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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30439(T2000−30439/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第770378号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成のものであり、第30類「菓子、パン」を指定商品として、昭和38年9月2日登録出願、同43年2月8日登録、その後、3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品につき継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2 被請求人の答弁に対する弁駁

(1)被請求人の主張によれば、ひよ子饅頭を「ケーキ袋」に包装していたというのであるが、ひよ子饅頭自体が裸、すなわち饅頭に何らの包装もしないで直接、上記「ケーキ袋」に入れられていたというものではない。

被請求人の提出した証拠(乙第4、5号証)によれば、ひよ子饅頭は、「ひよ子」と印刷された紙包装によって包まれている。

この紙包装自体に本件商標と同一の標章が付されているならばともかく、本件においては、そうではなく、1つずつ包装がされたひよ子饅頭(「ひよ子」という標章が付されているに止まる)が、たまたま上記「ケーキ袋」に入れられて販売されたというにすぎない。

しかも、乙第4号証や乙第5号証によっても、「ケーキ袋」以外にも様々な種類の箱に入れられたり、袋に入れられたりして販売されているのであり、前記「ケーキ袋」に入れて販売しなければならないという必然性はない。

とするならば、仮に、被請求人が「ケーキ袋」に、本件商標とほぼ類似する標章を付し、上記「ケーキ袋」に菓子であるひよ子饅頭を数個入れて販売していたとしても、商標の使用には当たらない。

(2)また、前記「ケーキ袋」に本件商標とほぼ同一の標章が付されていたとの主張は信用することができない。

そもそも、乙第4号証と乙第5号証のリーフレットには、「ひよ子の祝菓子」として「ひよ子袋入」の写真が掲載されているが、その写真には、本件商標とほぼ同一という標章(以下「本件使用商標」という。)が看取されない。

被請求人は、乙第2号証と乙第3号証において、その袋の現物を提出しているが、「ケーキ袋」を表面から見れば、黄色のひよこが3羽ずつ描かれていることが看取されるが、袋の左右両側を開いたところ、そのひよことは全く似ても似つかない本件使用商標が記載されているのである。

この「ケーキ袋」を通常の状態(乙第4、5号証で撮影されている状態)にした場合では見えない位置に、あえて、本件使用商標を記載することは全く理解できない。

(3)さらに、被請求人は、乙第2、3号証のケーキ袋のデザイン、製造について平成11年初めに日本紙工に発注し、同年2月9日以降に納品を受けた旨主張している。

その証拠である乙第41〜53号証には、品名として「ひよこ図形・ピヨ文字入り」と記載されているが、かえって空々しさを感じさせるものである。

なぜならば、このケーキ袋は「ケーキ袋」というだけでその同一性を認識できるものである。

現に、乙第6〜24号証では、すべて「ひよ子3入(袋)」あるいは「ひよ子2入(袋)」とのみ記載されているし、乙第25〜39号証では「ヒヨコフクロ3」あるいは「ヒヨコフクロ2」としか記載されていない。

通常ならば、あえて印刷に関する納品書、請求書に「ピヨ文字入り」などと記載する必要もなく、仮に記載するとしても、「ひよ子本舗吉野堂」入りなどと記載する方が自然である。

以上の理由により、「ケーキ袋」に本件商標を付しているとする被請求人の主張は信用できない。

(4)よって、本件商標は使用の事実を納得させるには未だ不十分であるから、商標法第50条第1項の規定により、取り消しを免れないものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第58号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)使用事実の立証にかかる時期的要件について

本件取消審判の請求日及び請求の登録日は、以下のとおりである。

本件取消審判の請求日 平成12年(2000年)4月13日

本件取消審判の請求登録日 平成12年(2000年)5月10日

(乙第1号証参照)

したがって、以下、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内、即ち平成9年(1997年)5月10日から3年以内に本件商標を審判請求に係る指定商品(菓子)に使用していることを立証する。

