店、5銘柄。

(カ)「日経流通新聞」(1985年12月19日付け)に「ロベルタ・ディ・カメリーノ、好き嫌い二分の個性派(ブランド点検)」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・「ロベルタ・ディ・カメリーノ」はイタリアを代表するデザイナーブランド(DB)の一つ。太陽の国イタリアと地中海のイメージを表現する赤、紺、緑の三色を基本色(ロベルタカラー)としており、その独自の色使いでわが国でも固定客をがっちりつかんでいる。

・ロベルタはイタリアのDBの中でもとりわけ個性が強く、「売り場のどこに置いてもロベルタはひと目でわかる」(高島屋)といわれるほど、・・・。

(キ)「日経流通新聞」(1987年9月17日付け)に「地方百貨店、店舗改装に走る―山形屋、紳士服売場大幅拡張、超高級ブランド導入」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・これまで同店最高級品だったバーバリー、ロベルタ、ジバンシーの販売が好調なこともあり、・・・。

(ク)「日本経済新聞・地方版/四国」(1989年10月7日付け)に「10日オープン、三越高松店、婦人服フロアなど全面改装。」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・婦人服では「ロベルタ」「マダムニコル」「マリココーガ」など新規ブランドを導入して二十五〜三十五歳に対応したヤングアダルトゾーンを設ける。

(ケ)「日経産業新聞」(1990年9月7日付け)に「シチズン商事、新ブランド3種宝飾品を発売へ。」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・新ブランドは「イヴ・サンローラン」「ロベルタ・ディ・カメリーノ」「ピキョッティ」で百貨店、専門店ルートで販売する。「サンローラン」と「ロベルタ」はライセンス精算で、いずれも十月一日に発売する。

(コ)「日本経済新聞」(1992年7月24日付け)に「百貨店・専門店、バーゲンに異変―期間長く、一段と安く。」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・紳士服の「スコッチハウス」「ロベルタ」など例年バーゲンをしない有名ブランドの衣料品を今年初めてセールの対象にした。

(サ)「日経産業新聞」(1995年2月20日付け)に「酒田時計貿易、『ロベルタ』時計に『イブ』48モデル追加。」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・イタリアのファッション・デザイナー・ブランド「ロベルタ・ディ・カメリーノ」シリーズの腕時計に・・・。

(シ)「流通サービス新聞」(1997年4月4日付け)「ブランドブームの中/商社の戦略探る(1)三菱商事アパレル部長・吉田正信氏に聞く」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ブランドの発祥別に分類すると、職人系ではフェラガモ、ロベルタ。

・売り上げが百億円を超えているのはフェラガモ、ロベルタ、プロケッズ。

(ス)「流通サービス新聞」(1997年4月22日付け)に「ブランド物語/第11話『ロベルタ・ディ・カメリーノ』本国しのぐ日本の成績」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・八五年から九四年までの約十年間、イタリア本国での活動を休止していた「ロベルタ」。同ブランドの創設者であるデザイナーのジュリアーナ・カメリーノも七十歳を越えたが、今年三月ミラノコレクションの参加で復活し、今年は意欲的に市場に攻め込む。

・今後、再生「ロベルタ」の新たな展開に期待できそうだ。

・「ロベルタ」は、第一次の海外ブランドブームに乗って、本国でも手がけていなかったメンズ分野などにも触手を伸ばし、九六年には日本市場だけで売上高三百億円。

(セ)「繊研新聞」(1998年3月26日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』オンリーショップ化進む」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ミカレディは「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の婦人服で百貨店ショップ主導の店舗網づくりを進めている。

・ハンドバッグはイタリアのロベルタ・ディ・カメリーノ社の生産品を輸入し、・・・。

・ロベルタ・ディ・カメリーノの婦人服は約四〇の百貨店で販売している。

(ソ)「繊研新聞」(1998年10月2日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』の売り上げ好転、ショップ化進む」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ミカレディの「ロベルタ・ディ・カメリーノ」がブランドイメージの統一で成果を上げている。

・バッグなどの服飾雑貨の品ぞろえを充実し、百貨店インショップを「ロベルタ・ディ・カメリーノのすべてを表現する総合店」としていく。

(タ)「繊研新聞」(1999年3月30日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』売り場移設で好調、伊本国へ逆提案」の見出しのもとで記事が記載されている。

(チ)「繊研新聞」(1999年6月9日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』婦人服ショップ化進め好転」の見出しのもとで記事が記載されている。

(ツ)「繊研新聞」(1999年7月19日付け)に「国産プレタブランド復調『正統派』の重衣料主導百貨店販路の伸びめだつ」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ミカレディの「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の婦人服は二月以降、既存店売り上げが毎月二ケタの伸びを続け、五月は一五%、六月は二六%の伸びとなった。

(テ)「繊研新聞」(1999年9月21日付け)に「ミカレディ松山・広島で『ロベルタ・ディ・カメリーノ』の回顧展」の見出しのもとで記事が記載されている。

(ト)「繊研新聞」(1999年10月1日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』既存売上高17%増」の見出しのもとで記事が記載されている。

(ナ)「繊研新聞」(1999年12月1日付け)に「[ウイメンズアイ]プレタメーカー 今春から上向く、強まる期中新企画」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ミカレディの「ロベルタ・ディ・カメリーノ」は、春夏が二六%増(既存店十七%増)となり、十月25%増、十一月28%増と引き続き好調だ。

