結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35372号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4001959号商標(以下「本件商標」という。)は、「SNOUBOUDO」の欧文字を横書きしてなり、平成7年1月19日登録出願、第25類「 洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール ,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチー フ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子, ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き 手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成9年5月23日設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のよう述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、同法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するから登録されるべきでない。
(2)商標法第3条第1項柱書きについて
(ア)請求人の調査した範囲においては、出願人は、「他類に分類されない事業サービス業」を主業務とする会社であり、本件商標の指定商品に係る業務を行っている事実は発見できなかった。
(イ)被請求人の提出した乙第2−01号証ないし乙第2−21号証によれば、被請求人が他人に商標をライセンスするために、商標権を取得していることは証明されているが、被請求人自らが、商標を使用するために商標権を取得していることは証明されていない。
よって、本件商標は、法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品について使用する商標」の要件を具備しないものと認められるから登録されるべきでない。
(3)商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号について
(ア)日本人が、普通名称や記述的表示を商品に表す場合には、平仮名、カタ力ナ、ローマ字、漢字を用いるのが一般的である。本件商標は、スポーツ用品の一般名称である「スノーボード」(甲第1号証)を、ローマ字を利用して表したにすぎないから、本件商標の指定商品中、「スノーボード用の商品」について使用する場合には、記述的商標に該当し、自他商品識別力が認められず、これ以外の商品に使用する場合には、商品の品質の誤認を生じさせることは明らかである。
上述したように、本件商標は、本来的に自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえないばかりでなく、独占適用性の見地からも本件商標の登録は認められるべきでない。そもそも商標法第3条第1項の趣旨は、本来何人も自由に使用できる記述的な語に対し独占権を与えることによる弊害を排除しようとするものである(最高裁昭和54年4月10日判決/昭和53年(行ツ)第129号)。つまり、かかる登録により、他事業者による商品名の採択及びその商品の説明を自由に行うことのできる範囲が不当に制限されるのを防ぎ、健全な国民経済活動を保持しようとするものである。かかる法趣旨に鑑みれば、同条を過度に限定的に解釈することにより、社会通念上その弊害が生じ得ることが明らかに予想される商標を登録することは妥当でない。このような識別力を欠く又は弱い商標に独占権が与えられるのは、本来、その使用によって強い識別力を有するに至ったもののみ(商標法第3条第2項)であり、かかる使用による顕著性を出願人が立証し得ない限り、その登録を拒絶することが該条文に従った適当な処置といえる。
これに対しては、かかる商標を普通に用いられる方法で表示する限り、使用者は商標法第26条に基づき有効な抗弁が可能であるから、その登録による実質的な悪影響は少ないとの反論も考えられる。しかしながら、法治国家において、厳格な審査を得て発生した日本全国をカバーする独占排他権たる商標権が存在する場合、実際の商取引の場においては、当該登録が第3者の使用に対して萎縮効果を与える。実際に商標権者がその商標権を積極的に行使し、その使用を排除しようとした場合、例え商標法26条に基づく抗弁が成立し得るとしても、訴訟費用、販売店による取り扱い中止等実際の経済上の損失は大きい。そこで、使用者はその商標を使用するに当たり、その利益と損失を考慮すると、その商標権との抵触が不明確な商標の使用を避けようとする。このような萎縮効果による悪影響は実際には机上の予想を遥かに超えるものとなる。
