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Trademark Appeal Case

統合医療の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−3047(T2000−3047/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「統合医療」の文字(標準文字)を書してなり、第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,老人の養護」を指定役務として、平成10年10月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、指定役務との関連から全体として、例えば『肉体的な治療と精神的(心理的)な治療を組み合わせた医療を行うこと』或いは『近代(西洋)医学の治療法に、自然療法やヨガなど東洋の伝承医療等を取り入れ、一つに統べ合わせた医療を行うこと』といった意味合いを看取させる『統合医療』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定役務中、上記意味合いに照応する役務に使用するときは、需要者をして、単にその役務の質(内容等)を表示したものと認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「二つ以上のものを一つに統べあわせること」を意味する「統合」の文字と「医術で病気を治すこと、治療」を意味する「医療」の文字を結合させて「統合医療」と書してなるところ、近年、医療関係の業界においては、西洋医学中心の医学に、はり・きゅう、漢方、生薬、指圧などの東洋医学、さらには、伝統療法や民間療法などを組み入れ、一つにする動きが活発となっており、このような医療を「統合医療」と称している実情がある。このことは、各種新聞記事等(「G−Searchデータベースサービス(株式会社ジー・サーチ)」による。)をみると、例えば、2001年11月23日の中日新聞(朝刊 22頁 なごや東版)には、「患者の自然治癒力引き出すコツ伝授 尾張旭の医師 樋田さんが出版 病気体験もとに“30のヒント”」の見出しの下に「医学の世界では近年、東西の医療を融合した『統合医療』と呼ぶ新たな潮流が生まれている。樋田さんは二年前に発足した中部地方をエリアとする『統合医療利用者ネットワーク』の副代表も務めている。」と、2001年11月11日の琉球新報(朝刊 20頁 読書)には、「沖縄関係の本/『長寿県からの統合医療宣言』/門馬康二著」の見出しの下に「本書のタイトルにある『統合医療』とは『現代西洋医学を補完し、またはそれに替わりうる医学および医療法の総称のこと』とある。身体の健康と精神のかかわりを研究したかったようだが、西洋医学だけでは限界を感じていたらしい。沖縄に来て研究できるようになったと記す。沖縄の人はなぜ長寿なのかを食や生活スタイルなどから探るとともに、統合医療の実践と効果などを紹介。」と、2001年10月21日の琉球新報(朝刊 6頁 経済)には、「基調講演/統合医療を沖縄で/内田盛也(元帝人常務理事)」の見出しの下に「米国では、西洋医学に東洋医学を取り入れる統合医療に注目が集まり、多くの大学がコースを持つが、日本にはない。〜国際的な認知の高まる統合医療の治療センターを沖縄につくってほしい。国際機関をつくることは平和にもつながる。」と、2001年2月11日の北海道新聞(朝刊 全道 12頁)には、「<書評>失われた物語を求めて*レイチェル・ナオミ・リーメン著*癒し癒され生きる知恵*評・東嶋和子(ジャーナリスト)」の見出しの下に「米国で近代西洋医学と全人的医療、代替医療との統合が大きな流れになったのは、その十五年後のこと。『自然治癒力』を提唱したアンドルー・ワイル博士が『タイム』の『最も影響力をもつ二十五人のアメリカ人』に選ばれ、国としても検証して有効なものは取り入れようと政策を転換した。日本では昨年末、統合医療学会が発足した。」と、2000年9月21日の中日新聞(朝刊 9頁 中部政治面)には、「東西医学を融合 自然治癒力を重視 広がる『統合医療』 利用者ネット 名古屋で活動 『現代医療の欠点補う』」の見出しの下に「東西医学の『統合医療』。まだ聞き慣れないこの言葉が、医療関係者から注目され始めている。医療ミスなど現代医療への信頼が揺らぐ中、西洋医療と、東洋医療など幅広い医療を一つにする新しい医療観に関心が高まる。