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Trademark Appeal Case

美味健康の識別力と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90829(T2000−90829/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4381734号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4381734号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年4月20日に登録出願され、「美味健康」(「標準文字」による)の文字を横書きしてなり、第29類「食肉,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと」を指定商品として、同12年5月12日に設定登録されたものである。

2.登録異議の申立ての理由1

本件商標は、平成8年10月4日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、同10年9月25日に設定登録されている登録第4191805号商標(以下、「引用A商標」という。)と類似するものであり、かつ、両商標の指定商品は抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3.登録異議の申立ての理由2

本件商標は、昭和35年6月8日に登録出願され、「ヘルス」の文字を縦書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、加工食料品(たゞし加工穀物、乾燥野菜、乾燥果実、とうふ、凍りどうふ、あぶらあげ、こんにゃく、こうじ,酵母,イーストパウダー、ベーキングパウダー、麦芽、及びその類似商品を除く。)」を指定商品として、同38年1月25日に設定登録されている登録第604020号商標、平成4年2月19日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、同6年5月31日に設定登録されている登録第2664906号商標、平成6年6月7日に登録出願され、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第29類「豚肉」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録されている登録第3321897号商標、平成11年4月1日に登録出願され、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第32類「果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同12年5月12日に設定登録されている登録第4381450号商標、「健康」の文字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成9年3月17日に登録出願された、商願平9−28365号商標及び別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、第29類「乳製品、食用油脂、カレー・シチュー又はスープのもと」を指定商品として、平成11年2月10日に登録出願された、商願平11−10306号商標(以下、これらを一括して「引用B商標」という。)と類似するものであり、かつ、両商標の指定商品は抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当する。

また、本件商標は「美味健康」の文字よりなるところ、構成中の「美味」の文字は、「うまい味。また、その食物」、「うまい味の食品」を意味する語として、「健康」の文字は、「身体に悪いところがなくすこやかなこと、達者、丈夫、壮健」を意味する語として、それぞれよく知られた語であるから、「美味健康」の語は、「うまい味のする健康によい商品」、「おいしくて健康によいもの」、「うまい味のする健康を維持するのに適した商品」であることを認識させるものである。

してみれば、本件商標をその指定商品中例えば、「うまい味のする(おいしくて)健康に良い(適した)商品」について使用するときは、単に商品の品質・効能・用途等を表示するにすぎないものとみるのが相当であり、上記以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

4.当審の判断

(1)登録異議の申立ての理由1について

本件商標は、「美味健康」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「ビミケンコウ」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用A商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなるところ、構成中の「健康美味」の文字部分よりは、その構成文字に相応して「ケンコウビミ」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標より生ずる「ビミケンコウ」の称呼と引用商標中の「健康美味」の文字部分より生ずる「ケンコウビミ」の称呼とを比較すると、両商標はその音構成の明瞭な差異を有し、また、その称呼が冗長でないことにより、称呼上十分に聴別し得るものである。

また、「広辞苑 第二版(岩波書店発行)」、「国語大辞典(新装版 小学館発行)」、「岩波国語辞典 第三版(岩波書店発行)」等の各種辞典をみても、「美味健康」及び「健康美味」の文字(語)が、特定の観念を生ずる一連の成語、熟語として掲載されている事実を発見し得ないものであるから、両商標は観念上比較し得ないものであり、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。

そして他に、両商標を類似するとみるべき理由はないものであるから、本件商標と引用A商標とは、その外観、称呼、観念のいずれからしても類似しない商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)登録異議の申立ての理由2について

申立人は「本件商標中の『美味』の文字部分は、『うまい味、また、その食物』を意味する語であり、本件商標の指定商品が本来から有する品質を表示するものとして普通に使用されている語であるから、自他商品識別標識としての機能を果たさないものである。」旨主張している。

しかしながら、本件商標は、「美味健康」の文字よりなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体的に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものである。そして、たとえ、構成中の「美味」の文字が「うまい味、また、その食物」を意味する語であるとしても、かかる構成においては商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ビミケンコウ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標より「ケンコウ」(健康)の称呼・観念をも生ずるとし、そのうえで引用B商標との称呼、観念とを対比して、両商標の類否を論ずる申立人の主張は採用し得ない。

そして他に、両商標を類似するとみるべき理由はないものであるから、本件商標と引用B商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似しない商標といわなければならない。

また、申立人は「本件商標を構成する『美味健康』の語は、『うまい味のする健康によい商品』、『おいしくて健康によいもの』、『うまい味のする健康を維持するのに適した商品』であることを認識させるものである。」旨主張し、その事実を証する書面として甲第4号証を提出しているが、該証拠における使用例は数量的にみても決して多いとはいえないものであり、この程度の使用例をもって、「美味健康」の文字が、本件商標の指定商品の品質、効能、用途を表示する語として普通に使用されているとはいい得ないものと判断するのが相当である。

加えて、上記(1)で述べたとおり各種辞典をみても、「美味健康」の文字(語)が特定の観念を有する成語、熟語として掲載されている事実も認められない。

してみれば、本件商標はその指定商品のいずれの商品についても、その品質、効能、用途を普通に用いられる方法で表示する標章として取引者、需要者の間に認識されるとはいえず、また、本件商標がその指定商品について使用された場合、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項、同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。

(3)してみれば、本件商標は、登録異議の申立ての理由1及び2に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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