結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30205(T2000−30205/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第396713号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、昭和25年5月8日に登録出願され、第8類「ペンチ、其他利器及び尖刃器」を指定商品として、昭和26年2月17日に設定登録されたものである。その後、商標権の更新登録がなされ、現在有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標は、その指定商品中「利器」について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。
本件商標は、その指定商品中「利器」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第19号証を提出している。
(1)本件商標は、以下に詳述する商標法第50条に定められた所定の使用実績があるので、本件審判請求は棄却されるべきである。
(2)本件商標は、その登録がなされた昭和26年から現在に至るまで継続して使用しているが、少なくとも通常使用権者である株式会社涌井製作所が、請求人が取消しを求めている「利器」に属する商品である後述する別紙証拠(乙第2・3号証)に示す商品「ケーブルカッター(CA−60)」について、この証拠に示す使用態様で本件商標を平成11年1月11日から継続して現在まで使用している。
即ち、通常使用権者である株式会社涌井製作所が、前述のように本件商標を本件審判請求日以前から、手動利器である「ケーブルカッター(CA−60)」について継続して使用している。
従って、請求人が取消しを求めている商品「利器」について、被請求人(通常使用権者)は本件商標を使用しており請求人の主張は成立しない。
以下、上記使用の事実を書証及び人証によって立証する。
(3)株式会社涌井製作所は、商標権者:涌井伸市(被請求人)から本件商標について使用許諾を受けている通常使用権者である。
株式会社涌井製作所はこの通常使用権を特許庁に登記していないが、商標権者は株式会社涌井製作所の代表取締役社長であり、後述のように昭和55年4月に個人経営から同会社組織が設立された当時から、この株式会社涌井製作所が本件商標を使用することを許諾しており、株式会社涌井製作所はこの使用許諾の下、会社設立当時から現在に至るまで本件商標を「手動工具」及び「手動利器」について使用している。
この商標使用許諾を確認するための契約書が交わされており、この契約書の写しを乙第1号証として提出する。
(4)乙第2号証として本件商標の通常使用権者;株式会社涌井製作所が平成11年1月11日から現在に至るまで配布使用している商品販売カタログ(本件商標が裏表紙に付された商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」)を提出する。この商品販売カタログには、株式会社涌井製作所の主要販売製品が掲載されており、そのカタログ6頁に商品「ケーブルカッター(TypeNO.品番CA−60)」が掲載されている。
尚、この商品販売カタログに掲載されている商品現物「ケーブルカッター(TypeNO.品番CA−60)を撮影した写真(撮影日;平成12年8月7日,撮影者;弁理士吉井雅栄)のコピーを同第3号証として提出する。この商品「ケーブルカッター(CA−60)」は手動利器に属する商品である。
(5)乙第4号証として、三条印刷株式会社が株式会社涌井製作所に前記商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」(乙第2号証)を平成11年1月11日に2000冊納品した事を示す御請求書及び納品書コピーを提出する。
(6)乙第5号証として、株式会社涌井製作所が三条印刷株式会社に商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」(乙第2号証)を発注し、平成11年1月11日に2000冊納品した事を証する三条印刷株式会社の証明書を提出する。
(7)乙第6・7号証として、株式会社涌井製作所が取引先:与板利器工業株式会社に商品「ケーブルカッター(CA−60)」(乙第3号証)を平成12年2月1日に60丁及び平成12年2月14日に30丁販売したことを示す請求書及び納品書(控)コピーを提出する。
(8)乙第8号証として、株式会社涌井製作所が取引先:与板利器工業株式会社に商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」(乙第2号証)を配布し、この商品販売力タログに基づいて、商品販売カタログ掲載の商品「ケーブルカッター(CA−60)」(乙第3号証)を、少なくとも平成12年2月1日に60丁及び平成12年2月14日に30丁販売したことを証する与板利器工業株式会社の証明書を提出する。
(9)乙第9号証として、株式会社涌井製作所が取引先:株式会社マルイシ総業に「ケーブルカッター(CA−60)」(乙第3号証)を平成11年7月28日に12丁販売したことを示す請求書及び納品書(控)コピーを提出する。
(10)乙第10号証として、株式会社涌井製作所が取引先の株式会社マルイシ総業に、商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」(乙第2号証)を配布し、この商品販売カタログに基づいて、商品販売カタログ掲載の商品「ケーブルカッター(CA−60)」(乙第3号証)を、少なくとも平成11年7月28日に12丁販売したことを証する株式会社マルイシ総業の証明書を提出する。
