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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第14803号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1943729号商標(以下、「本件商標」という。)は、「オーボンパン」の片仮名と「AU BON PAIN」の欧文字とを上下2段に書してなり、昭和59年11月27日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、同62年3月27日に設定登録がなされ、その後、平成9年10月24日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(枝番号を含む。)を提出している。

請求人は、第30類「コーヒー豆・サンドイッチ」を指定商品とする商願平7−24801号商標「AU BON PAIN」の商標登録出願人であるが、本件商標を引用されて拒絶理由通知を受けたので、本件審判請求に及んだものである。

請求人の調査によれば、本件商標がその指定商品に使用されている事実はなかったので、当該商品について本件登録を商標法第50条の規定により取消しを請求するものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第16号証(枝番号を含む。)を提出している。

理由

(イ) 乙第1号証の1ないし15

これは、通常使用権者である東京都豊島区高田3丁目29番7号所在のエービーピージャパン株式会社(以下「エービーピー社」という。)により作成された売上明細書の写しである。これには、商品を販売した時期、販売された商品の内容、及び売上金額等の実績が記載されている。

(ロ) 乙第2号証

これは、通常使用権者エービーピー社の履歴事項全部の証明書であり、通常使用権者の存在を明らかにするものである。

(ハ) 乙第3号証の1ないし3

これは、被請求人名義の飲食店営業に係る営業許可書の写しである。同号証の1は、平成4年9月21日付許可に係る営業許可書であり、同号証の2及び3は、平成8年10月1日付許可に係る営業許可書である。

(ニ) 乙第4号証の1ないし3

これは、被請求人が飲食店の開店に当たり、広告・宣伝及び店内頒布のために作成したパンフレットの写真及び写しである。

なお、本パンフレットの作成年月日は、平成4年8月20日で、作成者は、東京都千代田区飯田橋1−6−9所在の有限会社遠藤印刷である。

(ホ) 乙第5号証

これは、本件商標が使用された商品「サンドイッチ」の写真で、上段の写真は、「クロワッサンサンド」であり、下段の写真は、「ターキーサンド」及び「ハムサンド」のサンプルを写真に撮影したものである。

(ヘ) 乙第6号証ないし同第10号証

これらは、いずれも商品「サンドイッチ、サラダ、スープ」等の包装用容器・袋等の構成態様を表した写真である。

乙第6号証の1及び2は、サンドイッチ等のテイクアウト用のパッケージの写真及びそのパッケージを折り畳んだ状態を縮小して複写したものである。

乙第7号証は、サンドイッチ等の店内飲食用或いはテイクアウト用の紙製の皿である。ちなみに、乙第5号証の上段の写真の「クロワッサンサンド」は、本号証の紙製皿の上に置かれたものである。

乙第8号証は、サンドイッチ等の包装用袋の写真であり、白色の袋と半透明の袋2種で、各々大・中・小の3種類の大きさがある。

乙第9号証は、サンドイッチやサラダ等の包装用手提げ袋の写真で、乙第6号証のパッケージや、乙第7号証の紙製皿に載せたサンドイッチ等をラッピングしたものや、乙第8号証の包装用袋をまとめて入れたりするものである。

乙第10号証は、ジュース・コーヒー等のドリンク類のテイクアウト用のコップ、スープのテイクアウト用のカップ、及びサラダのテイクアウト用の容器の写真である。各々、写真左下にある大・中・小の3種類の大きさの縦長のコップがドリンク用で、写真右下にあるカップがスープ用で、写真上に配置されている透明のボウル状のプラスチック容器がサラダ用である。

なお、以上の写真は、被請求人の代理人が、平成8年12月3日に撮影したものである。

(ト) 乙第11号証

これは、通常使用権者エービーピー社の倉庫において、平成8年11月11日に被請求人の代理人が撮影したサンドイッチの材料である冷凍パンの写真である。各々、上段は、サンドイッチ用バゲット、中段は、サンドイッチ用シリアル入りパン、下段はサンドイッチ用クロワッサンを示すものである。

以上、説明した証拠方法に基づき、本件商標の使用の事実を説明する。

(チ) 使用時期について

本件審判請求の登録は、本年9月20日である。したがって、本件商標が取消を免れるために、使用されるべき時期は、平成5年9月20日以降、同8年9月19日までということになる。

