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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第6479号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「ジャケット,オーバーコート,セーター,ブラウス,キャミソール,マフラー,ベルト」を指定商品として、平成10年2月9日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定商品については、平成11年1月25日付け手続補正書により「ギャバジン製のジャケット,ギャバジン製のオーバーコート,ギャバジン製のセーター,ギャバジン製のブラウス,ギャバジン製のキャミソール,ギャバジン製のマフラー,ギャバジン製のベルト」に補正されたものである。

なお、「本願は、平成8年商標登録願第55690号の分割として出願されたが、その指定商品は上記原商標登録出願の指定商品から削除されていないので、この出願は商標法第10条第1項の規定による商標登録出願とは認められず、通常の商標登録出願として処理した。」旨、平成10年12月4日付けで出願人に対し通知しているものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において、「本願商標は、その構成中の『Gabardine』の文字部分は『ギャバジン製(綾織りのもの)』の商品であることを認識させるものであり、また『K.T』の欧文字部分は商品の品番、型式等を表示するための記号、符号として取引上類型的に使用されているものであるから、これを本願指定商品中『ギャバジン製』の商品に使用するときは、商品の品質を表示するものにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「Gabardine K.T」の文字を書してなるところ、その構成中の「Gabardine」の文字は、「ギャバジン(Gaberdine):あや織り地の一種」の意味を有する英語であり、「ギャバジン(Gabardine,gaberdine)」の用語は、例えば、広辞苑(第5版、株式会社岩波書店、1998年11月11日発行)において「経(たて)に梳毛(そもう)糸、緯(よこ)に梳毛糸または綿糸を用い、うねの高い綾織りとした織物。主として服地、また防水してレーン・コート地に用いる。ガバージン。ギャバ。」、辞林21(株式会社三省堂、1993年7月1日発行)において「梳毛糸(そもうし)を使ってたて糸をよこ糸よりも密に綾織りにした服地。背広・コート・婦人服地用。ギャバ。」、新・田中千代服飾事典(同文書院、1991年10月22日発行)において「目のち密な綾織りの毛織物のことで、クレバネットともいう。・・・ギャバジンの特徴は、経(たて)糸の密度を緯(よこ)糸の密度より著しく多くしているため、あや目が45度以上の急傾斜になっていることで、60度くらいのものもある。表面から見ると、左下から右上へ向かう経糸でできたあや目が強く浮きでて見え、緯糸はあまり見えない。」と記載されており、服飾業界及びそれのみならず一般に使用されているものと認められるものである。

そうとすれば、本願商標の構成中の「Gabardine」の文字は、原審説示のとおり、「ギャバジン(あや織りの生地)」の意を認識させるものである。

請求人は、「『Gabardine』という英語表記を見て、すぐに『ギャバジン』と発音し、それがあや織りの生地を意味すると理解する需要者は、現在では少数であるから、該語には識別力がある。」旨主張しているが、「Gabardine」は、上記のとおり「ギャバジン」と認識できるものであり、そして、「ギャバジン」の文字が上記の意味を指す語として使用されていることは、例えば、1995年12月20日付け朝日新聞(朝刊、神奈川版)において「みなと祭(横浜、あの時「講話」からの10年)」の見出しのもと「あたしが野毛のつるしで屋でギャバジンの背広上下を六千円で買った頃・・・」、1993年11月24日付け朝日新聞(夕刊、3頁)において「崩れる男の砦(ボーダレス ファッション新時代)」の見出しのもと「ギャバジンのような明らかに紳士服の素材と思われてきたもので、イブニングを作ったこともある。」、1994年2月14日付け読売新聞(東京読売朝刊、9頁)において「[新品定番]トレンチコート 裏地の防水加工を強化 デザインは緩やかさ演出」の見出しのもと「バーバリーがその名を一躍高めた耐水性布地『ギャバジン』は、一八八八年から使われているが、・・・」、1993年7月21日付け毎日新聞(東京本紙朝刊、18頁)において「[身のまわり水曜館]自然への回帰傾向−−モーダ・イタリア春夏コレクション」の見出しのもと「自然への回帰で、麻や亜麻繊維、クール・ウール(夏向きに作られた軽くて薄い涼感のあるウール)、ギャバジン(目の細密なあや織りの毛織物)、コットンが多く使われている。」などと報道されていることより認められるところであるから、請求人の主張は採用できない。

また、本願商標の構成中の「K.T」が商品の品番、種類等を表示するための符号、記号として類型的に採択、使用されているアルファベットの1文字あるいは2文字であると認められるものである。

請求人は、「『K.T』は、我が国における著名なデザイナー『キヨコ・タカセ』のイニシャルであり、『・・・・・K.T』という商標に含まれている『K.T』を『単なる記号、符号として取引上類型的に使用されてされている』とするものは、アパレル業界における取引者・消費者の中には存在しないと言っても過言ではない。」旨主張しているが、請求人の提出に係る甲各号証からはその事実を認定することはできないものであり、請求人の主張は採用できない。

してみれば、本願商標を、上記1のとおり補正された「ギャバジン製のジャケット・オーバーコート」等の本願指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、ギャバジン製の該商品の種別、型式等を単に表示したものと理解するに止まり、それをもって何人かの業務に係る商品であるのかを認識できないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録すべきものとすることはできない。

なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定しているが、同法3条は、自他商品・役務の識別力についての登録要件に関する条項であって、同第1項第6号は、同項各号の総括的規定と解されるものであるところ、当審において、本願商標を同法第3条第1項第6号に該当すると判断しても、請求人(出願人)には既に意見(自他商品の識別力の有無について)を述べる機会が与えられているから、あらためて拒絶の理由を通知することなく判断した。

よって、結論のとおり審決する。

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