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Trademark Appeal Case

使用証拠の矛盾

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31345(T2000−31345/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2556498号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2556498号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Good Enough」の欧文字により構成してなり、第24類「運動用特殊ぐつ」を指定商品として、平成3年6月18日に登録出願され、平成5年7月30日に設定登録がされたものである。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、請求人において指定商品の使用状況を調査したところ、指定商品「運動用特殊ぐつ」について、継続して3年以上日本国内において使用された事実は発見できなかった。また、商標登録原簿(甲第1号証)を見ても、専用使用権、通常使用権の登録はなされていない。よって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品「運動用特殊ぐつ」について登録を取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由 .

被請求人は、本件商標の使用証拠として乙第1号証を提出し、その写真に示す品番”R999”が付された商品が「体操用靴」であり、該商品の靴中底及び包装用箱に本件商標が使用されているとし、他方、登録第3358158号商標に対する取消審判事件(審判2000−31378)の答弁書(甲第2号証)においては、被請求人は該登録商標の使用証拠として本件乙第1号証と同一の証拠を提出し、該証拠の写真に示す品番”R999”が付された商品が「靴」であり、該商品の靴の中底及び包装用箱に当該登録商標と同一性を有する商標が使用されている旨を各主張している。

しかしながら、取引上の通念を考慮すると、別異の商品に同一の品番を付すことはあり得ないことであり、また乙第1号証の写真と甲第2号証の写真とを対比してみても該写真で示された商品が同一の商品であることは明らかである。

それにもかかわらず、被請求人は同一の品番”R999”が付された同一の商品について、本審判においては「体操用靴」と主張し、他方の審判においては「体操用靴」とは全く別異の商品である「靴」と主張しているのである。

したがって、同一の証拠に基づいてなされた本審判における被請求人の主張と他方の審判事件における被請求人の主張とが矛盾することは明らかであり、それゆえ乙第1号証の使用証拠としての信憑性も大きく疑われるものであると思料する。

3.被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

(1)答弁の理由

本件商標は、乙第1号証に示す通り、本件審判の請求の登録前3年以内にその指定商品について日本国内において商標権者である被請求人により使用されている。

乙第1号証写真に示す体操用靴(品番R999)は、被請求人会社が企画し靴メーカーに発注して製造させた商品であり、該商品の靴中底及び包装用箱には本件商標が使用されている。

上記本件商標を付した商品は、1998年1月10日から1999年2月18日までの期間、被請求人の本社ショールームに展示されており、販売店に卸売りされている。

乙第1号証納品書は2000年7月14日に当該商品を販売店に補充販売した際、被請求人が発行した納品伝票の写しである。同納品伝票には本件商標が表示されていないが、商品の品番”R999”が記載されており、この品番の商品が本件商標を付した体操用靴であることは、乙第1号証写真の当該商品の包装用箱に付されている品番“R999”と一致していることから明らかである。

(2)弁駁に対する答弁の理由

本件商標を使用している乙第1号証の写真に示す品番”R999”の靴は、乙第2号証に示す通り(a)靴底接地面が平底であり、同接地面が滑り止め成形されており、(b)甲のつま先部分及びかかと部分の外周面がゴム製テープにより補強されており、(c)甲締め部分が紐締めとなっている靴であり、被請求人が卸売りした当該靴は靴店のスポーツシューズコーナーで販売されており、スポーツ用品専門店に卸販売したこともある。ちなみに当該靴は輸入品の関税率に関する商品の解釈に従えば「体操用等に供する履物」に該当する。

なお、審判2000−31378の審判事件の答弁書においては、同商品を大概念で「靴」と表示し、使用商品の表示が不明確であったので、本書と同時に提出した上記審判の答弁書において「体操用靴」であることを明確にした。

4.当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

そこで、答弁理由及び被請求人が本件商標を本件審判の取消対象商品について使用していた事実を証明するものとして提出した乙各号証を検討する。

(1)取消請求に係る指定商品

本件審判の取消請求に係る指定商品は「運動用特殊ぐつ」であるところ、特許庁商標課編「商品及び役務区分解説〔改訂第3版〕」(社団法人発明協会 発行)によれば、「運動用特殊靴の概念には、専らスポーツに使用され、日常生活一般ではほとんど使用されない『スキー靴』『登山靴』及び”運動用スパイクシューズ”等が含まれる」と解説している。

(2)登録商標の使用商品

被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証において証明される使用に係る商品について、請求人の弁駁に対する答弁の理由において「本件商標を使用している乙第1号証の写真に示す品番”R999”の靴は、乙第2号証に示す通り(a)靴底接地面が平底であり、同接地面が滑り止め成形されており、(b)甲のつま先部分及びかかと部分の外周面がゴム製テープにより補強されており、(c)甲締め部分が紐締めとなっている靴であり・・・、」と靴の特徴を述べており、また、乙第1号証及び乙第2号証のかかる靴の写真をみても、上記した「商品及び役務区分解説」で掲げるところの「運動用特殊靴」の概念に属すべきとするような特別な運動に適すべき形状、構造及び機能性などを具えている靴とは認め難いものである。

(3)判断

以上の(1)及び(2)を考慮して判断するに、被請求人提出に係る書証のみをもってしては、本件商標のその指定商品「運動用特殊ぐつ」についての使用は証明されないといわざるを得ない。

してみれば、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、請求に係る指定商品について使用されていなかったものというのが相当である。

このほか述べる被請求人の主張をもって、本件審判の取消請求に係る指定商品についての使用は証明されない。その他前記認定を覆すに足りる証拠はない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定によりその登録は取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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