乙第1号証の1ないし15の売上明細には、指定商品中「サンドイッチ」を含むセットメニューの売上が記載されているが、それによると、乙第1号証の1は、平成6年8月分が記載されており、以下、乙第1号証の2及び3が同9月分、乙第1号証の4ないし6が同10月分、乙第1号証の7及び8が同11月分、乙第1号証の9ないし11が同12月分、乙第1号証の12が平成7年1月分、乙第1号証の13が同2月分、乙第1号証の15が、各月のまとめを記載したものとなっている。本件商標の移転登録が完了した翌月(平成6年8月)から、商品「サンドイッチ」の販売を開始したものであり、その販売が、平成7年2月まで現に行われていたことは明らかである。

したがって、本件商標の使用期間は、少なくとも平成6年8月から同7年2月までであり、これは、本件審判請求の登録日である平成8年9月20日前3年以内に明らかに該当しているものである。

(リ) 使用地域について

被請求人は、乙第3号証の1にあるとおり、飲食店営業を東京都豊島区高田三丁目29番7号で行っていたものであり、当初乙第4号証にあるようなパンフレットを広告宣伝及び店内頒布のために作成使用したものであるが、平成6年7月25日に本件商標を取得するに至り、当該指定商品に本件商標を使用することにつき、乙第2号証にあるとおり同所にて設立されていたエービーピー社に、通常使用権を与えたものである。そして、通常使用権者エービーピー社は、同所にて飲食店の設備を利用し、専らサンドイッチ、サラダ、スープ、ドリンク類の販売を行ったものであり、国内で本件商標が使用されたことは明らかである。なお、被請求人は、乙第3号証の2及び3にあるとおり、平成8年10月1日に継続して飲食店営業の営業許可書を取得し、又、新たに菓子製造業に関しても営業許可書を取得していることを付言しておく。

(ヌ) 使用者について

被請求人は、前述のとおり、東京都豊島区高田3丁目29番7号所在のエービーピー社(乙第2号証参照)を通常使用権者として、本件商標を本件指定商品中「サンドイッチ、サラダ、スープ」等について、使用させたものであり、乙第1号証の売上明細は、この通常使用権者により、作成されたものである。したがって、本件商標が、商標権者である被請求人の許諾を受けた通常使用権者により行われたことも明らかである。

(ル) 使用に係る指定商品について

使用に係る商品については、乙第1号証の売上明細に、その種別が記載されている。乙第1号証の1では、「セットメニュー」の記載しかないが、乙第1号証の2の平成6年9月の記載では、各売上項目の部分に括弧書きで、個別の商品の種別が記載されており、例えば「チキンタラゴンサラダサンド」「ターキー&ハムサンド」「ターキーサンド」等の記載がなされており、以下、乙1号証の11まで、同様に個別の商品の種別が記載されている。なお、「ターキーサンド」や「ハムサンド」は、主に乙第5号証の下段写真に表されたサンドイッチであるが、乙第5号証の上段に表された「クロワッサン」に挟んだものもある。

又、乙第1号証の7から乙第1号証の8等にかけて、単に「サンドイッチ」の種別が記載されているが、これは乙第5号証の上段写真に表された「クロワッサンサンド」のことである。

なお、これらは、被請求人が当初レストランのメニューとして掲げた乙第4号証の3掲載の「クロワッサンサンド(イッチ)」「フランスパンサンド(イッチ)」を更に展開したものである。

これにより、本件商標が使用された商品は、「チキンタラゴンサラダサンドイッチ」「ターキー&ハムサンドイッチ」「ターキーサンドイッチ」「クロワッサンサンドイッチ」等の「サンドイッチ」であることが明らかであり、これらの「サンドイッチ」類は、本件商標の指定商品中「加工食料品」に含まれる「サンドイッチ」に該当することは明らかである。

したがって、本件商標が、本件指定商品中「サンドイッチ」に使用されていたことも明らかである。

なお、本件商標の使用は、平成6年8月から平成7年2月にかけてであるが、通常使用権者であるエービーピー社は、いつでも本件商品「サンドイッチ」の販売ができるように、サンドイッチの原材料となる冷凍パンを保存・保管しているものであり、その写真を乙第11号証として提出する。

(ヲ) 使用に係る登録商標について

乙第6号証ないし乙第10号証から明らかなように、通常使用権者エービーピー社が、商品「サンドイッチ」等を販売するに当たっては、いずれも「au bon pain」の英字を表した商標が記載された包装用容器及び包装用袋を用いている。