また、上記使用がいわゆる駆け込み使用(商標法第50条第3項)に該当しないこと、即ち、上記被請求人の使用が、本件審判請求前3月である平成12年(2000年)1月13日から、本件審判請求の登録の日である平成12年(2000年)5月10日まので間の使用ではないことを、以下立証する。

(2)被請求人の使用事実について

被請求人は、「ひよこの図形及びピヨの文字」からなる商標を両側面に付した「ケーキ袋」(このケーキ袋を展開したものを乙第2号証、同ケーキ袋の実物を乙第3号証として提出する)に、ひよ子饅頭を入れて、同饅頭2個入りケーキ袋を170円、同饅頭3個入りケーキ袋を250円で複数の幼稚園又は保育園等(一部小学校含む)に、少なくとも平成11年(1999年)3月24日〜同年4月16日までの間に入園(又は入学)祝いの祝菓子として販売している。以下、上記「ケーキ袋」にひよ子饅頭を入れた商品を「ひよ子袋入り菓子」という。

(2)−1 被請求人の使用している商標及び商品について

乙第2号証及び乙第3号証に示されるように、上記「ケーキ袋」に付された本件使用商標は、本件商標と色彩のみが異なる同一の「ひよこの図形」、及び本件商標と色彩のみが異なる同一のカタカナ縦書きの「ピヨ」の文字からなり、これら図形と文字の配置関係も外観において同視される範囲のものである。したがって、商標法第50条第1項かっこ書の「社会通念上同一と認められるか否か」を検討するまでもなく、本件使用商標は本件商標と略同一のものである。

また、上記「ケーキ袋」に包装されて販売されている商品は「ひよ子饅頭」であり、該「ひよ子饅頭」は菓子である。

(2)−2 「ひよ子袋入り菓子」の販売時期及び販売地域等について

被請求人は、株式会社ひよ子本社及び株式会社ひよ子別府店から乙第4号証、乙第5号証に示す「ひよ子の祝菓子リーフレット」を平成11年(1999年)初め頃に複数の幼稚園又は小学校等にダイレクトメールとして送付している。

かかるリーフレットには、上記乙第2号証、乙第3号証の「ケーキ袋」と同一のケーキ袋の写真及び、同「ケーキ袋」の中に入れる「ひよこ饅頭」の写真(3個)と共に「ひよ子袋入 2コ入...170円 3コ入...250円」と記載されており、被請求人が販売した「ひよ子袋入り菓子」が商品として写真入りで紹介されている。

同リーフレット中の「ケーキ袋」の写真には、該袋正面側に「祝 ○○○幼稚園」と記載された「のし紙」が存在するが、該「のし紙」は付せん紙であって上記リーフレット撮影時に該袋正面に貼着しただけのものである。したがって、乙第2号証及び乙第3号証として提出した「ケーキ袋」にはかかる「のし紙」は含まれていない。

その後、複数の幼稚園又は小学校等から上記リーフレット中の「ひよ子袋入り菓子」(マーキングした商品)についての注文を受け、少なくとも平成11年(1999年)3月24日〜同年4月16日までの間に複数の幼稚園及び小学校等に祝菓子として、上記「ひよ子袋入り菓子」を合計1,981個販売している。この販売の事実を示す「幼稚園作業票」(写)を乙第6号証〜乙第24号証として提出する。

以上より、被請求人は、少なくとも平成11年(1999年)3月24日〜同年4月16日までの間に、乙第2号証及び乙第3号証に添付した「ケーキ袋」にひよ子饅頭2個又は3個を入れた「ひよ子袋入り菓子」1,981個を、複数の幼稚園又は小学校等に販売していたものである。

さらに、上記乙第6号証、乙第7号証、乙第8号証の販売分についての被請求人の売上伝票及び払込取扱票(写)を各々乙第25号証〜乙第30号証として、乙第16号証の販売分の売上伝票及び領収書(写)を乙第31号証拠及び乙第32号証として、乙第18号証、乙第20号証、乙第22号証の販売分についての売上伝票及び払込取扱票(写)を乙第33号証〜乙第38号証として、乙第23号証の販売分の売上伝票及び領収書(写)を乙第39号証及び乙第40号証として提出する。

