Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90571(T2001−90571/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4469868号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年1月11日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年4月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録第2290755号商標は、「さくさく」の平仮名文字と「サクサク」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和63年2月15日に出願され、第30類「菓子、パン」を指定商品として平成2年12月26日に設定登録されたものであり、同じく登録第3105781号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年2月5日に出願され、「とうもろこしを加味してなる菓子及びパン」を指定商品として平成7年12月26日に設定登録されたものであり、同じく登録第3369145号商標は、「さくさく」の平仮名文字を書してなり、平成6年12月31日に出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成10年3月6日に設定登録されたものであり、同じく登録第4238196号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)は、「サクサク」の平仮名文字を書してなり、平成8年5月31日に出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成11年2月12日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
当業界においては、一般に観劇における劇場や映画館等に劇の幕間や上演の休憩時間等を利用して、観客に対し煎餅等の和菓子や、キャラメル等の甘味菓子を販売する際に、売り子が、観客の間をこの種の菓子食品を亀等に詰め込んで持ち歩きながら、”おせんにキャラメル”と連呼しながら販売しているという事実がある。
また、最近に到るまで国鉄(JR線)や私鉄の汽車の駅のホームを、”おせんにキャラメル“と連呼しつつ、乗客の旅行客に対して、煎餅等の和菓子や、キャラメル等の甘味菓子を販売する姿が見られた。
さらに、当業界における取引者、一般需要者は、「おせん」ないし「〇○せん」と称すれば、煎餅を意味する略称であると容易に認識するところである。そして「菓子及びパン」を含む商品においては、一般に食料品の原材料を「焙煎」、即ち、「煎る」ことにより食品の製品化するという商品の製法が行なわれている。
しかして、本件商標は、その語尾の「せん」が、容易に ”煎餅” を意味するところの略称であるものと認識するものであり、自他商品を識別する商標の要部が、「さくさく」にあると認識し、感得するものであることは、当業界における取引の経験則に徴し、一般に容易に認識し理解する程度に自明のことである。
かかる申立人による判断主張は、単なる専断による何らの根拠をも有しないものではなく、商標類否判断における経験則の成立の基礎をなすところの審判決例や審査例に徴し明らかである。
例えば、昭和37年(力)第953号の最高裁判決、昭和56年(行ケ)第201号東京高裁判決、商願平9一183083号審査例等並びに、特許庁におけ商標審査基準があげられる。
これに対し、申立人が引用する引用商標は、その構成よりいずれも「サクサク」の称呼、観念において本件商標と類似するものである。
また、これらの引用商標と本件商標とは、第30類の商品区分における「菓子及びパン」を含む指定商品の一部において抵触するものであることが明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
4 当審の判断
本件商標は、「さくさくせん」の平仮名文字を同書、同大に外観上まとまりよく表してなり、これより生ずると認められる「サクサクセン」の称呼も格別冗長と言う程のものではなく、淀みなく一気に称呼し得るものである。
また、本件商標は、構成中の「せん」の文字部分が「せんべい」を意味する場合があるとしても、かかる構成においては一連の造語を表したものと認識し把握されるから「サクサクセン」の一連の称呼のみを生ずる商標というのが相当である。
そうとすれば、本件商標中「さくさく」の文字部分のみを分離抽出して、「サクサク」の称呼をも生ずることを前提とし、その上で本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は採用の限りでない。
また、本件商標と引用商標は、それぞれの構成よりみて外観上互いに区別し得る差異を有し、かつ、本件商標は特定の観念を生じさせない造語を表したものと判断するのが相当であるから、観念上比較すべくもないところである。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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