Trademark Appeal Case
ローマ字称呼の判断基準
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90418(T2001−90418/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4456995号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年3月16日に登録出願され、「TRX」の欧文字を横書きしてなり、第8類「手動工具」を指定商品として、平成13年3月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録第1044358号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和46年5月7日に登録出願、第13類「ねじくぎ、ボルト、ナツト、その他の金具、ねじまわし、その他の手動工具、パンチ、その他の手動利器、その他本類に属する商品」を指定商品として、同48年11月26日に設定登録されたものであり、同じく登録第1230264号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)は、「トルクス」の文字を書してなり、昭和49年12月9日に登録出願、第13類「ねじくぎ、ボルト、ナツト、その他の金具、ねじまわし、その他の手動工具、パンチ、その他の手動利器、その他本類に属する商品」を指定商品として、同51年11月1日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標からは、「トルクス」という称呼が生ずるのに対して、本件商標は、「トル」若しくは「トゥル」と発音される「TR」と「クス」と発音される「X」が結合された構成からなるので、「トルクス」若しくは「トゥルクス」の称呼が生ずる。したがって、本件商標は、称呼上、引用商標と類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標が、ねじ又はねじまわしの需要者の間で広く知られており、「*」状のねじ穴又はねじ突起が設けられたねじ又はねじまわしの代表的又は標準的なブランドであると需要者の間で知られていることを考慮すると、引用商標と類似するか若しくは類似に相当する本件商標「TRX」を見た需要者は、引用商標を使用したねじ又はねじまわしと何らかの関係が有するものと考えるのが相当である。したがって、本件商標は、引用商標を使用する者が行っている業務と何らかの関係があるものと認識されているので、引用商標と具体的な混同が生じている。
(3)商標法第4条第1項第16号について
引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用するときは、引用商標が付されたねじ又はねじまわしと同様な性能を有するものと需要者は認識すると考えるのが相当であるから、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
(4)結び
以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に該当するので、商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「TRX」の文字よりなるものであるところ、このように子音字のみ3文字の組合せ、即ち、その構成中に母音を表す文字が介在しないローマ文字3文字の組合せにあっては、例えば、「TRX」の文字が「トルクス」又は「トゥルクス」と発音されるものとして親しまれている等の格別な事情がある場合は別として、一般的には、ローマ文字個々の発音例に倣って称呼されるとみるのが自然である。
そして、本件商標は、これを申立人主張のように「トルクス」又は「トゥルクス」の称呼を生ずるものとすべき格別の事情が存するものとも認められないから、その構成するローマ文字各々に相応し、全体として「ティーアールエックス」の称呼のみを生ずるものというべきである。
してみれば、本件商標から「トルクス」又は「トゥルクス」の称呼をも生ずるものとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
また、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標であるから、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
さらに、本件商標は、何ら特定の意味合いを理解させない造語よりなる商標と認められるものであるから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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