結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30513号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2692927号商標(以下、「本件商標」という。)は、「株式会社スイートファクトリー」の文字をゴシック体で横書きしてなり、旧第30類「菓子、パン」を指定商品として平成3年8月27日に登録出願され、同6年8月31日に登録されたものである。
請求人は、「本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨以下のように主張した。
(1)本件商標は継続して3年以上日本国内において、商標権者(又は通常使用権者)によって指定商品中「菓子、パン」については一度も使用された事実が存在しない。
(2)被請求人が提出した、各乙号証に見られる「スイートファクトリー」、「(株)スイートファクトリー」または「株式会社スイートファクトリー」の表示は、例えば「スイートファクトリー」や「(株)スイートファクトリー」にあっては、「定番写真台帳」の語と連続して表示され、全体として「スイートファクトリーなる略称の商人が扱う商品群の中で定番と評価される商品を掲載したもの」という意味合いで理解されるに過ぎず、また、「株式会社スイートファクトリー」については伝票類において住所等の表示と相挨って商人を特定するために必要とされる表示であって、いずれも被請求人が扱う商品群の中から具体的な商品または商品群を特定しているとは言えず、したがって商品の同一性を認識させるために使用されていないし機能もしていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。
本件商標は、被請求人により本件商標の指定商品中「洋菓子」について、本件審判の予告登録の日前3年以内に使用されている。
(1)乙第1号証は、大手菓子卸会社である(株)シコクヤの「定番写真台帳」に係る「証明書」である。そこに添付の「定番写真台帳」は、被請求人の商品に関するものであり、いわゆる「定価表」(或いは広義の「取引書類」)というべきものである。この「(株)スイートファクトリー 定番写真台帳 No.1〜4」における各頁上部に表示の「(株)スイートファクトリー」の標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
したがって、被請求人が「(株)スイートファクトリー」の商標を表示した「(株)スイートファクトリー 定番写真台帳No.1〜4」を、(株)シコクヤに送付しこれが受領されたことは、洋菓子に関する「定価表」(或いは広義の「取引書類」)に本件商標と社会通念上同一の標章を付して頒布されたことに外ならない。
しかも、乙第1号証における如く、「スイートファクトリー/定番写真台帳/商品部」の表紙を付した「(株)スイートファクトリー 定番写真台帳 No.1〜4」が、株式会社シコクヤの営業社員により販売カタログとして用いられていることは、本件商標と社会通念上同一の標章が、各商品写真の洋菓子につき広告的使用のなされていることを示すものである。
(2)乙第4号証に添付された請求書の右肩には「株式会社スイートファクトリー」の表示がなされている。その表示は、下段に住所・電話番号等が併記されていることからすれば、商人たる商号の表示にすぎないとの見方もある。しかし、商号商標がその性質上住所等と同時に表示され易い傾向にあることからすれば、住所・電話番号等が併記されていることをもって、それが商号商標であることを否定すべきものではない。取引書類たる請求書において、その右肩に「株式会社スイートファクトリー」の文字を表示してなる事実は、該洋菓子について本件商号商標を商標として用いていることを示すものと言える。
(1)被請求人が提出した、乙第1号証「証明書」に添付されている「スイートファクトリー/定番写真台帳/商品部」との書面中の写真に示された商品は、本件商標の指定商品に包含される商品(菓子)と認め得るものである。そして、この「定番写真台帳」は、同号証の第一葉に示された証明書、乙第2号証および同第3号証によれば、乙第1号証の証明者である株式会社シコクヤ(以下、単に「証明者」という。)の求めに応じて、被請求人が作成して証明者に送付したものと認められる。
しかして、これは印刷された冊子状にはなっていないものの、その成立を否定する証左は認められず、また、証明書には「定番写真台帳」が、証明社の社員により顧客へ提示されて商品の卸売りを行うために使用されていたと記載されていることが認められる。