現在、菓子の分野で過去登録された商標「XYLITOL/キシリトール」が問題となっている。株式会社ロッテが出願した商標「XYLITOL/キシリトール」が、昭和59年6月21日に商標登録第1692144号として登録されている。商標法26条の規定によれば、原材料を商標より大きく商品の包装に表示する慣行のある食品業界においては、「XYLITOL/キシリトール」の語を商品の包装に大きく表示しても問題ないわけであるが、ロッテの所有する登録された商標権があるため、萎縮効果が働き、訴訟を好まない日本の企業は当該表示を積極的に使用できない状況にある。明治製菓は「キシリトール使用」の表記を、江崎グリコは「キシリトール55%配合」の表記を、プルボンは「キシリトール100%使用」といった具合に「使用」、「配合」等の表記を伴って消極的に使用している。唯一外資系企業であるワーナーランバートが「Xylitol」の語単独で使用しているに過ぎない。しかしながら、このワーナーランバートに対しては現在ロッテより警告状が送達されているのである。
上記のような点を考えれば、商標法第3条第1項の審査は独占適用性の観点から厳格になされなければならないことは明らかである。
裁判所及び特許庁審判部も、以下の商標は識別力がない旨判断している。
「NEOBUDOTOEKI」、「HYGRADES」、「CUSHION FLOR」「BRONX」「スベラーヌ」及び「HOKENSHOKU(甲第3号証)」
(イ)被請求人が、「スポーツ名の商標」として、提出した過去の登録例は、商標の識別性についての審査が緩やかであった昭和30年代から昭和50年代のものであったり、識別力の無い文字と識別力のある図形との結合であり、本件の審理には参考にならないものである。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号、同法第4条第1項第16号に該当し登録されるべきでない。
なお、請求人は、スノーボードのメーカーであり、無効理由を包含する本件商標があるとその営業、広告活動において、普通名称「スノーボード」の表記の自由度を奪われるものであるから、本件無効審判の請求に利害関係し訴えの利益のあることは明らかである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ー01号証ないし同第2ー21号証及び追加資料を提出している。
(1)被請求人の事業と本件商標「SNOUBOUDO」について
(ア)被請求人は20数年前より「海外ブランド」導入を専門に行なっており、現在国内で300社以上の「サブライセンシー契約」を所有している。それらの企業は各業種に渡り商品化の為の共同事業を行っているので、その中にも本件商標に関係する企業も多くあり、請求人の申立は的外れである。
(イ)本件商標はあくまで「SNOUBOUDO」であり、請求人が指摘する「SNOWBOARD」とは別のものである。
「ローマ字と英語表記とは一体である」等の主張は聞いた事もなく、全くのこじつけの主張である。
(ウ)もし百歩譲って請求人の主張を検討するとしても、「スポーツ名の商標」の登録はさほど珍しくなく、別紙のような商標登録がある(乙第1‐01号証)。
(エ)被請求人は請求人から本件商標と同種の理由での「異議申立」を「商願平08‐119623号」(本件商標)で受けたが、請求人の主張が退けられている(乙第1‐02号証)。
(2)「BURTON」ブランドについて
(ア)被請求人は、「BURTON」ブランドの商品化事業を日本国内で問題なく行うため昭和57年6月1日より下記の「商標使用権許諾契約」を行っていた。
〔旧第17類〕「バルトン BURTON」
商標登録番号 第664522号
契約先:メルポ紳士服株式会社
期 間:昭和57年6月1日〜平成5年5月31日までの11年間(乙第2‐01号証)
〔旧第21類〕「BURTON」
商標登録番号 第1229927号
契約先:三共生興株式会社
期 間:昭和60年10月1日〜平成6年9月30日までの9年間(乙第 2‐02号証)
しかし、請求人は平成6年12月5日に「メルボ紳士服(株)」の旧第17類商標に対して「取消審判」を請求して強引に譲渡を受けたり、旧第21類商標を「三共生興(株)」より買収したに過ぎない。その証拠として、上記「メルポ紳士服」の登録商標(登録番号0664522号)に対する請求人の「取消審判」が記録されている原簿を提出する(乙第2‐03号証)。
仮に請求人の主張する通り「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、被請求人が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、請求人の展開する「スポーツ関連商品」とは売り場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする請求人の商品とは全く関連がない。
