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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35267(T2000−35267/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4353241号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4353241号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和62年4月13日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第9類「機械要素、その他本類に属する商品(但し、半導体製造装置、農業用機械器具、蚕種製造または養蚕用機械器具、事務用機械器具、修繕用機械器具、保安用ヘルメット、管継ぎ手、パツキング及びガスケツトを除く)」を指定商品として、平成12年1月21日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標

請求人の引用する登録第2722117号商標(以下「引用商標」という。)は、昭和61年8月5日に登録出願、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第9類「半導体製造装置、その他本類に属する商品。(但し、農業用機械器具、蚕種製造または養蚕用機械器具、事務用機械器具、修繕用機械器具、保安用ヘルメット、管継ぎ手、パッキング及びガスケットを除く。)」を指定商品として、平成9年6月13日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第10号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標は、星図形と欧文字「STAR」との組み合わせよりなるものであり、その構成よりすれば、本件商標からは「スター」の称呼を自然と生ずるものである。

一方、引用商標は、その構成中「SYSTEM」の語は、その指定商品との関係から、各種装置の一つの集合体を表すものとして、又は機械器具等の方式、機構、系統等を表すものとして多用される言葉であるから、自他商品識別標識としての機能を有さない部分である。

よって、引用商標の要部は「ST−A−R」の部分であり、これをローマ字読みした「エスティーエイアール」の称呼の他、「STAR(スター)」が日本人にとって極めてなじみ深い英語であること、「エスティーエイアール」の称呼がやや冗長であること等の理由から、「スター」の称呼をも生ずるものである。

加えて、引用商標から「スター」の称呼をも生ずることについては、被請求人自らが引用商標に対する異議の申立てにおいて主張しているところである(甲第9号証)。

してみれば、本件商標と引用商標とは「スター」の称呼を共通にする類似の商標である。

また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第6号証を提出した。

引用商標中の欧文字「ST−A−R」からは、「エスティーエイアール」の称呼のみが生じ得るのであり、「スター」の称呼は生じない。

日本人にとって極めてなじみ深い英語であるのは「STAR」であって「ST−A−R」ではない。「エスティーエイアール」の称呼がやや冗長であると主張しているが、この程度の音数を冗長とは言い難い(甲第9号証の「異議決定」参照)。

また、引用商標の商標選択の過程にある事実も被請求人の主張を支持するのである。引用商標「ST−A−R SYSTEM」は、「STEP AND REPEAT」(ステップ アンド リピート)という半導体プロセス技術にある「移動と静止を繰り返してステージを動かす」ことを指す作業の単語を組み合わせて構成された商標であることは指定商品との関係からみて明らかである(乙第1ないし第6号証)。

したがって、引用商標は「STEP AND REPEAT」の略語であるから、「ST−A−R」であって「S−TA−R」でも、「S−T−AR」でもなく、まして「STAR」(スター・星)とは全く何ら関係のない業界の特殊略語と考えられ、その称呼は「ステップ アンド リピート」との関連で「エスティーエイアール」と特定されるものである。

したがって、本件商標の称呼「スター」と引用商標から生じ得る称呼「エスティーエイアール」を比較すると、両商標をして聴覚を通じて出所の混同が生じないことは明らかであり、外観及び観念においても混同を生じないこと明確である。

よって、本件商標は、称呼、外観、観念のいずれの点からも引用商標と類似しないことから、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

5 当審の判断

本件商標は、別掲(1)に示すとおり、星状の図形と「STAR」の欧文字からなるものであるところ、その構成中の「STAR」の欧文字部分は、独立して看者の注意を惹き、かつ、これのみで自他商品を区別する識別標識としての機能を果たし得るものと認められるから、該文字に相応して「スター」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるところ、全体として一定の熟語的意味合いを認識し得るものとは認められないばかりでなく、その構成中の「SYSTEM」の語は、指定商品との関係から、各種装置の集合体を表すものとして、又は、機械器具等の方式、機構等を表すものとして認識、理解されているものである。

そうとすれば、引用商標において、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは「ST−A−R」の文字部分にあるものというべきである。

しかして、該「ST−A−R」の文字は、別掲(2)に示すとおり、各文字間のハイフンが半文字程度の短いものであることから、容易に「STAR」の一連の綴りを想起・認識させるものである。そして、「STAR」の文字は、「スター」の読みをもって「星、花形、人気者」等を意味する極めて基本的な英語として、我が国においても日常一般に広く知られ、親しまれているものである。

そうとすれば、「ST−A−R」の文字から「エスティーエイアール」の称呼を生ずることを否定するものではないが、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、極めて親しまれており、かつ、簡潔な称呼である「スター」の称呼をもって、取引に資される場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

したがって、引用商標からは「スター」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

この点について、被請求人は、引用商標構成中の「ST−A−R」の文字は、「STEP AND REPEAT」の略語であるから、その称呼は「ステップ アンド リピート」との関連で「エスティーエイアール」と特定されるものである旨主張している。

しかしながら、乙第1ないし第6号証(半導体大辞典、東北大学電気通信研究所ホームページ等)からは、「STEP AND REPEAT」が半導体プロセスの技術用語であることを窺い知ることはできるが、「ST−A−R」がその略語であることは何ら示されていないから、この点についての被請求人の主張は採用できない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「スター」の称呼を共通にし、「星、花形、人気者」等の同一の観念を認識する場合のあることを否定できないものであるから、外観における違いを考慮しても、両者は、互いに誤認混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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