(11)乙第11号証として、通常使用権者:株式会社涌井製作所の会社案内「DENKO 株式会社涌井製作所」を提出する。この会社案内は平成8年2月6日から現在まで継続して配布使用しているもので、表紙には本件商標を付した商品(ペンチ)の商標表示部分のみが大きく表紙中央に拡大表示され、主要販売製品として商品「ケーブルカッター(CA−60)」が掲載されている会社案内である。
(12)乙第12号証として、三条印刷株式会社が株式会社涌井製作所に、会社案内「DENKO 株式会社涌井製作所」を、平成8年2月6日に1000冊納品したことを示す、納品書及び請求書控兼得意先元帳コピーを提出する。
(13)乙第13号証として、株式会社涌井製作所が会社案内「DENKO 株式会社涌井製作所」を三条印刷株式会社に発注し、平成8年2月6日に1000冊納品したことを証する、三条印刷株式会社の証明書を提出する。
(14)また、参考までに乙第14号証として、通常使用権者:株式会社涌井製作所が平成11年1月11日以前に配布使用していた、表紙には本件商標を付した商品(ペンチ)の商標表示部分が大きく表紙中央に拡大表示された旧商品販売カタログ「DENKO デンコー TOOL SELECTION」コピーを提出する。この旧商品販売カタログには、裏表紙にも本件商標が付されていて、現在使用中のものと同様に主要販売製品として商品「ケーブルカッター(NO.品番CA−60)」が掲載されている。
(15)また、参考までに乙第15号証として、通常使用権者:株式会社涌井製作所が平成8年2月6日以前に使用していた、旧会社案内「DENKO 株式会社涌井製作所」を提出する。この「旧会社案内」には、表紙に本件商標を付した商品(ペンチ)の商標表示部分が大きく表紙中央に拡大表示されていて、現在使用中のものと同様に主要販売製品として商品「ケーブルカッター(CA−60)」が掲載されている。
(16)また、参考までに乙第16号証として、株式会社涌井製作所が商品「ケーブルカッター(CA−60)」を昭和57年当時から販売していたことを示す週刊新聞「越後ジャーナル」の紹介欄コピーを提出する。この「越後ジャーナル」の「新商品紹介」欄に、株式会社涌井製作所が商品「ケーブルカッター(CA−60)」を昭和57年9月1日に発売したことが写真付きで掲載されている。
(17)乙第17号証として、株式会社涌井製作所が商品販売カタログ「DENKO TOOL SELECTION」を、平成11年2月頃に配布したことを証する、新潟県作業工具協同組合の証明書を提出する。
(18)乙第18号証として、株式会社涌井製作所が会社案内「DENKO 株式会社涌井製作所」を、平成8年3月頃に配布したことを証する、新潟県作業工具協同組合の証明書を提出する。
(19)乙第19号証として、本件商標の通常使用権者である株式会社涌井製作所が本件商標を商品「ケーブルカッター(CA−60)」に、本件請求日以前から継続して使用していることを、通常使用権者である株式会社涌井製作所の代表取締役:涌井伸市氏及び専務取締役:涌井清次氏の宣誓書を提出する。
(20)人証として、通常使用権者:株式会社涌井製作所の代表取締役であって、本件商標権者である涌井伸市氏と、株式会社涌井製作所の専務取締役である涌井清次氏の証人尋問申請書を提出する。
以上から、本件商標は、本件商標登録がなされた昭和26年から現在に至るまで継続して使用しているが、少なくとも通常使用権者である株式会社涌井製作所が、請求人が取消しを求めている「利器」に属する商品である前述した別紙証拠(乙第2・3号証)に示す商品「ケーブルカッター(CA−60)」について、この証拠に示す使用態様で本件登録商標を平成11年1月11日から継続して現在まで使用している。
即ち、通常使用権者である株式会社涌井製作所が、前述のように本件商標を本件審判請求日以前から、手動利器である「ケーブルカッター(CA−60)」について継続して使用している。
従って、請求人が取消しを求めている商品「利器」について、被請求人(通常使用権者)は本件商標を使用しており請求人の主張は成立しない。
そこで検討するに、本件商標の商標権者は、株式会社涌井製作所の代表取締役社長であること、及び本件審判請求の登録後ではあるが本件商標の使用について商標権者と株式会社涌井製作所の間で使用許諾を確認するための契約が交わされた契約書の写しの乙第1号証からすれば、株式会社涌井製作所は、本件審判請求の登録以前から、本件商標について通常使用権者であったとみるのが相当である。
そして、被請求人の提出した乙第1号証ないし同第19号証を総合勘案すれば、本件商標は、本件商標権に係る通常使用権者と認められる株式会社涌井製作所により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品の利器中、「ケーブルカッター」について使用されていたものと認めることができる。
しかして、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の登録は、その取消請求にかかる指定商品「利器」について商標法第50条の規定により取消すべき限りでない。
なお、被請求人は、本件商標の使用事実について証人尋問申請をしているが、本件商標の使用は上記のとおり認められるので、証人尋問を行わない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。