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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号・第4条第1項第15号「ゼブラ商標の称呼・観念類似」の商標審決・判断理由(審判番号:無効2000−35288(T2000−35288/J3)|登録無効)

審判番号
無効2000−35288(T2000−35288/J3)
審判種別
無効

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
ゼブラ商標の称呼・観念類似
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
登録無効(勝訴(請求認容))

この審決(審判無効2000−35288(T2000−35288/J3)・無効)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ゼブラ商標の称呼・観念類似」です。特許庁は「登録第4314599号商標の指定商品中「文房具類(但し、昆虫採集用具、ラベル(布製のものを除く」と判断しました(登録無効)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4314599号商標の指定商品中「文房具類(但し、昆虫採集用具、ラベル(布製のものを除く。)、下げ札、値札、はり札を除く。)」についての登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

別掲の(1)に示すとおりの構成からなり、平成9年9月29日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク及びその付属品(操作マニュアルを含む)、電子計算機及びその周辺装置、その他の電子応用機械器具及びその部品」及び第16類「荷札,ラベル(布製のものを除く。),下げ札,値札,はり札,その他の文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),印字用インクリボン」を指定商品として、平成11年9月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標に対して引用する登録商標は、以下のとおりである。

(1)別掲の(2)に示すとおりの構成からなり、昭和44年6月23日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として昭和48年4月2日に設定登録された登録第1006779号商標(以下、「引用A商標」という。)

(2)「ZEBRA」の欧文字を書してなり、平成2年1月19日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として同5年2月26日に設定登録された登録第2508022号商標(以下、「引用B商標」という。)

(3)「ZEBRA」の欧文字を書してなり、平成8年11月25日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,絵はがき,楽譜,歌集,カレンダー,雑誌,時刻表,新聞,地図,日記帳,書画,写真,写真立て,文房具類,封ろう」を指定商品として同11年1月22日に設定登録された登録第4231789号商標(以下、「引用C商標」という。)

(4)「Zebra」の欧文字を書してなり、昭和44年6月23日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として同48年4月2日に設定登録された登録第1006780号商標(以下、「引用D商標」という。)

なお、上記登録商標に係る商標権は、いずれも、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨つぎのように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同32号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号該当について

本件商標と引用各商標との類否について比較考察するに、まず、本件商標と引用A商標をみると、両者は共に縞馬(zebra)の図形を描いてなるものであることは、何よりもその特徴となる縞柄模様を顕著に描いてなることにより明らかである。してみれば、両商標から極めて自然に「縞馬(シマウマ)」「zebra(ゼブラ)」の称呼・観念を生ずるものといわなければならない。さらに加えるに、本件商標の権利者の名称を考慮すれば、本件商標の権利者がその採択にあたって、商号でもある「ZEBRA(ゼブラ)」を意図したものであることは想像に難くない。

ちなみに、「zebra(ゼブラ)」の語が「縞馬」を意味することは日本人にもよく知られ親しまれている(甲第3号証)。

つぎに、本件商標と引用B、C及びD商標とを比較検討するに、引用B及びC商標は「ZEBRA」、引用D商標は「Zebra」の欧文字を各々横書きにしてなり、これらは甲第3号証によれば、「縞馬」の観念を有する英語であることは周知のとおりであり、よって、引用B、C及びD商標からは「ゼブラ」「縞馬(シマウマ)」の称呼・観念を生ずるものである。

そうとすれば、「ゼブラ」「縞馬(シマウマ)」の称呼・観念を生ずる本件商標と引用B、C及びD商標は、称呼・観念を共通にする類似の商標といわざるを得ない。

よって、本件商標と引用商標とは類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含しているものと認められる。

したがつて、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号該当について

請求人であるゼブラ株式会社の創業は明治30年、初代社長石川徳松が現在の本社所在地である牛込東五軒町で国産初の鋼ペン先を製造・販売したことにさかのぼり、大正3年には商標を「ゼブラ」とし、引用各商標は順次採択され継続して使用され現在に至っている。

戦前戦後を通じ「ペン先のゼブラ」として親しまれ、昭和32年には新しい筆記具ボールペンの生産を始め、以来多様化する様々なニーズに対応して、ボールペンの他、サインペン・シャープペンシル・修正液等の筆記具を中心とする文具メーカーとして内外に広く知られるに至っており、かつ、長年にわたり文具業界において上位に位置している。

加えて、新聞、業界紙、雑誌、TVコマーシャルなどによる宣伝活動を積極的に展開した結果、引用各商標でもある縞馬の図形及び「ZEBRA」「Zebra」又は「ゼブラ」の文字は、商品「筆記具」の商標として幅広い年代に親しまれているものと確信する。

この請求人会社の歴史は「ゼブラ100年のあゆみ」(甲第5号証)によっても詳細に知ることができる。あわせて会社案内、定款、総合カタログ、ホームページを提出する(甲第6号証乃至同9号証)。

