Trademark Appeal Case
著名商標の混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90583(T2001−90583/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4471253号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年5月24日に登録出願、「XEON」の文字(標準文字)を書してなり、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),原料プラスチック,写真材料」を指定商品として、平成13年4月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する平成11年商標登録願第63847号に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、「XEON」の欧文字(標準文字)を書してなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,録音済みの磁気カード・磁気シート・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消化器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,テレビゲーム用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CD−ROM・光磁気ディスク,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成11年7月15日に出願されたものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)引用商標の著名性について
引用商標は、申立人の製造販売に係るマイクロプロセッサの名称として1998年4月に採択され、世界各国で使用されているものである。日本国内では、申立人の日本における子会社であるインテル株式会社を通じて引用商標を使用したマイクロプロセッサの販売活動が1998年6月に開始され、現在に至る。
そして、引用商標は、申立人の製造販売に係る「XEON」と呼ばれる商品ラインのプロセッサを指称する商品識別標識として、1998年6月の使用開始以来現在に至るまで継続的に申立人及びその商標ライセンシーによって使用され、大規模な宣伝広告活動が展開されてきた結果、取引者・需要者間に広く認識されるに至っているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人による引用商標の使用実績と共に、本件商標の指定商品が半導体製品を製造する際に使用される商品を多く含んでおり、半導体メーカーはこれらの商品の需要者という関係にあること、そして、申立人会社は世界の半導体製品市場の約8割のシェアを独占するトップメーカーとして世界的に広く知られていること等を勘案すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には、既に本件商標の指定商品の取引者・需要者においても広く知られていたと容易に推認されるものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、引用商標と同一の文字「XEON」よりなるものであるから、取引者・需要者は、申立人の商標として世界的に著名な引用商標を直ちに想起し、その商品が申立人或いは申立人と何らかの経済的又は組織的な関係を有する者によって流通過程におかれたものであると誤認し、これにより商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
引用商標が本件商標の登録出願時に既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものであること、引用商標を構成する「XEON」の文字が辞書には存在しない創造語であること及び本件商標の指定商品は半導体の製造過程で使用される商品を多く含むこと等の観点に照らせば、本件商標は、引用商標が申立人の商標として我が国で広く認識されていることを知って登録出願されたものと推認せざるを得ない。
したがって、本件商標は、引用商標に化体した世界的な名声と信用力にただ乗りする行為であって、不正の目的をもって使用するものと認められる。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標の登録及び使用は、引用商標の顧客吸引力への便乗行為と出所表示機能の稀釈化を伴うものであり、これにより引用商標の財産的価値が著しく減殺され、申立人が経済的及び精神的損害を被ることは明らかである。したがって、本件商標の登録及び使用は、公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神に反するものであり、周知著名な商標の保護の強化の世界的動向と相容れないものであって、国際信義に反する。
(5)結語
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号の規定に違反してなされたものであるから取り消されるべきである。
3 当番の判断
(1)申立人提出に係る各甲号証を総合すれば、引用商標は、申立人(インテル コーポレーション)の業務に係る商品「マイクロプロセッサ」に使用をする商標として、本件商標の登録出願時には、既に、ある程度の著名性を獲得していたことは認めることができる。
しかしながら、申立人が引用商標の使用をする商品「マイクロプロセッサ」と本件商標の指定商品とは、生産者(製造部門)、取引系統、需要者の範囲等を全く異にするものであるところ、本件商標をその指定商品について使用した場合、取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるほどまでに著名になっていたものということはできない。
そうとすれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(2)本件商標は、構成上記のとおりであって、その構成自体が矯激、卑隈、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、本件商標を指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとは認められず、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標又は国際信義に反する商標とは認められないものである。
(3)本件商標は、我が国における大手ゴム製造会社である商標権者の商号の一部「ゼオン」を欧文字で表示したものとも看取されるものである。
そして、前記(1)で述べるところを併せ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、引用商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毅損させるなど不正の目的をもって使用するものともいい得ないものである。
(4)してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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