したがって、当該「定番写真台帳」は、請求人および証明者の取り扱いに係る商品(菓子)に関するカタログ又は定価表の一種とみても差し支えないものと判断される。
そして、乙第1号証の「定番写真台帳」が作成され、証明者に引き渡されたのは、乙第2号証および同第3号証によれば本件審判の請求の登録日前3年以内であることが認められるものである。
また、乙第4号証に示された取引書類(請求書)は、被請求人が証明者に宛てたものであって、ここに記載された商品名は本件商標の指定商品に包含される商品(菓子)と認め得るものであり、被請求人と証明者間で菓子に関する取り引きがあったことを示すものであって、この請求書が作成されたのも、本件審判の請求の登録日前3年以内であることが認められるものである。
(2)次に、請求人は、「各乙号証に示された『スイートファクトリー』、『(株)スイートファクトリー』または『株式会社スイートファクトリー』の表示は、商人を特定するために必要とされる表示であって、いずれも被請求人が扱う商品群の中から具体的な商品または商品群を特定しているとは言えず、自他商品識別標識としての機能を果たすために使用されてはいないし、機能もしていない。」旨主張しているので、この点について検討する。
一般的に、「株式会社」や「有限会社」など、会社組織であることを示す文字に他の文字を結合させてなる商標が使用される場合、当該商標が、法令で定められた様式による方法でしか表示されていないとか、住所・電話番号などの他の表示部分と一体化するようなかたちで表示されているなどのため、当該商標を表示する部分が、者に、専ら、その商品の製造者・販売者を表示したとしか認識されないような態様で表示されている場合は別にしても、その部分が、商品の出所を表示する標識、すなわち自他商品の識別標識として認識されることがあることも否定し得ないものである。
しかして、乙第1号証の「定番写真台帳」の「(株)スイートファクトリー写真定番台帳 No.1(同台帳の「No.4」までの綴りのものも含む)」との記載部分に表示されている「(株)スイートファクトリー」の文字部分は、これが表示されている「定番写真台帳」が証明者の社員により顧客へ提示されて商品の卸売りを行うために使用されていたと認め得ることからも、当該文字部分は、その商品の製造者・販売者を表示するとともに、自他商品を識別するための標識と認識されることもあるというのが相当である。
そうとすれば、当該「(株)スイートファクトリー」の表示は、被請求人および証明者による、「商品に関する広告又は定価表に標章を付して展示し、又は頒布する行為」、すなわち、商標法第2条第3項第7号でいう商標の使用ということができるものである。
そして、本件商標は、「株式会社スイートファクトリー」の文字を書してなるものであって、これは、乙第1号証における「(株)スイートファクトリー」の表示と比較するに「株式会社」と「(株)」において違いが認められるものの、両語は、株式会社であることを表示する場合に日常的に相互互換的に使用されているのが実情であり、「(株)スイートファクトリー」の表示は、「株式会社スイートファクトリー」の表示と社会通念上同一といい得るものである。
また、乙第4号証の請求書の右上部には、「株式会社スイートファクトリー」の表示とともに、住所、電話番号、銀行口座番号が併記されているものであるが、そのうち、「株式会社スイートファクトリー」と表示された部分は、請求書の発行者を特定するための商号表示と認識されることもあるといえるが、同時に、ゴシック体で、かつ、他の表示と比べて大きく表示されていることから、この表示部分は、商品の取り扱い先、すなわち、商品の出所を表示したものと認識されることもあるというのが相当であり、この場合においても、当該表示は、商標法第2条第3項第7号で定める商標の使用といえるものである。
そして、当該「株式会社スイートファクトリー」と表示された部分は、本件商標と同じ文字構成よりなるものであるから、この表示部分は、本件商標と社会通念上同一といい得るものである。
(3)してみれば、本件商標は、これと社会通念上同一と認められる態様で、本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者によって、本件取消請求に係る商品(菓子)に使用されていたということができるものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によっては取り消すことができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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