以上より、被請求人は本件商標の付された「ケーキ袋」にひよ子饅頭を入れた「ひよ子袋入り菓子」1,981個を、少なくとも平成11年(1999年)3月24日〜同年4月16日までの間に複数の幼稚園等に販売していた事実が明らかとなっている。

(3)「ひよ子袋入り菓子」の「ケーキ袋」の製造時期について

被請求人は、平成11年(1999年)初めに日本紙工株式会社に乙第2号証、乙第3号証に示す本件商標の付された「ケーキ袋」(ひよこ図形・ピヨ文字入りのケーキ袋)のデザイン、製造を発注し、平成11年(1999年)2月9日に同「ケーキ袋」900枚の納品を同社から受けている。この事実を示す納品書(写)を乙第41号証として提出する。同納品書の品名欄には「ひよこ図形・ピヨ文字入りケーキ袋」と記載されており、納品された袋が本件商標の付された「ケーキ袋」(乙第2号証、乙第3号証)と同一のものであることを確認することができる。

被請求人は、その後平成11年(1999年)2月12日から同年3月27日までの間に日本紙工株式会社から上記「ケーキ袋」について合計26,770枚の納品を受けている。かかる事実を示す納品書(写)を乙第42号証〜乙第51号証として提出する。これらの納品書の品名欄にも「ひよこ図形・ピヨ文字入りケーキ袋」と記載されており、納品された袋が本件商標の付された「ケーキ袋」(乙第2号証、乙第3号証)と同一のものであることを確認することができる。

また、被請求人は上記「ケーキ袋」の製造、デザインについて(乙第41号証及び乙第42号証の納品分について)日本紙工株式会社から平成11年(1999年)2月28日に請求を受けている。かかる請求書(写)を乙第52号証として提出する。

さらに、被請求人は、上記乙第43号証〜乙第51号証に示す「ケーキ袋」の納品分について、日本紙工株式会社から平成11年3月31日に請求を受けている。かかる請求書(写)を乙第53号証として提出する。

上記乙第41号証〜乙第51号証の納品書と、乙第52号証及び乙第53号証の請求書は、納品ナンバーと売上ナンバーが対応しており、例えば、乙第43号証の納品ナンバー0054(数量1,000枚)は乙第53号証の請求書の売上ナンバー0054に対応するものであり、金額9,500円が請求されている。

即ち、被請求人は、「ひよ子袋入り菓子」を販売するために、少なくとも平成11年(1999年)2月9日から同年3月27日までの間に本件商標を付した「ケーキ袋」を27,670枚を印刷し、順次上記各幼稚園等に上記「ひよ子袋入り菓子」を販売していたことが明らかとなっている。

(4)ひよ子の祝菓子リーフレットの製造時期について

被請求人は平成10(1998年)年11月16日にダイレクトメール用のひよ子の祝菓子リーフレット(乙第4号証及び乙第5号証に示すもの)のデザイン及び印刷(16,450枚)を凸版印刷株式会社に発注し、同社から平成10年(1998年)11月30日に同リーフレットの印刷代金(税込金額139,907円)、同リーフレットの版代(税込金額75,600円)、同リーフレットのデザイン代(税込金額73,500円)の請求を受けている。かかる事実を示す請求書(写)を乙第54号証として提出する。

さらに、被請求人は凸版印刷株式会社から、同日(同年11月30日)に同リーフレットの撮影代(税込金額63,000円)の請求を受けている。かかる事実を示す請求書(写)を乙第55号証として提出する。

即ち、被請求人は上記「ひよ子袋入り菓子」を平成11年(1999年)の春に、主に幼稚園、小学校等に販売することを目的として、上記リーフレットを平成10年(1998年)11月16日に凸版印刷株式会社に発注し、平成10年(1998年)11月30日には、上記リーフレット16,450枚を所有していたことが明らかとなっている。

