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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31681号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2538705号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2538705号商標は、平成3年5月25日登録出願、「Beverly−hills」及び「ビバリーヒルズ」の文字を二段に横書きしてなり、第21類「かばん類、その他本類に属する商品」を指定商品として同5年5月31日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。

(1)請求理由

本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条に基づき取り消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、「本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、商品「ワイシャツ」(「ベルト」及び「キャンバスバッグ」の誤記)の識別標識として日本国内において、その通常使用権者である株式会社フォークランド(以下「F社」という。)により使用されている。」と述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出しているが、以下の理由により、本件商標が本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されているとの事実は認めることができない。

(a)乙第1号証及び乙第2号証について

乙第1号証及び同第2号証の写真は、撮影年月日が不明である。

従って、これらの写真をもって、本件商標が本件審判請求の予告登録された平成12年1月20日(平成12年1月26日の誤記)前3年以内の使用を示す証拠とはいえない。

(b)乙第3号証について

被請求人提出の「領収書(乙第3号証)」記載のF社は、被請求人の関連会社である(甲第1号証及び甲第2号証)。

当該F社発行の領収書中の「Beverly‐hillsベルト2本」の記載では、実際に販売した商品及びそれと該領収書との関係が不明である。

また、入金先欄に記載の「木村」なる人物がF社から商品を購入したという事実は確認できないから、該取引が真実に成立したものかどうか不明である。さらに、ファッションビジネスを行う会社として、F社は、本件商標を付した商品を大量生産し、市場において取引・流通させているにも拘らず、商品の販売事実の証明書として領収書しか提出されていないのは極めて不自然である。

以上のように、被請求人の関連会社であるF社の発行した領収書については不明な点が多く、実際本当に発行されたものであるかどうか極めて疑わしく、使用を証明する取引書類としては不十分といわざるを得ない。

従って、請求人は乙第3号証の証拠としての成立性を争うこととし、同時にこれらの不明な点について被請求人に釈明を求める。

(c)乙第4号について

被請求人は、乙第4号証について「F社の登記簿謄本」と説明するが、単なる「登記簿謄本」をもってして、何ら使用を示す証拠とはならない。

以上のように、被請求人が提出した上記各証拠によっては、本件商標が本件審判請求の予告登録日前3年以内に使用されているとの事実は認めることはできない。

3.被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

(1)本件商標の不使用については争う。

(2)本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、商品ベルト及びキャンバスバッグ(以下「キャンバス地の布製手提げバッグ」という。)の識別標識として、被請求人の通常使用権者であるF社により使用されている。

すなわち、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、商品ベルト及びキャンバス地の布製手提げバッグに表示され、当該商品は、被請求人及び通常使用権者によって継続的に販売されている。

以上の事実を立証する証拠として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出する。

(3)乙第1号証は、商品ベルトに本件商標が商標権者及び通常使用権者によって表示されている事実を示す写真である。

乙第2号証は、本件商標を付したキャンバス地の布製手提げバッグが取引されている事実を示す写真である。

乙第3号証は、本件商標を付したベルトが通常使用権者であるF社によって販売されている事実を示す領収書である。

4.当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取り消しを免れない。

これを本件についてみるに、被請求人の提出した証拠のうち、本件商標の使用の立証に関係ある証拠といえるものは、乙第1号証ないし同第3号証のみというべきである。

(1)そこで、先ず、乙第1号証ないし同第2号証について検討するに、被請求人は、これらを「東京都港区港南1の8の22に所在の株式会社ジュンの長谷川洋一氏によって撮影された『ベルトの写真』(乙第1号証)及び『キャンバス地の布製手提げバッグの写真』(乙第2号証)である」旨説明しているが、これらの写真は、いずれも撮影年月日が不明であるから、被請求人が本件審判請求の登録日(平成12年1月26日)前3年以内に、我が国において、本件商標をその取消請求に係る商品について使用していたことの証左とすることはできない。

(2)次に、乙第3号証についてみるに、被請求人は、これを「本件商標を付したベルトが通常使用権者であるF社によって販売されている事実を示す領収書(乙第3号証)である」旨説明しているが、「Beverly‐hillsベルト2本」と手書きしただけの当該領収書は、例えば、店頭に陳列したり、広告やカタログに掲載するというのが一般的である商品「ベルト」について、それが実際の取引・流通状況に置かれていたことを客観的に示すものとは到底いえず、当該取引に係るベルトが具体的にどの商品を指しているのか、また、それに付されるべき商標が具体的にどのように使用されていたのか、その取引状況は不明というほかはないから、これをもって、本件商標の使用をしていることを客観的に明らかにしたものとは到底認め難く、他に、本件商標の使用を客観的に認めるに足る証拠は見出せない。

そして、被請求人は、請求人の2.(2)の弁駁に対して、何ら答弁するところがない。

してみると、被請求人は、本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、本件商標をその取消請求に係る商品に使用していたことを明らかにし得なかったものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第50条第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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