Trademark Appeal Case
著名商標の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90943(T2000−90943/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4388492号商標(以下「本件商標」という。)は、「アルコンS」の文字(標準文字による)を書してなり、平成11年6月9日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成12年6月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及び同人の属する世界的に著名な医療機器製造・製薬会社グループの名称及び商標「Alcon」「アルコン」と実質的に同一のものであって、他人の名称の著名な略称を含む商標である。
また、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その類似する指定商品について使用するものであり、さらに、これをその指定商品に使用された場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第8号に該当するとして通知した取消理由は、次のとおりである。
<取消理由>
申立人提出の証拠によれば、申立人(アルコン ユニバーサル リミテッド)は、「アルコン・グループ」に属し、商標の一括管理をする者であるところ、「アルコン ラボラトリーズ インコーポレーテッド」(以下「アルコン社」という。)は、1945年に創業され、1973年に日本アルコン株式会社(東京都文京区後楽1ー5ー3)を設立し、別記に示すとおり「Alcon」の文字を横書きしてなる商標(以下「引用商標」という。)を自己の業務に係る「眼科用機器及び医薬品、アイケア製品」等のいわゆる代表的出所標識としてのハウスマークとして使用してきた結果、引用商標は、該構成文字に相応して生ずる「アルコン」の称呼及び申立人の名称の略称として取引に資せられ、引用商標及び「アルコン社」の名称の略称「Alcon」、「アルコン」は、本件商標登録出願時には、眼科関連の商品を取り扱う業界において著名になっているものと認められ、また、引用商標は、「コンタクトレンズの消毒保存液」の商標「オプティ・フリー」の文字よりなる商標とともにわが国において1997年(平成9年)4月頃から使用され、宣伝、広告がなされているものであり、本件商標登録出願時にはコンタクトレンズの需要者の間に広く認識されていたと推認し得るものである。
しかして、本件商標は、「アルコンS」の文字よりなるものであるところ、該構成中の「S」の文字部分は、商品の品質、等級、記号、符号を表示するものとして使用されるアルファベットの1字又は2字の類型と認識され、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、該構成中の「アルコン」の文字部分が本件商標の自他商品の識別標識としての機能を果たし、該文字部分に相応して生ずる「アルコン」の称呼をもって取引にあたる場合が決して少なくないものと判断するのを相当とするから、本件商標は、「アルコン」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし、該構成文字に相応して「アルコン」の称呼を生じ、特定の語義を有するものとして一般に知られ親しまれたものとは認められない一種の造語よりなるものといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標は、引用商標と「アルコン」の称呼において類似し、その指定商品についても、引用商標に係る商品「眼科用機器,眼科用医薬品、コンタクトレンズ消毒保存液」と同一又は類似するもの若しくは医療用として密接な関係を有する商品といい得るものであるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
さらに、引用商標は、「アルコン」と称呼され、アルコン社の名称の略称としても認識され、本件商標登録出願時には、特に、眼科用機器を取り扱う業界、眼科医療の関係者などの間において著名な略称となっていたものと認められるところ、本件商標は、アルコン社の名称の略称であって著名な略称を含むものというべきであり、かつ、同人の承諾を得たものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
4 商標権者は、上記3の理由に対して指定期間内に何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標は、上記3の理由のとおり、商標法第4条第1項第15号及び同第8号に違反して登録されたものと認められるから、同法第43条第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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