なお、上記ひよ子の祝菓子リーフレット中の「ケーキ袋」の写真は乙第2号証及び乙第3号証と同一のものであるが、その両側面に付された本件商標(「ひよこの図形」及び「ピヨ」の文字)が確認できない。これは、たまたま本件商標を確認することができない角度で撮影されたに過ぎないものであり、リーフレット中の写真の「ケーキ袋」においても本件商標が付されているものである。

(5)結語

上述のように、被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証に示す本件商標の付された「ケーキ袋」にひよ子饅頭2個ないし3個を入れた「ひよ子袋入り菓子」1,981個を、少なくとも平成11年(1999年)3月24日から同年4月16日までの間に複数の幼稚園及び小学校等に販売していたものである。かかる行為は、商標法第2条第3項第1号の「商品の包装に標章を付する行為」及び同条第3項第3号の「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」、即ち本件商標の使用に該当するものである。

また、上記使用時期は、本件取消審判の請求の登録前3年以内である平成9年(1997年)5月10日から3年以内の使用であり、商標法第50条第2項の登録商標の取消を免れる時期的要件を充足するものである。

さらに、上記使用時期は、商標法第50条第3項のいわゆる駆け込み使用の時期である平成12年(2000年)1月13日から同年5月10日までの期間内の使用にも該当せず、被請求人の上記使用が同項に規定する駆け込み使用にも該当しないことは明らかである。

以上より、被請求人は本件商標を、本件審判請求にかかる指定商品に、上記所定の時期において使用していたことは明らかである。

2 答弁の理由(第2回)

(1)請求人の主張は、商標法第2条第3項第1号及び同法第2条第3項第2号における標章の使用は、「裸の」商品の包装に標章を付する行為、又は「裸の」商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為のみが標章の使用に該当し、当該商品が予め何らかの紙包装に包まれた商品をさらに包装する紙包装等に標章を付する行為は同条同項各号における標章の使用に該当しない、という趣旨であると解される。

(2)しかしながら、このような請求人の主張は商標法第2条第3項各号を誤認したものである

(3)各種の商品の持ち帰り用紙袋に登録商標を印刷する行為、及び当該持ち帰り用紙袋に各種商品を入れて譲渡等する行為が、登録商標の使用に該当することは、判例においても認められているところである(平成1年8月16日 東京高裁 昭和63年(行ケ)第163号)。

(4)請求人は、ひよ子饅頭を当該「ケーキ袋」に入れて販売しなければならないという必然性はない旨主張し、リーフレット記載の「ひよ子饅頭」と「ケーキ袋」との関連性を否定するような主張を行っている。そこで、当該「ひよ子袋入り菓子」について、さらに説明を加える。

(5)この「ケーキ袋」にひよ子饅頭を2個ないし3個いれた「ひよ子袋入り菓子」は、入学・卒業シーズンに向けた「祝い菓子」の一商品形態として企画製造されたものである。即ち、「ケーキ袋」にひよ子饅頭2個入り又は3個入りの「ひよ子袋入り菓子」(乙第4号証、乙第5号証のリーフレットでは太字で「ひよ子袋入り」と記載)が1つの商品単位であり、当該商品をリーフレットで紹介しているものである。このリーフレットには、かかる「ひよ子袋入り菓子」の他、箱入り商品である「ひよ子箱入り」、バック型包装商品である「幼稚園バッグ」、「ミニランドセル」等の各種の商品が掲載されており、これらの商品はリーフレット中の太字で記載された商品名により各個別に特定することができる。客はかかるリーフレットから好みの商品を選択して被請求人宛注文を行ったものである。したがって、「ひよ子袋入り菓子」を客が注文した場合は、当該「ケーキ袋」にひよ子饅頭を当該注文に応じて2個ないし3個入れて、当該「ひよ子袋入り菓子」を客(幼稚園等)宛に発送したものであり、任意の包装に入れて販売したものではない。

