Trademark Appeal Case
称呼の認定方法と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90469(T2001−90469/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4460977号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成10年7月24日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年3月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、「Looker’s」の文字を書してなるところ、これよりは「ルッカーズ」の称呼のほかに、その構成文字中の「Looker」が所有格を表すアポストロフィを伴っており、「見る人」の語義を有し、かつ、本件商標の基幹部分であることから、該文字に相応して「ルッカー」の称呼をも生ずる。
他方、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る「LOACKER」の文字を書し、昭和60年5月16日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年1月28日に設定登録された登録第1925122号商標(以下「引用商標」という。)は、欧文字の綴りとの関係上、「ロアッカー」と称呼される場合が極めて多いから、「ロアッカー」の称呼をも生ずるといわざるを得ない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「ルッカー」と「ロアッカー」の称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品を含むものである。
また、引用商標は、世界各国に周知されるに至っているものであるから、本件商標は、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してされたものであり、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲に示すとおり、筆記体風の籠文字をもって、「Looker’s」の文字を書してなるものであり、該文字に相応し、「ルッカーズ」の称呼を生ずる。
しかるに、申立人は、本件商標の構成文字中の「Looker」が、所有格を表すアポストロフィを伴っており、「見る人」の語義を有し、かつ、本件商標の基幹部であることから、該文字に相応して「ルッカー」の称呼をも生ずると主張しているが、本件商標は、アポストロフィを含めた欧文字の全体構成においても8文字にすぎず、各文字が全体に占める割合も均等なものというべきであり、殊更、アポストロフィ以下を捨象し、「Looker」の文字のみを単独の存在として抽出しなければならない合理的理由は見出せない。
しかも、本件商標「Looker’s」は、視覚上一体的に看取し得るものであり、かつ、これらの全体を称呼しても、格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
してみると、本件商標からは、全体構成文字に相応して「ルッカーズ」の称呼のみを生ずると判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、前記のとおり、「LOACKER」の文字を書してなるところ、該文字は固有の称呼、観念を有しない造語であって、その文字配列や我が国における英語の普及程度よりすれば、英語の発音風に称呼されるとみるのが自然である。
そして、引用商標「LOACKER」を英語の発音風に称呼する場合に、その構成文字中の「OA」(「oa」)の文字部分につき、例えば、英語の「approach」を「アプローチ」、「soap」を「ソープ」、「toast」を「トースト」と日本語(カタカナ語)においても容易に称呼している事実が存することよりすれば、該「LOACKER」の文字中の「OA」の部分は、長音「ー」をもって称呼されるというのが相当である。
そうとすると、引用商標からは、申立人の述べる「ロアッカー」の称呼を生ずるというよりも、むしろ、「ローカー」の称呼を生ずると判断するのが相当といわなければならない。
そこで、本件商標より生ずる「ルッカーズ」の称呼と引用商標より生ずる「ローカー」の称呼とを比較すると、両称呼は、促音及び長音を含めても5音又は4音といずれも短い音構成よりなるものであって、称呼による識別上重要な要素を占める語頭部において、「ルッ」と「ロー」の音の顕著な差異を有するほかに、前者の末尾には「ズ」の音を伴うことから、両称呼の全体を一連に称呼するときには、これらの差異音が称呼全体の音調、音感に与える影響は極めて大きいものといわざるを得ず、両称呼は彼此相紛れるおそれのないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観、観念の点はもとより、称呼においても非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であり、他に、両商標が誤認、混同を生じさせる事由は見出せないばかりでなく、引用商標が需要者間に広く認識されている事実を示す証左はない。
そうとすれば、本件商標を、その指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、これを申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではなく、本件商標の登録は、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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