Trademark Appeal Case
地名と「発」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第324号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「大阪・鶴橋コリアタウン発」の文字を横書してなり、第30類「みそ、焼き肉のたれ、香辛料」を指定商品として、平成8年3月19日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『大阪・鶴橋コリアタウン発』の文字を書してなるところ、その構成中『大阪・鶴橋』の文字は大阪市生野区の北西部の地域名であって、商品の産地、販売地を表示するものと認識され、『コリアタウン』の文字は、横浜の中華街のような『韓国人街』の地域を認識するものであり、また、『発』の文字はその商品がその場所から製造、発送されたことを容易に認識するものであるから、これを本願指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は「大阪・鶴橋コリアタウン発」の文字を横書きしてなるところ、構成中の「大阪・鶴橋」よりは、大阪市生野区の「鶴橋」駅周辺の韓国産の商品を多数販売している商店が多数存在し、通称「コリアタウン」と呼ばれている繁華街を看取させるものである。(「るるぶ情報版」京阪神16 大阪おもしろ遊び場ガイド ’01 2001年3月1日、JTB発行。「Livingなには」1996年4月27日発行、甲第25号証)
そして、「発」は、「出ること、出すこと」(広辞苑)等を意味する語である。
そうとすれば、「大阪・鶴橋コリアタウン発」の文字よりなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「『大阪・鶴橋コリアタウン』で製造され、そこから発送されたもの」であると認識・理解するに止まるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、これを本願指定商品に使用しても需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものであり、特段の事情がない限り自他商品の識別力がないものである。
(2)請求人は、本願商標を使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることかを認識することができると主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第48号証(枝番号を含む)を提出している。
そこで、請求人提出の証拠を検討するに、
(A)本願商標「大阪・鶴橋コリアタウン発」の文字が掲載されていないもの
(ア)甲第13号証の朝日新聞
(イ)甲第14号証ないし同18号証の朝日新聞、関西テレビ・毎日放送・テレビ大阪に放送されたシーンの写真
(ウ)甲第19号証の請求人に係る「コーシンニュース」
(エ)甲第20号証の「おもろい韓国人」(光文社文庫)
(オ)甲第21号証の大丸通信販売のカタログの写し
(カ)甲第25号証の「リビング新聞」(1996年4月27日発行)
(キ)甲第26号証の「夕刊フジ」(平成9年4月15日発行)
(ク)甲第27号証の「流行通販」
(ケ)甲第29号証の「日本流通産業新聞」(平成7年6月1日発行)の商品「キムチ」の記事
(B)本願商標のみの使用とは認められないもの
本願商標は掲載されているが、それ以外に「韓国味紀行」の商標若しくは他の文字・自他商品の識別力を有する図形と共に使用されているもの
(ア)甲第22号証及び同第23号証の商品のカタログ
(イ)甲第28号証のカタログ(商品は「キムチ」)
(ウ)甲第31号証の「朝鮮商工新聞」(1996年5月28日発行)
(エ)甲第38号証の商品のラベルの写し、(商品は「岩のり、するめ等各種の珍味、たまり漬け、辛子漬け」等で、本件商標と同じ文字以外に「海岸物語」若しくは「キムチの気持」等の文字及び図形がある。なお、商品「韓国風甘辛味噌」には、本願商標の掲載がない)
(オ)甲第39号証の商品(商品「焼肉のたれ」のラベルの写しは「焼肉自慢」及親子の如き図形と共に使用されている)
(C)本願商標の指定商品の使用とは認められないもの
(ア)甲第24号証の「西日本キヨスクグループ」のカタログ(商品は「焼肉セット」)
(イ)甲第30号証の請求人に係るパンフレット(商品は「参鶏湯」の冷凍パック)
(ウ)甲第32号証の「広告」(商品は「甘辛スルメ」)
(エ)甲第33号証及び同第34号証(商品は冷麺(生麺)、「チゲ鍋スープ」)
(オ)甲第35号証の商品のラベル写し(商品不明)
(カ)甲第36号証の商品のラベルの写し(商品は「冷麺:生麺」)
(キ)甲第37号証の商品のラベルの写し(商品は「参鶏湯:鍋料理」)
(ク)甲第40号証(商品は「キムチセット」「珍味セット」、「焼肉セット」)
(ケ)甲第41号の名刺(商品は「キムチ」)
(コ)甲第42号及び同第43号の封筒及び名刺(役務は「宅配」、商品は「キムチ」「冷麺」等)
(サ)甲第45号証及び同第46号証(配送車両の写真の写し及び大阪学童保育の公演パンフレット同協議会発行 1997年2月16日)、(役務は「宅配」)
(D)甲第47号証の1ないし同号証の17の証明書は、あらかじめ証明事項を記載した書面に各人が記名捺印をしたにすぎず、また、証明書の中には、本願の指定商品の記載のないものもあり、該証明書によっては、本願商標が指定商品に関して使用され、広く需要者に知られていることを認めることはできない。
(E)他に本願商標をその指定商品に使用したと認め得る証拠はない。
そうとすると、本願商標がその指定商品に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認めることはできない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとした原査定は、妥当であって取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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