Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第18080号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
本願商標は、「デジタルパチスロシステム」の文字(標準文字)を書してなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,遊園地用機械器具,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,電気計算機,パンチカードシステム機械,家庭用テレビゲームおもちゃ,スロットマシン」及び第28類「遊戯用器具,おもちゃ」を指定商品として、平成10年9月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『デジタルパチスロシステム』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、構成中『パチスロ』の文字部分は、指定商品の品質『パチンコ店のスロットルマシン、パチンコ系スロットルマシン、遊戯用のパチンコ店系スロットル機器』等を直観させ、取引者、需要者が容易に本件商標に係る指定商品の品質表示と直観させる部分であり、また、構成中『デジタル・・・システム』の文字部分は、『ディジタル信号を記録した信号処理システム、デコーダ等のデジタル信号の記憶回路システム、ディジタル(信号の)略語の辞書システム、遊戯用機器のデコーダの排他システム』など、取引者、需要者が容易に本件商標に係る指定商品の品質表示(プログラム制御手段としてのディジタルシステム)と直観する部分である。したがって、このようなものを上記文字に照応する商品(ディジタル信号処理によるパチスロ制御用のシステムに関係する遊園地用機械器具、スロットマシン、遊戯用器具、電子応用機械器具等の商品)に使用しても、単に商品の品質、用途を表すものとして直観し認識されるに止まるものと認められ、なんら自他商品を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認める。よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「デジタルパチスロシステム」の文字よりなるところ、その全体が12文字で構成され、一つの単語として捉えるには冗長であるばかりでなく、それを構成する各文字は、「デジタル」の文字が「数量を、1、2、3と数値を用いて表示する方式」を意味し、例えば、「デジタル‐オーディオ」、「デジタル‐カメラ」、「デジタル‐ファクシミリ」の用例の如く、デジタル信号によって作動、機能する機器を表示するのに用いられる語として、「パチスロ」の文字が「パチンコ式スロットマシーン」を意味する語として、また、「システム」の文字が「仕組み、機械などの全体の構成、電算機のハードウエア、ソフトウエアを含めた全体の構成」を意味する語として個々に親しまれたものであることから、看者はこれを当該三つの語からなるものと容易に認識し得るものである。
ところで、パチスロ関係の業界においては、パチンコと同様に、パチスロ機もコンピュータ化、デジタル化が進み、パチンコホールでもそのパチスロ機が人気を博し、さらに、家庭用のテレビゲームや所謂ゲームセンター等のゲーム機などにも、これを模したゲームが盛んに導入されている実情がある。このことは、各種新聞記事やインターネットホームページをみても十分に裏付けられるところであり、例えば、新聞記事をみると、2001年10月5日の日刊工業新聞(31頁)には、「サミー、パチスロ36万台が不具合」の見出しの下に「パチスロ大手のサミーは、回胴式遊技機(パチスロ)の約36万台でスタートレバーに不具合が発見されたため、4日から対象機種へのIC中継基板の挿入作業といった対策に乗り出す。」及び「事態を重く見た同社は警察庁に連絡するとともに開発部門が解析。その結果、原因はスタートの合図をデジタルで受けた後、光センサーへはアナログで送る設計のために発生したケアレスミスと判明。対策としては光センサーに中継基板を取り付け、合図の送信もデジタル系に変更することで異常を防げることが分かった。」と、1999年2月10日の日本工業新聞(7頁)には、「平和 オリンピアとの提携事業 パチスロ第1弾を投入」の見出しの下に「新製品は、ホールでの利用が容易なスタンダード型の『Aタイプ』と呼ばれる機種。リールのある前面パネルを取り巻くように設置したアーチ状のランプや大型のデジタルメーターのほか、リール下にも小さなデジタルメーターを配置し、リールやデジタル技術を駆使した多彩な演出と高いゲーム性が特徴。」と、1999年2月5日の日本工業新聞(18頁)には、「ハイテク総合レジャー企業へ、高砂電器産業:(6) スロットルマシンへ進出」の見出しの下に「同社は七一年(昭和四十六年)に、デジタル電子応用のゲームマシンを開発し、ゲームマシンの基礎知識を備えていた。その依頼を受けた濱野社長は、スロットルマシンの制御部に、アメリカの半導体メーカー、フェアチャイルド社のマイクロプロセッサー(F8)を採用して、七七年(昭和五十二年)六月、現在のパチスロ遊技機の原型となった、世界初のマイコン応用大型スロットルマシンを開発したのだった。」と、1999年1月7日の日本工業新聞(18頁)には、「元気印の店頭企業:(11)アルゼ・岡田和生社長(上)パチスロ機で最大手」の見出しの下に「そのころ、岡田はアミューズメントで培った技術を背景にパチスロという新しい分野に注目した。『これからはデジタル化によって、よりコンピューター的発想が必要であることを感じ、積極的にチャレンジしようと決めたのです』(岡田)。」と記載されており、また、インターネットのホームページをみると、【http://shope.goo.ne.jp/se/servlet/result?txid=1451】のホームページには、商品名を「ヤマサDIGIワールドテトラマスター」、価格を「¥6,599円」として、その説明に「【5月24日発売】山佐が贈るデジタルパチスロワールド。4リールの元祖、テトラシリーズを完全収録。」と、【http://www.synapse.ne.jp/ ̄kawabata/sofuto/gau.html】のホームページには、「デジタルパチスロ『Gau2Kids』V1」とあり、その下に「デジタルパチスロ第三弾! 本格的デジタルパチスロとして制作しました。ルールは、CR機とパチスロの中間になっています。フリーソフトです。」と記載されている。
そうすると、本願商標は、このようなデジタル化が進むパチスロ業界の実情をも踏まえれば、全体としては「デジタル信号によって作動、機能するパチスロのシステム」程度の意味合いを容易に理解し得るといえるものであり、しかも、その指定商品中には、例えば、「スロットマシン」「遊戯用器具」、パチスロのゲームを採り入れた「遊園地用機械器具」や「家庭用テレビゲームおもちゃ」、さらには、パチスロ用のプログラムを記憶させたROM(ロム)等の「電子応用機械器具」など、パチスロに関係する商品を多々含んでいることから、これを、その指定商品中、これらパチスロに関係する商品に使用するときは、取引者、需要者をして、その商品の品質、用途を表示したものと認識するにとどまり、これをもって自他商品の識別標識としては認識しないとみるのが相当であり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認める。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。