(イ)請求人は「BURTON」の商標名は自分達によって日本で有名になったと主張しているが、上記国内商標の実施権を被請求人が旧第17類については11年間、旧第21類(新18類該当)については平成6年9月30日までの9年間使用していた事を考えると請求人の主張は正しいとは思えない。ちなみに請求人が旧第21類の商標権の譲渡を受けたのは、平成7年12月18日である。
(ウ)「BURTON」商標は被請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。当時はアメリカのプレッピー・ファッションの全盛期であり、その流行の「バイブル」とも言われた「プレッピーハンドブック」で「J.Pres」「Brooks Brothers」「PauI Stuart」と同格に扱われていたニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日に被請求人はライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。
(a)同「プレッピーハンドブック」の編集では多くのページが「BURTON」社の協力によって発行された(乙第2‐04号証)。
(b)ニューヨークの「BURTON Ltd.」の社長よりライセンスの許可を示す委任状を提出する(乙第 2‐05 号証)。
(c)ニューヨークの「BURTON Ltd.」社とのライセンス契約によって、日本で商品化された商品写真を提出する(乙第2‐06号証)。
(d)日本での「BURTON」ブランドのライセンス商品展開を行う為にサブ・ライセンシーとサブ・ライセンス契約を行った事を示す「契約書」を提出する。(尚、契約条件の為、金銭状況等は削除している)(乙第 2‐07号証)。
(e)上記のサブライセンス企業より、被請求人(国内ライセンス元)へ提出された「売上報告書」を提出する(金額等は一部削除している)。
これを見ても被請求人が昭和61年(1986年)から12年以上に渡り、「BURTON」等商標を国内で使用した事が明らかである(乙第2‐08号証)。
(f)ニューヨークの「BURTON Ltd.」社の資料及び店内風景の写真を提出する(乙第2‐09号証)。
被請求人が「BURTON」ブランドを展開した当初、「スノーボード」の「運動具」は日本に登場しておらず、請求人の存在は誰も知り得なかったものです。
(エ)「BURTON」商標は恰も請求人が世界的に有名にした名前であるかのような見解であるが、もともと「BURTON」はアメリカ人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であり、さしたる特徴も無い名前である。ニューヨーク市やボストン市の電話帳にも別紙の如く多くの名前が掲載されている(乙第2‐10号証)。
(オ)然るに請求人はその後強引に自己が商標所有したにも係わらず「スノーボード商品」の販売を止めずに、被請求人出関連のファッション商品にも不法に進出し被請求人の市場を荒らし、被請求人は困窮し、結果仕方なく「BURTON CLUB」等の商標出願をしたものである。
(カ)その後請求人は上記国内商標権者に対し「不使用取消審判」等を繰り返し、強引に商標権を奪取したもので、被請求人は当時のそれら商標権者から、多くの不満を聞かされている。
(キ)そもそも「BURTON」はスノーボードで有名であるとの主張をしているが、「スノーボード」は日本のスキー場で受け入れられたのは、ここ数年のことであり、それまではコースが荒れる、他のスキーヤーに危険だとの理由で各スキー場から締め出されていた筈である。
(ク)被請求人は1982年頃から「BURTON」商品を展開し、それに引続き「BURTON CLUB」「BURTON HOUSE」を展開した事に引換え、請求人の商品の市場での登場期間は大変短いもので、請求人の主張の根拠は希薄であると思われる。
(ケ)「BURTON」が「スノーボード」の名前で有名であるとの見解は請求人の主張を鵜呑みにしたものであり、その商標の商品は一般のデパートやスーパー等では全く売られておらず、唯単にスキー専門店、スポーツ専門店の「ビクトリア」「アルペン」等でのみ販売されているものであり、若者の中の特殊な愛好家が購入しているだけである。
被請求人がライセンス商品展開を長年携わった経験と、販売先との接触の過程でデパートやスーパーのバイヤーから「一般に知られていない」と言われ続けている事からその事を実感している。もしそれに反論があるなら請求人にそれを証明してもらいたい。
(コ)「BURTON」と言えば請求人であると考えるのは全くの誤りであり、被請求人の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で下記の会社が有名である。
(a)「BURTON」は「プレッピー・ファッション」を代表するニューヨークの「ファッション・ブティック」名です。「BURTON」と言えば、70年代ニューヨークに始まり日本でも大流行した「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドです。
そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されています。ファッション・バイブル「プレッピー・ハンドブック」にも掲載され、日本でも有名な,「ブルックス・ブラザーズ」「Jプレス」「ポール・スチュアート」と並び称されるニューヨークのブティックです(乙第2‐11号証)。
(b)アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニファクチユアリング・カンパニー・インコーポレイテツド社」(フロリダ州)の「ゴルフ・バッグ」が有名であり、日本の2,000万人のゴルフ・ファンの間でも知らない人はいない程有名である。
商品製造に留まらず、ストア一が10ケ所も全米に展開している。その事はインターネットの「ホーム・ページ」でも詳しく書かれている(乙第2‐12号証)。
「BURTON」が日本でも「キャディーバッグ」「ゴルフバッグ」として有名であることは、その輸入代理店をスポーツ用品の大手企業「ダイワ精工(株)」が取り扱いを行っていた事からも十分に推測出来る。ゴルフ用品業界で毎年「社団法人・日本ゴルフ用品協会」によって行われる「ジャパン・ゴルフ・フェア」を補う意味から毎年発行されている「ユニバーサルゴルフ」社の「ゴルフ用品総合カタログ・内外有名ブランド総掲載」の「1988年版」と「1998年版」に「BURTON」の「ゴルフ・バッグ」の広告が掲載されている。この事はその商品がスポーツ業界で公認されたと言われるものである(乙第2−13号証)。
(c)イギリスで「BURTON」と言えばロンドンの目抜き通りのリ一ジェント街に店を構える「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名でありイギリス人で知らない人はいない程有名な「メンズ・ショップ」である。
会社の設立は1929年10月22日で、既に69年の歴史がある。
日本人の観光客も多数押しかける程有名である。イギリスはもとよりヨーロッパで「BURTON」と言えばこの「メンズ・ショップ」を表すものである(乙第2‐14号証)。
(d)日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業(株)」の「靴」のブランドとして有名であり、現在は三菱商事系列の「ライフギアコーポレーション(株)」によって引き継がれ、製造販売されている(乙第2‐15号証)。
(サ)請求人は驚くことに日本で自己の商品「スノーボード」の商標権を所有していなし、この事からしても請求人がアメリカや全世界で唯一の「BURTON」商標(ブランド)の持主であるとの主張は不自然である。
請求人は同商標の使用権を借りて、ブランド展開をしているに過ぎない。これを見ても、「BURTON」商標は日本では請求人以外が有名にしたと言えるし、請求人の名前ではないと言える。
(シ)現在「BURTON」の商標「旧第24類」(新第28類該当)を所有し、使用しているのは前記アメリカの「バートン・マニファクチユアリング・カンパニー・インコーポレイテツド(現在のBURTON GOLF社)」である(乙第2‐16号証)。
同社が日本国内で「旧第24類」(スポーツ用品)の商標登録出願を行ったのは1976年(昭和51年)2月16日であり、請求人がアメリカで事業を行った以前より商標活動していた事になる。
(ス)請求人が日本で「BURTON」の名前とブランドを有名にしたとの主張は全く根拠の無いものである。被請求人の登録商標(登録第4012331号)における請求人の「異議申立書」に添付された資料を見る限り、請求人のオーナー「Jake Burton」氏がマンハッタンの銀行を脱サラしたのは1977年の23才の時であり、実際に「ザ・バートン・コーポレーション」を設立し、飛び立ち始めたのは1981年とされているが、日本に新会社「Burton Snowboards Japan」を設立したのは1995年1月1日となっている(乙第2‐17号証)。
しかし、日本で「BURTON」の名前は次のような使用が以前よりされている。
(a)アメリカの「ゴルフ」の「BURTON GOLF」社が日本国内で旧第24類の商標登録出願をしたのは1976年(昭和51年)であり、その当時から同社が「BURTON」の「ゴルフ・キャディーバッグ」の商品を実際に日本で販売していた。
(b)日本の「東洋ゴム工業(株)」の「靴」の販売は1970年(昭和45年)からであり、同社が旧第22類の「BURTON」商標(登録第1042684号)を出願したのは1970年(昭和45年)12月23日である(乙第2‐18号証)。
(c)被請求人がニューヨークの「BURTON Ltd.」と契約して日本での商品化展開を行ったのは1982年(昭和57年)である。
以上を考えると請求人が日本に進出したのはずっと後であり、彼等が「BURTON」の名前を独占する根拠は全くあり得ない事である。
