結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第9723号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類に属する願書記載の商品を指定商品として平成8年7月3日に登録出願、その後、指定商品については、当審における平成10年10月5日付け及び平成14年1月30日付けの手続補正書により「加除式の判例集」とする補正がされたものである。
原査定は、「本願商標は、『判例体系』の文字を普通に書してなるものであるから、これを本願指定商品中、例えば上記事項を内容とする著作物である書籍、カタログ、パンフレット、カレンダー等の印刷物に使用した場合は、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の印刷物に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、別掲に示すとおり、「判例体系」の文字よりなるところ、これを構成する前半の「判例」及び同後半の「体系」の各文字部分は、それぞれ「裁判の先例」、「そのものを構成する各部分を系統的に統一した全体」の意味合いの語(「広辞苑第5版」より)と理解されるから、全体として「裁判の先例を系統的に統一したもの」の如き抽象的で漠然とした意味合いを看取し得るものである。
ところで、本願の指定商品は前記のとおり補正されたところ、その指定商品とする「加除式の判例集」は、一般に、収録内容を随時追加・差し替え等による利用を予定したものであって、出版業者による一定の編集方針に基づき一定期間毎に逐次刊行されるものといえるから、この点において、定期刊行物の性格に類した著作物とみて差し支えないものである。そうとすれば、該著作物は、常に一定不変のものでなく、毎回、追録(判例の補充)・刊行される内容は、時々刻々として変遷するものであるから、これに使用される題号は、内容表示として捉えられるというよりは、むしろ、当該出版業者に係る著作物の出所識別の表示としての機能を有するものと判断するのが相当である。
そして、請求人提出に係る甲第1号証ないし甲第17号証によれば、請求人に係る「判例体系」と称されている判例集は、昭和28年に創刊、その巻数は法分野別に編纂された全541巻(平成12年)にも及ぶものであって、個々の巻に共通の題号「判例体系」を示す文字と当該収録対象分野を示す民法、刑法、無体財産法等の表示が個別的に付されており、需要者は、該共通題号を当該著作物の出所識別の標識(商標)と目し、取り引きしている実情が認められる。
そうしてみれば、該共通題号は、当該著作物の内容を直接表示するものでなく、むしろ、前記出版業者により予め一定の編集方針の下に巻号を追って刊行される著作物の商標として認識し把握されるとみるのが相当である。
そうすると、前記取引の実情を併せ考慮すれば、本願商標を前記補正後の指定商品について使用した場合、自他商品の識別機能を有しないものということはできない。また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するということはできないから、これを理由として本願を拒絶すべきものとすることはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。