Trademark Appeal Case
役務の質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第1898号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「マルチメディアバンク」の文字を横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債権の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,債権の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務」を指定役務として、平成7年8月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定において、『本願商標は、「複合媒体」の意の外来語「マルチメディア」の文字と「銀行」を意味する「バンク」の文字とを一連に「マルチメディアバンク」と普通に用いられる方法で書してなるところ、最近では銀行の業務が、さまざまな情報メディアと組んでおこなわれており、「ホームバンキング、ファームバンキング、テレフォンバンキング」と云われる方法等、マルチメディアを介して行われるようなものも一般的になってきているところから、本願商標をその指定役務について使用しても該役務がマルチメディアを介して取引が行われる銀行であることを表示するものとして認識されるにとまり、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。』と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
本願商標は、「マルチメディアバンク」の文字よりなるところ、前半部の「マルチメディア」の語は、「文字・画像・音声・映像といった情報をデジタル化して、まとめてコンピュータで扱う技術。本来は非常に広い意味を含む技術用語である。」(現代用語の基礎知識 株式会社自由国民社 2001年発行)、「基本的には、音声、画像、データの三つの情報要素を統合して提供できるメディアの総称。」(知恵蔵 朝日新聞社 1998年発行)、「映像・音響・活字など種々の伝達媒体を同時に組み合わせて使う技法。」(最新キーワード17,000語収録 イミダス1988別冊付録 株式会社集英社発行)を意味する語として使用されていることが記載されている。
さらに、後半部の「バンク」の語は、本願商標の指定役務との関係では、「銀行(bank)」を表示したものと需要者、取引者をして容易に認識、理解されることは明らかである。
しかして、昨今の銀行業界においては、業務の効率化や人件費の節減、閉店後も利用できる顧客サービスの向上のために、口座開設、ローン返済、定期預金入金、通帳発行、ローン相談等が行える無人窓口を設置する銀行が急増しているのが実情である。
そうとすれば、本願商標「マルチメディアバンク」の全体の文字よりは、需要者、取引者をして、設置されたコンピュータ端末により、手順に操作すれば、口座開設、ローン返済、定期預金入金、通帳発行、ローン相談等を行える無人化店舗の銀行システム、質(内容)を理解、認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当する、として拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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