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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「NATUREの要部抽出と称呼類似」の商標審決・判断理由(審判番号:無効2000−35540(T2000−35540/J3)|登録無効)

審判番号
無効2000−35540(T2000−35540/J3)
審判種別
無効

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「ネイチュアー」
争点(論点)
NATUREの要部抽出と称呼類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第25類
最終結論
登録無効(勝訴(請求認容))

この審決(審判無効2000−35540(T2000−35540/J3)・無効)は、本件商標と引用商標「ネイチュアー」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「NATUREの要部抽出と称呼類似」です。指定商品・役務は第25類に属します。特許庁は「登録第4141351号の指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く),スリッパ,サンダルげた及びこれらに類似する商品」についての登録を無効…」と判断しました(登録無効)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4141351号の指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く),スリッパ,サンダルげた及びこれらに類似する商品」についての登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4141351号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、1996年9月13日オランダ王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成8年11月22日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同10年5月1日に設定登録されたものである。

2.請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3337402号商標(以下、「引用商標」という。)は、「ネイチュアー」の文字を横書きしてなり、第25類「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),スリッパ,サンダルげた」を指定商品として、平成6年12月1日に登録出願、同9年8月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至同第19号証を提出した。

(1)本件商標は、引用商標と同一又は類似の商標であって、指定商品も同一又は類似の商品を指定商品とするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、その構成に係る文字から「NATURE COMFORT」の一連の称呼を生ずるほか、上段の「NATURE」の文字は下段の「COMFORT」の文字に比べ顕著に大きく、且つ、太い文字で表してなるものであるから、「NATURE」の文字に着目して「NATURE」の称呼をも生ずるとするのが相当である。

このことは、被請求人が請求人の所有する登録第4296032号商標(甲第3号証)に対して本件商標を証拠として行った平成11年11月15日付の商標登録異議申立書(甲第4号証)において、本件商標は「NATURE」の文字部分より「ネイチャー」の称呼を生じるとしていることで明らかである。

加えて、上記商標登録異議申立書に基づいて特許庁から発出された取消理由通知書(甲第5号証)においても、本件商標は「NATURE」の文字に着目して「ネイチャー」の称呼を生ずるとみるのが相当であるとされている。

その欧文字「NATURE」が日本語として称呼されるに際しては、「NATURE」の文字が一般に極めて親しまれた文字であるため、「ネイチャー」、「ネイチュア」及び「ネイチュアー」等と自然に称呼されることは日本人の英語の発音度からしても社会通念上相当と思料されるものである。

欧文字「NATURE」からは、「ネイチャー」の称呼のほかに、「ネイチュア」及び「ネイチュアー」の称呼を生ずることは商標登録第4100525号以下14件の既登録商標中それぞれの「NATURE」の文字部分から「ネイチュア」及び「ネイチユアー」の称呼が付与されている称呼起しの具体例(甲第6号証)によって、明らかなところである。

そうとすれば、「NATURE」商標と「ネイチュアー」商標とは、称

呼上同一又は類似の商標である。

なお、「NATURE」と「ネイチュアー」の両商標が同一又は類似の商標であることは、引用商標「ネイチュアー」が、登録出願時において、登録第962645号商標「NATURE」(商公昭46−43029)と同一又は類似の商標とされて拒絶理由通知書を受け、抵触する商品を削減したことにより登録された事例によっても明白なところである(甲第7号証)。

更に、欧文字の「NATURE」が日本語として「ネイチャー」、「ネイチュア」及び「ネイチュアー」と発音される場合、それに接する取引者、需要者は、親しまれた語意、即ち、「自然」等を観念することと相俟って、本件商標と引用商標は、称呼のみならず観念上においても類似する商標である。

次に、本件商標の指定商品である第25類「履物」と引用商標の指定商品である第25類「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),スリッパ,サンダルげた」とは、「履物」と「靴類,スリッパ,サンダルげた」であるから、共に人が履く物として用途を共通にする同一又は類似の商品である。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼及び観念において同一又は類似の商標であり、両者の指定商品も同一又は類似の商品を指定商品とするものである。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),スリッパ,サンダルげた及びこれらに類似する商品」についてその登録を無効とすべきである。

4.被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

5.当審の判断

本件商標は、別掲に示すとおり、中央に足跡と思しき図形を描いた特異な図形を上段に描き、その下部に「NATURE」の文字を大きく、「COMFORT」の文字を小さく二段に併記した構成よりなるところ、「NATURE」と「COMFORT」の各文字はこれを常に一体のものとして把握し称呼・観念しなければならないとする格別の事情を発見し得ないものである。

そうとすれば、これに接する取引者・需要者は、構成中の「NATURE」の文字部分が大きく目立つ態様で書されていることから、「NATURE」の文字部分に注目し、これより生ずると認められる「ネイチャー」の称呼をもって取引に資する場合が少なからずあるものというべきである。

他方、引用商標は「ネイチュアー」の文字よりなるものであるから、これより「ネイチュアー」の称呼を生ずること明らかである。

そこで、本件商標より生ずると認められる「ネイチャー」の称呼と引用商標より生ずる「ネイチュアー」の称呼とを比較するに、両者は称呼の聴別上最も重要な語頭音を含む前半の2音「ネイ」を共通にするものである。

そして、両者の差異は後半部における「チャー」と「チュアー」の音にあるところ、「チャ」と「チュ」の音は同行に属する近似音であり、さらに、「チャ」に帯有する母音は「チュ」に続く音と同じ「ア(a)」であって、さらに共に長音を伴うところから、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が近似したものとなり、彼此相紛れるおそれがあるとするのが相当である。

してみれば、本件商標は、称呼において引用商標に類似する商標と判断されるものである。

さらに、引用商標の指定商品は本件商標の指定商品中に包含されるものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),スリッパ,サンダルげた及びこれらに類似する商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、「結論掲記の指定商品」についての登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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