中部地方で昨年、『統合医療』普及の市民参加型ネットワークが結成され、十月に名古屋市内で一周年のシンポジウムが開かれる。新しい医療の方向を示唆するともいわれる『統合医療』。その広がりや、いち早く理念を実践する医療現場の様子を報告する。(中部圏報道部〜)」と、2000年1月10日の東京新聞(朝刊 6頁 健康面)には、「自然治癒力生かす統合医療 体制確立めざし利用者ネット設立 西洋医学に各種療法組み入れ」の見出しの下に「『統合医療』の動きが活発になってきた。西洋医学中心の医学に、はり・きゅう、漢方、生薬、指圧などの東洋医学、全人的治療のホリスティック医学、音楽療法、芸術療法、伝統療法、民間医療などを組み入れ、自然治癒力を大切にした医療の確立を目指すもので、『統合医療利用者ネットワーク』(代表=渡仲三・名市大名誉教授)も結成されている。」と、1999年12月10日の中日新聞(朝刊 29頁 第二健康面)には、「医学の現場から 統合医療 西洋医学に各種療法組み入れ 自然治癒力を引き出す 体制確立へネット設立」の見出しの下に「西洋医学中心の医学に、はり・きゅう、漢方、生薬、指圧などの東洋医学、全人的治療のホリスティック医学、音楽療法、芸術療法、伝統療法、民間医療などを組み入れ、自然治癒力を大切にした医療の確立を目指す『統合医療』の動きが活発になってきた。名古屋市内で『統合医療利用者ネットワーク』(代表=渡仲三・名市大名誉教授)が結成され、パネルディスカッションも開かれた。」と、1999年10月22日の中日新聞(朝刊 29頁 第二健康面)には、「医学の現場から 東西医学の融合、発展めざす 東洋医学講座 岐大で開設 学生が臨床実習 入院、外来患者に好評」の見出しの下に「福田助教授は『原因が特定できるような疾患は、西洋医学の診断能力と治療法が勝っていることは明らかだが、原因志向型のアプローチでは解決できない疾患も多い。自然治癒力の増強や、生体機能のバランス調節によって病気に対処しようとする東洋医学の方法論は、西洋医学の欠点を補い、西洋医学の不得意な領域をカバーする補完的医療として有用。統合医療の発展に貢献したい』と話している。」と、1999年1月22日の河北新報には、「研究室の窓/水島豊・弘前大医学部教授(49) 複数疾患に対し統合医療」の見出しの下に「『腎臓(じんぞう)や肝臓といった臓器ごとに診るのではなく、人間の体全体を診ることが大切になってくる』。はりや気功にも関心を示し、東洋医療を取り入れた統合医療の実現を目指す。」と、1998年10月11日の中日新聞(朝刊 34頁 県内版)には、「『近代』と『伝統』 医療統合めざす 名古屋でシンポ」の見出しの下に「西洋で発達した近代医学の限界を踏まえ、東洋医学など世界各地の伝統医学との『統合』への道を探ろうというシンポジウムで、約千百人が参加した。『統合医療の未来』をテーマにしたパネルディスカッションでは東京医科大学の藤波襄二名誉教授が『明治以降の日本では、東洋医学が一転、無視され医療でないとされてきた。国民の多くが腰痛などの治療で東洋医学を使っているのに、それを認めないのは異常なことだ』と指摘していた。」と記載されていることからも十分に裏付けられるところである。

そして、本願の指定役務である「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,老人の養護」は、いずれも、患者を治療するための医療行為のひとつか、または、治療行為自体でなくとも医療に密接な関係を有するものであるところ、その中のいずれにも、上述の「統合医療」と称される医療の一環として提供され得る役務が含まれているものと認められる。

そうとすると、本願商標は、その指定役務中、西洋医学に東洋医学等を融合させた医療法又は治療法に関する役務(例えば、該医療法又は治療法に沿った医業、該医療法又は治療法に沿った調剤、該医療法又は治療法に沿ったあん摩・マッサージ及び指圧、該医療法又は治療法に関する医療情報の提供など)に使用するときは、取引者、需要者をして、その役務の質(内容)を表示するものと認識するにとどまり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、恰も、前述の如き「統合医療」の一環として提供される役務であるかの如く、役務の質の誤認を生じるおそれがあるものと認める。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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