(6)請求人は、乙第2号証及び乙第3号証として提出した「ケーキ袋」に本件商標とほぼ同一の標章が付されていたとの主張は信用することができず、不使用取消審判を請求されてから、わざとこのような証拠を作成したのではないかと疑われる旨の主張を行っているが、憶測にすぎない。

(7)被請求人は、乙第4号証及び乙第5号証のリーフレットに本件商標が確認できないからこそ、乙第2号証及び乙第3号証として当該「ケーキ袋」の現物を提出したものであり、当該現物には本件商標と略同一の商標が付されていることが明らかに確認できる。また、乙第41号証から乙第51号証の納品書に示すように、この「ケーキ袋」は、本件審判請求の日である平成12年(2000年)4月13日よりも1年以上前の平成11年2月9日から同年3月27日(乙第51号証)の間、日本紙工株式会社より順次納品を受けており、被請求人は明らかに本件審判請求前1年以上前から当該「ケーキ袋」を保有していたものである。

第4 当審の判断

(1)乙第6号証ないし乙第40号証によれば、被請求人は、乙第4号証及び乙第5号証に示す「ひよ子の祝菓子リーフレット」中に「ひよ子袋入り」という名称で紹介されている商品(以下「本件使用商品」という。)を、平成11年3月から4月にかけて、九州各県及び香川県在の保育所、保育園、幼稚園又は小学校に販売した事実が認められる。そして、本件使用商品は、「ひよこ子」の文字などを表示した包装紙で1個ずつ包装してある「ひよこ饅頭」を、顧客の注文にしたがって、乙第3号証に示す「ケーキ袋」に2個又は3個入れた形態で販売する商品であって、入園、卒園などのお祝い用の菓子として販売されるものである。また、乙第41号証ないし乙第53号証によれば、乙第3号証に示す「ケーキ袋」は、平成11年2月から3月にかけて「日本紙工株式会社」より被請求人に納入されたこと、乙第54号証及び乙第55号証によれば、平成10年11月30日付けの請求書により「凸版印刷株式会社 西日本事業本部」が被請求人に対して乙第4号証及び乙第5号証に示す「ひよ子の祝菓子リーフレット」の作成費用を請求した事実が認められる。

(2)請求人は、1個ずつ包装してある「ひよこ饅頭」には、本件商標と同一の標章は付されておらず、上記「ケーキ袋」は、「ひよこ饅頭」を販売する際にたまたま利用したものであるから、「ケーキ袋」に本件商標とほぼ類似する標章を付し、これに「ひよこ饅頭」を入れて販売しても、本件商標の使用には当たらない旨主張する。

しかし、乙第4号証及び乙第5号証に示す「ひよ子の祝菓子リーフレット」において、本件使用商品は、「ひよこ饅頭」を上記「ケーキ袋」に2個又は3個入れた形態の商品として紹介されており、一個ずつ包装してある「ひよこ饅頭」を2個又は3個、上記「ケーキ袋」に入れて既に包装した状態で取引販売される商品であることが明らかであって、「ひよこ饅頭」の包装に上記「ケーキ袋」をたまたま利用したというものではない。また、上記「ケーキ袋」の左右側面の下部には、「ひよこ本舗吉野堂」の文字と共に本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されており、取引者、需要者に上記「ケーキ袋」に入っている「ひよこ饅頭」の商標として認識されるものと認められる。

したがって、この点の請求人の主張は採用できない。

(3)また、請求人は、上記「ケーキ袋」に本件商標を付しているとの被請求人の主張は信用できないとしているが、被請求人が提出した本件商標の使用事実を証明する証拠には全体として何ら不自然なところはなく、上記「ケーキ袋」の左右側面の下部には、上記のとおり「ひよこ本舗吉野堂」の文字と共に本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されているものと認められる。

(4)以上によれば、本件商標は、本件審判の請求の登録(平成12年5月10日予告登録)前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)より、その指定商品中の「菓子」について使用されたものということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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