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結論

勝訴(請求認容)

商標「SLIDECLIP」と「SLIDE」の称呼の類似性と要部抽出(第4条第1項第11号|審判異議2001−90132(T2001−90132/J7))

審判番号
異議2001−90132(T2001−90132/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「SLIDECLIP」引用商標「SLIDE」
争点(論点)
称呼の類似性と要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第16類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2001−90132(T2001−90132/J7)・異議)は、本件商標「SLIDECLIP」と引用商標「SLIDE」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と要部抽出」です。指定商品・役務は第16類に属します。特許庁は「登録第4434774号商標の商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4434774号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4434774号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年2月2日に登録出願され、「SLIDECLIP」の文字(「標準文字」による)を横書きしてなり、第16類「事務用書類を綴じるクリップ,クリップ付き筆記用具,画板用クリップ,クリップを用いた書類綴じ具,クリップボード,クリップ,クリップ止め式製図用コンパス,クリップ止め式卓上製図板」を指定商品として、同12年11月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、平成8年9月19日に登録出願され、「SLIDE」の文字を横書きしてなり、第16類「文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」を指定商品として、同10年8月7日に設定登録された登録第4174739号商標(以下、「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

本件商標は、引用商標に類似する商標であって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

本件商標は、「SLIDECLIP」の欧文字からなるものであって、構成各文字が同一の書体、同一の大きさおよび等間隔で一体に表記され、その全体の称呼も滑らかに一気に発音されることから、「スライドクリップ」とのみ称呼されるものである。

また、本件商標の構成中「CLIP」の語が「(紙や書状などをはさむ)クリップ」を表す語であるとしても、その前にある「SLIDE」の語が「滑る(スライドする)、滑ること(スライド式)」等の意味を有するので、本件商標は、全体として「スライドするクリップ」ないし「スライド式クリップ」という意味を暗示させることから、「SLIDE」と「CLIP」に分離されることなく、両語が一体のものとして取引に資されるものである。

他方、引用商標は「SLIDE」の欧文字からなるところ、該文字は、「滑る、滑らす、滑ること」等の意味を有する英語「slide」と同一の綴りであることから、「スライド」の称呼と「滑る(スライドする)、滑ること(スライド式)」等の観念が生ずるものである。

そして、英語「slide」に由来する外来語としての「スライド」は、「滑ること、滑らせること、ずらすこと」等の意味で日常的に使用されているばかりでなく、あらゆる商品分野において商品の品質、機能、用途等を表示する語として使用されており、文房具の分野においても、「滑る(スライドする)」という機能、用途ないし品質を表す語として使用されている。

したがって、引用商標は、それ自体自他商品の識別標識としての機能に乏しいものであるから、その保護の範囲も自ずと限定されざるを得ず、「SLIDE」と他の語が結び付き、全体として何等かの意味を暗示させる商標に対しては、引用商標の商標権の効力は及ばないものである。

本件商標の指定商品が属する文房具類は、大衆商品の代表的な商品であって、記述的な商標が広く採択・使用されていることから、文房具業界の実情を考慮した類否判断がなされるべきである。

また、本件商標と引用商標が外観及び観念において非類似のものであることについては、論ずるまでもなく明らかである。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼、外観及び観念のいずれにおいても非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではない。

5 当審の判断

本件商標は、前記のとおり、「SLIDECLIP」の文字を書してなるものであるところ、その前半部の「SLIDE」の文字が「滑ること、滑らせること、ずらすこと」等、後半部の「CLIP」の文字が「(紙や書状などをはさむ)クリップ」の意味を有する英語として親しまれて使用されているとしても、構成全体をもって特定の意味合いを有する熟語を構成するともいい難いものである。そして、その構成文字中後半の「CLIP」 の文字は、本件商標の指定商品に含まれている文房具の「クリップ」そのものを表す語であり、商品名又は「クリップ付き、クリップ止め式」等の意味合いで商品の品質、形状を表示するにすぎないと認められるものである。

そうとすれば、本件商標は、その指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、前半の「SLIDE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものと把握、理解して、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字中の「SLIDE」の文字部分に相応して、単に「スライド」の称呼をも生ずるといわなければならない。

他方、引用商標は、「SLIDE」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「スライド」の称呼を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、「スライド」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、両商標の指定商品は同一又は類似のものであるから、本件商標を商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。

なお、商標権者は意見書において、「英語『slide』に由来する外来語としての『スライド』は、『滑ること、滑らせること、ずらすこと』等の意味で日常的に使用されているばかりでなく、あらゆる商品分野において商品の品質、機能、用途等を表示する語として使用されている。」旨主張するが、商標権者提出に係る証拠を検討しても、「スライド(slide)」の語自体が「文房具類」の品質、機能、用途等を具体的に表示するものとして、取引上普通に使用されている事実は見出すことができない。

加えて、商標権者が挙げる登録例は本件とは事案を異にするものであるから、これに基づく主張は採用の限りでない。

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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