請求人の所有する引用各商標と同一又は類似の商標が「日本有名商標集」等に掲載されている(甲第10号証)が、特に「周知著名商標の保護等に関する審査基準の改正」によれば(甲第11号証)、「日本有名商標集」に記載の商標は、審査において周知・著名であると取り扱う旨明記されている。

請求人は、引用各商標を新聞、業界紙、雑誌、TVコマーシャルを中心に宣伝広告を積極的に展開してきているが、その一部を抜粋して提出する(甲第12号証乃至同21号証)。

1975年より継続して年に一度発行される総合カタログが、全国的に広く配布されていること、ひいては継続して引用各商標が筆記具を中心とした文房具類に使用されてきたことを立証する(甲第22号証乃至同23号証)。

引用各商標を附した請求人の製品が「国際文具・紙製品・事務機器展」(主催日本文具協会外1名)に継続して出展された事実を紹介する(甲第24号証)。また、販売促進用のパンフレット(甲第25号証)、正確な日付は不明だが、およそ昭和43年から同49年頃の広告の写し(甲第26号証)、及び広告宣伝に費やした費用について甲第27号証を提出する。さらに、昭和62年より平成10年までの売上高(甲第28号証)、昭和39年から平成9年までの請求人会社の所得(甲第29号証)、昭和51年より平成10年までの主だった個別商品の販売実績(甲第30号証)、及び過去5年の主だった個別商品の販売実績(甲第31号証)を示す。

甲第32号証は、商品「筆記具」について引用各商標が取引者及び需要者の間で周知であることの証明である。

上記各事実によれば、引用各商標と称呼及び観念を共通にする本件商標を、販売時期と販売場所とを異にしてその指定商品に使用するときは、取引者・需要者が、請求人又は請求人の系列会社若しくは請求人の協力工場など、請求人と経済的、技術的、組織的又は生産上、販売上等何等かの関係がある者の業務に係る商品であると認識し、その商品の出所について混同するおそれが十分にあるものといわなければならない。

引用各商標のように、特定の商品について、取引者・需要者の間に広く、深く浸透している商標と称呼及び観念を共通にする本件商標が第三者に登録されることは、著名商標の所有者の意に反して、莫大な、かつ、不公正な利益を被請求人に与える結果となり、フリーライドを徒に助長させ、ひいては公正な競合秩序の維持に反することになる。

よって、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号にも該当するものである。

(3)したがって、本件商標の指定商品中「文房具類(但し、昆虫採集用具,ラベル(布製のものを除く。),下げ札,値札,はり札を除く。)」については、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とされるべきものである。

4 被請求人の主張

被請求人は、何ら答弁をしていない。

5 当審の判断

本件商標は、別掲の(1)に示すとおり、やや図案化してはいるけれども、縞馬の頭部をその特徴(縞模様)を端的に捉えて描いた図形からなるものといい得るものであるから、これよりは、「シマウマ」「ゼブラ」(縞馬)の称呼及び観念を生じるとみるのが相当である。

他方、引用A商標は、別掲(2)のとおり、円輪郭内に植物とピラミッド風建造物を背景として小さく描き、中心に縞馬の全形を顕著に描いてなるものである。そして、看者をして最も強く注意を惹き印象を留めるのは中央の縞馬の図形部分であるというのが相当であるから、これよりは「シマウマ」「ゼブラ」(縞馬)の称呼及び観念を生じるというべきである。

また、「zebra」「ゼブラ」の文字が縞馬を意味する英語又は外来語として我が国において相当に親しまれた語であることは、外来語辞典及び広辞苑(甲第3号証)によつても認められるところである。しかして、引用B及びC商標は「ZEBRA」の文字、引用D商標は「Zebra」の文字からなるものであるから、これよりは、いずれも「ゼブラ」(縞馬)の称呼及び観念を生ずるものである。

そして、請求人提出の甲各号証によれば、引用各商標は、商品ボールペンをはじめとして「筆記具」について使用された結果、本件商標の登録時はもとよりその登録出願時において、その取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたと認められるものである。

しかして、本件商標と引用各商標とは、前記のとおり外観上においては差異を有するけれども、その称呼及び観念を共通にするものであって、前記引用商標の周知性をも併せ勘案すれば、文房具等の需要者は、本件商標を引用商標と関連付けて認識・連想し、これと商品の出所を誤認混同するおそれがあるというべきである。してみれば、本件商標は引用商標に類似する商標と判断するのが相当である。

また、指定商品についてみれば、本件商標の指定商品中「文房具類(但し、昆虫採集用具,ラベル(布製のものを除く。),下げ札,値札,はり札を除く。)」は、引用各商標の指定商品中の「文房具類」と同一又は類似の商品と認められるものである。

してみれば、本件商標は、その指定商品中「文房具類(但し、昆虫採集用具,ラベル(布製のものを除く。),下げ札,値札,はり札を除く。)」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたといわざるを得ないものである。

したがって、請求人の申立に係るその余の理由について論及するまでもなく、結論掲記の指定商品について、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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