Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90470(T2000−90470/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4354873号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成10年6月1日登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び付属品」を指定商品として、平成12年1月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和45年8月25日に登録出願され、第12類「乗用車、競争用自動車、貨物用自動車、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和49年3月14日に設定登録された登録第1058548号商標及び別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和60年12月13日に登録出願され、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録された登録第2117563号商標(以下これらを合わせて「引用商標」という。)と、その称呼において類似する商標であって、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として、需要者に広く知られているものであるから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、同法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、申立人の名称の著名な略称である「MASERATI」の文字を含むものであるから、同法第4条第1項第8号に該当する。
(4)本件商標は、申立人の商品を表示するものとして日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、本件商標の使用により引用商標の出所表示機能を希釈化し、その名声を毀損させるおそれがあるから、同法第4条第1項第19号に該当する。
(5)本件商標には、著名な外国商標である引用商標の顧客吸引力に只乗りしようとの意図が疑われるので、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがある商標であるから、本件商標は、同法第4条第1項第7号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標は、別掲(1)(2)(3)に示すとおりの構成よりなるところ、本件商標は、その構成中の「FRATELLI MASERATI BOLOGNA」の文字部分中「BOLOGNA」の文字が一般に知られたイタリアの都市名を表すものであり、また、「FRATELLI MASERATI」の文字は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「フラッテリマセラティ」の称呼は、よどみなく一連に称呼し得るものであることより、その文字中の「MASERATI」の文字のみが独立した標識部分として認識され得ないというべきであるから、「FRATELLI MASERATI BOLOGNA」の文字部分よりは、「フラッテリマセラティボローニャ」及び「フラッテリマセラティ」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の文字部分に相応して、「オスカフラッテリマセラティボローニャ」「オスカ」「オオエスシイエイ」「フラッテリマセラティボローニャ」「フラッテリマセラティ」の称呼を生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、その構成中の文字部分に相応して、「マセラティ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「オスカフラッテリマセラティボローニャ」「オスカ」「オオエスシイエイ」「フラッテリマセラティボローニャ」「フラッテリマセラティ」の称呼と引用商標より生ずる「マセラティ」の称呼とを比較するに、両称呼は、構成音数の差異により明らかに聴別し得るものである。
また、本件商標は、その構成全体より特定の観念を生ずるものとは認められないから、引用商標と観念上比較すべくもない。
さらに、本件商標と引用商標とは、その外観においても十分区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念において類似する商標とすることはできない。
(2)申立人の提出に係る甲各号証は、引用商標がその構成全体をもって、本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「自動車」の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたとする証拠として認め得るものであり、「MASERATI」の文字部分のみが広く認識されていたとするに充分なものとはいえず、また、本件商標は、上記のとおり引用商標とは類似しないものであり、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないから、本件商標を指定商品に使用した場合、引用商標を直ちに連想又は想起するとは認められず、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
(3)上記(2)のとおり、引用商標の構成中「MASERATI」の文字部分のみが広く認識されていたものと認められないから、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。
(4)上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標とは類似しないものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、不正の利益を得る目的をもって使用をするものとはいえない。
(5)本件商標は、矯激、卑猥、差別的な印象を与える文字、図形よりなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益・一般道徳観念及び国際信義に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではなく、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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