・商品の特徴では、「ロベルタカラー」としている赤、紺、グリーンの独特な色調が強みとしている。

(ニ)「繊研新聞」(1999年12月2日付け)に 「2000年春夏ミセス服 金属・竹・和紙使い・・・変わり素材で差をつける!」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・ミカレディは「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の婦人服で、初めて金属繊維を使ったベストとジャケットを企画した。

(ヌ)「繊研新聞」(2000年4月1日付け)に 「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』コレクションライン加わる」の見出しのもとで記事が記載されている。

(ネ)「繊研新聞」(2000年4月21日付け)に「[ショップ拝見]アンバーランス 癒しテーマに古着をミックス」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・グッチやロベルタなどのビンテージ物のバッグはほぼ完売した。

(ノ)「繊研新聞」(2000年5月20日付け)に「バッグ専業メーカー・卸 百貨店市場へ新戦略、複合ショップやコーナー化」の見出しのもとで以下の記事が記載されている。

・現在、「ロベルタ・ディ・カメリーノ」「アンタイトル」「アダバッド」などで平場の中にフラッグ的なコーナー作りを始めており、・・・。

(ハ)「繊研新聞」(2000年5月30日付け)に「[決算]オーミケンシ(2000年3月期連結) 営業段階の収益改善」のもとで以下の記事が記載されている。

・連結子会社では専門店のミカレディが「ロベルタ」の急伸で増収となり、営業利益も三億千万円と黒字転換、利益貢献した。

(ヒ)「繊研新聞」(2000年6月13日付け)に「ミカレディ『ロベルタ・ディ・カメリーノ』 春夏は前年上回る、店舗改装が効果」の見出しのもとで記事が記載されている。

以上の事実によれば、「ROBERTA」、「Roberta」、「ロベルタ」、「Roberta di Camerino」、「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の各文字からなる商標(以下「ROBERTA商標」という。)は、その使用に関係するイタリアに本社を置く会社の名称「Roberta di Camerino/ロベルタ・ディ・カメリーノ」(以下「ロベルタ社」という。)の使用と相俟って、わが国においては、遅くとも本願商標の出願前までには、ロベルタ社の取扱いに係る商品(特に衣料品、靴、かばん類等のファッション関連商品)の出所を表示するものとして、取引者、需要者の間において広く認識され、その状態は、現在も継続しているものと認めることができるものである。

(2)出所の混同を生ずるおそれについて

本願商標は、別記のとおりに示すとおりの構成よりなるものであり、「ROBERTA FELCO」の文字を構成中に有してなるものである。そして、この文字部分のみでも自他商品の識別標識としての機能を有するものと認められるところ、この文字部分は、「ROBERTA」と「FELCO」の間が半文字ほど空いている明らかであり、これより生ずると認められる「ロベルタフェルコ」の称呼も簡潔な称呼とまではいえない。さらに、その全体の「ROBERTA FELCO」が、一般に親しまれた特定の熟語を表わしたもの、あるいは、特定の人名を表したものとの事情は認められない。

一方、前記認定のとおり、「ROBERTA商標」は、ファッション関連商標について取引者、需要者の間において広く認識されているものである。

そうとすると、本願商標の指定商品は、「皮革、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、傘」等のファッション関連商品といえる商品を含むものであるから、本願商標が使用された場合には、取引者、需要者は、本願商標の「ROBERTA FELCO」の文字部分の前半部分の「ROBERTA」の文字に着目し、この文字はロベルタ社の著名商標「ROBERTA」と同じものであり、また、同時に「ロベルタ」と呼ばれる著名ブランドの姉妹ブランドであるのではないかと連想、想起し、その商品がロベルタ社又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(3)請求人の主張について

請求人は、一般消費者は「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の名前を殆ど知っておらず、他のパリ等のオートクチュール・デザイナー程、実際に商品が売られている量もない。日本では「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の商品といえば、赤と緑の派手な柄でベルト・デザインの「R」をあしらった「タオル類」等がギフト店でたまに売られているにすぎない旨主張しているが、「ROBERTA商標」は、前記認定のとおり、わが国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者、需要者の間に広く認識されている商標といえるものであるから、請求人の上記主張は採用できない。

また、請求人は、「ROBERTA DI CAMERINO」が日本国内で第14類及び第18類以外の商品より第14類及び18類の商品の方が特に有名であるということはあり得ない旨主張しているが、前記認定のとおり、「ROBERTA商標」が著名である事実に照らせば、ロベルタ社に関係ない者が使用する「ROBERTA」の語を含む商標については、取引者、需要者は、それがロベルタ社の取扱いに係る商品であって、著名な「ROBERTA商標」の姉妹ブランドではないか等と誤解している可能性も否定できないものというべきである。

してみれば、本願商標が他人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがないとすることはできないし、その商標登録を拒絶することは、商取引の秩序の維持や需要者の利益保護を図る商標法の目的にもかなうものであるから、結局、請求人の上記主張は採用すべき相当の理由がないものといわざるを得ない。

4 請求人は、上記証拠調べ通知書に対して、何ら意見を述べていない。

5 結語

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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