乙第6号証の1及び2は、サンドイッチ等のテイクアウト用のパッケージの写真及びそのパッケージを折り畳んだ状態を縮小して複写したものであるが、その記載から明確に英字「au bon pain」が読み取れるものである。

同様に乙第7号証のサンドイッチのテイクアウト用の紙製の皿、乙第8号証のサンドイッチ等の包装用袋2種(各大・中・小の3種類)、乙第9号証のサンドイッチやサラダ等の包装用手提げ袋、乙第10号証のドリンク類のテイクアウト用のコップ、スープのテイクアウト用のカップには、「au bon pain」の英字が記載されている。

なお、乙第4号証にも同様の英字の記載がなされており、そこには同時に片仮名「オーボンパン」の記載もなされているものである。したがって、本件指定商品「サンドイッチ」に、本件商標が使用されていたことも明らかである。

(ワ) 以上、説明したように、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に当たる平成6年8月から平成7年2月まで、日本国内である東京都豊島区高田3丁目29番7号において、通常使用権者であるエービーピー社により、当該請求に係る指定商品中「サンドイッチ」について使用されていたものであることは明らかである。したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により、当該請求に係る指定商品について使用されたものであり、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。

4 当審の判断

(1) 通常使用権者が、本件商標を商品「サンドイッチ」使用しているとして提出している乙第1号証ないし乙第16号証(枝番号を含む。)を検討するに、

(1)通常使用権者について

履歴事項全部証明書(乙第2号証)には、平成7年4月18日当時のエービーピー社の本店所在地として東京都豊島区高田3丁目29番7号、会社の目的としてフランチャイズシステムによる飲食店の経営等との記載があり、東京都豊島区池袋保健所長の請求人に対する営業許可書(乙第3号証の1)には、請求人が、平成4年9月21日〜平成8年9月30日の間、東京都豊島区高田3丁目29番7号永田ビル1階所在の店舗(以下「販売店舗」という。)において、「オーボンパン」の名称で飲食店の営業を行うことについて、上記保健所長から営業許可を受けたとの記載がある。これらの証拠によれば、エービーピー社は、請求人と何らかの営業上の関係を有し、上記の場所において「オーボンパン」の名称で販売店舗の営業を行うことについて請求人から権限を与えられ、この権限に基づいて販売店舗の営業を行っていたと認められる。

そして、本件商標に係る指定商品の品目に照らすと、エービーピー社は、飲食店の名称と同一の標章から成る本件商標につきその指定商品に使用をすることについても、商標権者である請求人から通常使用権の許諾を受けていたと解するのが合理的である。これに加え、平成6年7月中に原告がエービーピー社に対し指定商品について本件商標権の通常使用権の許諾を与えたことを内容とする確認書(乙12号証)の記載を総合すれば、請求人は、エービーピー社に対し上記通常使用権の許諾をしていたものとみるのが相当である。

(2)本件商標の使用について

平成6年8月から平成7年2月までの間における販売店舗の売上明細の写し(乙第1号証の1〜13)には、セットメニューの売上のあったことが記載されているほか、セットメニューの内容として「チキンタラゴンサラダサンド」、「ターキーサンド」及び「ハムサンド」の記載があり、販売店舗のメニュー(乙第4号証の3)には、セットメニューとして「クロワッサンサンド・セット」及び「フランスパンサンド・セット」が記載されている。また、販売店舗において使用されていた包装容器(乙第6号証の1〜2、平成8年12月3日撮影)、包装用袋(乙第8号証、同日撮影)及び包装用手提げ袋(乙第9号証の5)には本件商標が付されているが、これらは、販売店舗内において供されていたのと同様の食品を顧客が持ち帰り用として購入する際に用いられていたものと認められる。これら証拠に加え、サンドイッチが持ち帰り用食品として典型的なものであること、平成6年8月から平成8年までの間、販売店舗においてサンドイッチを購入し、上記包装容器等と同一のものに包装されたサンドイッチを持ち帰り、又は、その配達を受けたとする、当時の販売店舗の複数の顧客が作成した陳述書(乙第14〜15号証)を総合すると、本件商標権の通常使用権者であるエービーピー社が、平成6年8月から平成8年までの間、販売店舗において、本件商標に係る指定商品である加工食品に属するサンドイッチの包装等に本件商標を付してその使用をしていた事実が認められる。

したがって、本件商標は、予告登録日前3年以内に日本国内において通常使用権者によって、その指定商品中の「サンドイッチ」についての使用されていたもの言わなければならない。

してみると、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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