またアメリカ本国でも「ゴルフ」の「BURTONGOLF」社と「スノーボード」の請求人は会社規模も桔抗しており、アメリカ本国では両社がそれぞれ知られ、認知されている。そのアメリカの弁護士の報告書を添付する(乙第2‐19号証)。
(セ)最近の日本での国際化の呼び声は、ともすると過剰に反応して国民全体が自虐的になりがちであるが、外国人が日本で声高らかに言う程、先進国ではそれが実施されていないものである。被請求人が調査した結果下記の国での本件商標の登録状況は下記の通りであり、請求人が全世界的な商標権者とは言えないし、潜在的にそのような権利があるとは考えられていない。
海外での「BURTON」商標の登録状況を調査した結果は次の通りである(乙第2‐20号証)。
・アメリカ 大部分が出願中に過ぎない。
・イギリス 大部分が出願中に過ぎない。
・フランス 大部分が他人の登録商標である。
(ソ)被請求人は現在先進国での「BURTON」の名前について、下記の国の特許庁がどのような判断をするか、その専門家である弁護士、弁理士の意見(意見書)を聞いてみた(乙第 2‐21号証)。
・アメリカの専門家
・イギリスの専門家
・フランスの専門家
他商標分類までの、商標権の全てを請求人の権利と認めるとの判断は、それぞれの国の特許庁では無いようである。
以上の報告から日本の特許庁の判断が世界的基準とは考えられない。
(3)平成10年11月24日に提出した「審判事件答弁書」に追加して、「スポーツ名の商標」が登録された例を提出する(追加資料)。
(1)商標法第3条第1項柱書きについて
請求人は、「請求人の調査した範囲においては、被請求人は、『他類に分類されない事業サービス業』を主業務とする会社であり、本件商標の指定商品に係る業務を行っている事実は発見できなかった。」旨、また、「被請求人の提出した乙第2−01号証ないし乙第2−21号証によれば、被請求人が他人に商標をライセンスするために、商標権を取得していることは証明されているが、被請求人自らが、商標を使用するために商標権を取得していることは証明されていない。」旨主張している。
しかしながら、本件商標は、前記したとおり、第25類「洋服、コート...乗馬靴」を指定商品とし、その商標登録願の商標登録出願人の業務には「洋服卸売業」と記載して、平成7年11月29日に登録出願され、同9年5月23日に設定登録されたものである。そして、本件商標の指定商品中の「洋服」は、被請求人の業務(洋服卸売業)に係る商品であるとして登録されたものといえるものである。
また、請求人は、被請求人が本件商標の指定商品に係る業務を行っていないと主張するのみで、これについての具体的証拠を提出していない。
してみれば、本件商標は、被請求人の業務に係る商品について使用をしないとはいえないから、本件商標が商標法第3条第1項柱書きの要件を具備していないということはできない。
(2)商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、構成前記のとおり「SNOUBOUDO」の文字よりなるところ、スポーツ用品としての商品「スノーボード」の英語表記「SNOWBOARD」とは、「SNOW」の部分が「SNOU」であり、「U」と「W」及び「BOARD」の部分が「BOUDO」であって、「ARD」と「UDO」の相違を有するものである。
かかる明らかな相違点よりすると、本件商標をその指定商品に使用するとき、取引者・需要者は、スポーツ用品としての商品「スノーボード(SNOWBOARD)」と見違えるか、またそれを直観するとまではいえないものであるから、この文字は、特定の語義を有する成語とはみられない造語よりなるものとみるのが相当であって、請求人の主張するように本件商標がスポーツ用品の一般名称をローマ字で表したにすぎないものとはいい得ない。
また、請求人は、本件商標の指定商品を取り扱う業界において「SNOUBOUDO」の文字がスポーツ用品の一般名称を表示するものとして普通に使用されている事実を何等示していない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品につい使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものということができず、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書き、同第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものということはできない。
なお、被請求人の「BURTON」ブランドに関する主張は、本件商標とは直接的には係わりがないものであるし、請求人の援用する審決及び判決例は、事案を異にするものであり、本件の判断に影響を及ぼすものではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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