Trademark Appeal Case
書体違いの文字の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16579号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すように、「AGOSTO」の文字をオプティマ体によって表してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成10年6月8日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2178928号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲に示したとおり、ゴシック体により「ACOSTO」の文字を横書きしたものであって、昭和62年10月13日出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として平成元年10月31日設定登録、平成11年10月28日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
また、同時に引用した登録第4111737号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲のとおりゴシック体による「ACOSTO」の文字を上段に表した構成よりなり、平成8年9月12日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,下着,ワイシャツ類,寝巻き類,ショール,スカーフ,マフラー,ネクタイ,靴下,手袋」を指定商品として平成10年2月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおりのオプティマ体の書体で表された「A」「G」「O」「S」「T」及び「O」の6つの文字よりなり「アゴスト」の称呼を生ずるものと認められるところ、この文字(語)は、スペイン語又はイタリア語で8月を意味する文字(語)ではあるが、現在の日本におけるスペイン語及びイタリア語の一般への普及度を勘案するに、前記「8月」の意味を有する文字(語)として正確に理解するとは必ずしもいえないところであって、むしろ、特定の意味を有さない造語、あるいは、欧文字を単に羅列してなるものと捉えるのが相当である。
これに対し、引用商標1は、ゴシック体により「A」「C」「O」「S」「T」及び「O」の6つの文字よりなり、「アコスト」の称呼を生ずるものと認められるところ、特定の意味を有さない造語、あるいは、本願商標と同様に欧文字を単に羅列してなるものと捉えるのが相当であるといえるものである。
そこで、本願商標と引用商標1の文字構成を比較すると、第2文字目における「G」と「C」の違いを有するものである。
ところで、本願商標に使用されているオプティマ体の特徴の一つとして、「G」の文字における終筆部(通常、「C」に「T」又は「┓」が付加されて表される部分)は、「C」における終筆部が垂直に立ち上がった形状のみからなり、通常加筆される横棒線部を有していないことが挙げられる。
これに対して引用商標に使用されているゴシック体においては、「C」の文字における起筆部と終筆部の間隔が、オプティマ体で表される「C」の文字に比べ狭く表されていることから、オプティマ体の「G」の文字とゴシック体の「C」の文字を比較した場合、同じ書体で表されたもの同士に比べ近似したものと認められる。
また、本願商標と引用商標1に接する取引者、需要者が時と所を異にして両商標を考察した場合、前者がオプティマ体、後者がゴシック体よりなるものと正確に記憶するとはいえず、他の欧文字(「A」「O」「S」「T」「O」)を同じくし、配列も同一にするものであることから、全体として近似した印象を与えるもので、両商標は外観上互いに紛らわしい類似の商標とみるのが相当である。
そして、前記のとおりオプティマ体による「G」の文字が、広く一般に使用されているゴシック体の「C」の文字に近似していること、及び、本願商標が特定の意味を有しない造語と認められることから、該「G」の文字部分をゴシック体による「C」の文字と見誤る場合も少なくないとみるのが相当であり、そうとすれば、本願商標を「ACOSTO」の文字よりなると理解し、これより「アコスト」の称呼を生ずる場合があることを否定することは出来ない。
そうとすれば、本願商標と引用商標1とは「アコスト」の称呼を同一にする類似の商標といわなければならない。
なお、請求人は、本願商標を構成する書体が長年使用され続けてきた書体であり、区別できる文字として利用されてきた旨述べているが、通常、文字として使用する場合は同じ書体で統一して使用するのに対し、本件類否判断においては、異なる書体同士の文字形状を比較しているのであるから、これを採用することはできない。
以上のことよりすれば、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼において互いに紛らわしい類似の商標と認められ、それぞれ使用する商品も同一又は類似するものであるから、引用商標2との比較検討をするまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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