結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35563号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3331476号商標(以下「本件商標」という。)は、「エルセーヌ」の片仮名文字と「ELLESEINE」の欧文字を上下二段に横書きにしてなり、第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,ゴム引防水布,ビニルクロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,ふきん,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,カーテン,テーブル掛け,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として平成5年6月28日に出願され、同9年7月11日に設定の登録がなされたものである。
(1)登録第2128684号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ELLE」の欧文字と「エル」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第16類「織物、編物、フェルト、その他の布地」を指定商品として、昭和62年2月20日に登録出願され、平成1年4月28日に設定の登録がなされたものであり、
(2)登録第2131069号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ELLE」の欧文字と「エル」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和57年5月17日に登録出願され、平成1年4月28日に設定の登録がなされたものであり、
(3)登録第2721880号商標(以下「引用C商標」という。)は、「ELLE」の欧文字と「エル」、の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器及び手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和63年7月15日に登録出願され、平成9年5月30日に設定の登録がなされたものであり、
(4)登録第2021702号商標(以下「引用D商標」という。)は、「ELLE」の欧文字を横書きしてなり、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画及び彫刻を除く)屋外装置品(他の類に属するものを除く)記念カップ類、葬祭用具」を指定商品として、昭和59年9月18日に登録出願され、同63年2月22日に設定の登録がなされたものであり、
(5)登録第2059852号商標(以下「引用E商標」という。)は、「ELLE」の欧文字を横書きしてなり、第24類「おもちゃ、人形(マネキン人形、洋服飾り型類を除く)楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード」を指定商品として、昭和59年11月2日に登録出願され、同63年7月22日に設定の登録がなされたものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第6号証を提出した。
(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項により、無効にすべきものである。
本件商標は、「エルセーヌ」の片仮名文字と「ELLESEINE」の欧文字を上下二段に書して成るものであるが、「ELLE」の文字を目にすると、これがフランス語であることは我が国国民も良く知るところであり、看者は容易にフランスを想起し、これから、後半の文字「SEINE」を目にすると、パリを流れるセーヌ川を連想することになる。セーヌ川は、パリの中央を流れる著名な地名であるから、これを商品に使用してもその出所表示の機能は認められないものであるから、本件商標の要部は、「ELLE」及びこれに付された片仮名「エル」であると認められる。
引用A〜E商標は、いずれもこれらから「エル」の称呼が生ずると考えられるものである。
よって、本件商標は、引用A〜E商標とその称呼を同じくし、その指定商品も重複するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、証拠方法として乙第1号証を提出した。
本件商標は、前半の「エル」、「ELLE」の文字と後半の「セーヌ」、「SEINE」の文字は外観上まとまりよく一体的に構成され、特に軽重の差を見出すことができないものである。また、この片仮名文字部分より生ずる「エルセーヌ」の称呼も格別冗長とはいえないものであるので、淀みなく一連に称呼されるものである。請求人は本件商標の後半部分「セーヌ」、「SEINE」はパリのセーヌ川を想起させるものであるので、出所表示機能がなく、その要部は前半部の「エル」、「ELLE」であるとしている。しかしながら、我が国においてパリのセーヌ川は一般に良く知られている事実は認めるが、本件商標に接する需要者、取引者が、本件商標の「セーヌ」、「SEINE」の文字部分のみを抽出して地名を表示するものとして認識するとは到底考えられない。してみると、本件商標は「エルセーヌ」、「ELLESEINE」と一連でのみ看取され、「エルセーヌ」の称呼のみを生ずる特別に意味のない造語であるとするのが自然である。
引用A〜E商標は、その構成及び欧文字「ELLE」が仏語で「彼女」等を意味する言葉として我が国でも良く知られている言葉であることから、「エル」の称呼、「彼女」の観念を生ずるものである。
本件商標と引用A〜E商標を称呼において比較するに、本件商標から生ずる「エルセーヌ」なる称呼と、引用A〜E商標から生ずる「エル」なる称呼は、「セーヌ」の有無により明らかに相違するものであるから、両者は称呼において非類似の商標である。
観念についてみると、本件商標が特別の意味のない造語であるのに対して、引用A〜E商標は、「彼女」の観念を生ずるので非類似であることは明白である。
外観においては両者は比較すべくもなく非類似である。
してみれば、本件商標と引用A〜E商標は、称呼、観念、外観のいずれにおいても類似するものではなく、両者は明らかに非類似の商標である。
本件商標と引用A〜E商標との類否について判断するに、本件商標は、前記構成よりなるところ、前半の「エル」「ELLE」の文字と後半の「セーヌ」「SEINE」の文字は外観上まとまりよく一体的に構成され、特に軽重の差を見出すことができないものであり、かつ、本件商標より生ずると認められる「エルセーヌ」の称呼も格別冗長のものでなくよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、我が国においてパリのセーヌ川が知られているとしても、かかる構成においては、本件商標に接する需要者、取引者が、請求人の主張するように本件商標の「セーヌ」、「SEINE」の文字部分が地名を表示するものと認識するものでもない。
また、本件商標は、その構成中の「エル」「ELLE」の文字部分が独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せないものである。
そうとすれば、本件商標は、全体が不可分一体のものと判断するのが相当であり、その構成文字に相応して「エルセーヌ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
他方、引用A〜E商標は、前記構成よりなるものであるから、いずれも「エル」の称呼を生ずるものである。
してみれば、「エルセーヌ」の称呼を生ずる本件商標と、「エル」の称呼を生ずる引用A〜E商標は、称呼上明らかに相違するものであるから、称呼において互いに相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用A〜E商標は、それぞれの構成よりみて外観、観念においても互いに相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用A〜E商標は、称呼、外観、観念のいずれの点よりみても類似するものではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、本件商標の登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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