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Trademark Appeal Case

著名商標と称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90514(T2001−90514/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4464468号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4464468号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年4月3日に登録出願され、「ビスコーン」の片仮名文字と「BISCONE」の欧文字とを上下二段に書してなり、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成13年4月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標

異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録第244026号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「ビスコ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和7年11月12日に出願され、第43類「菓子及麺ぽうノ類」を指定商品として、昭和8年6月13日に設定登録されたものであり、同じく登録第259147号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和9年3月20日に出願され、第43類「菓子及麺ぽうノ類」を指定商品として、昭和9年11月14日に設定登録されたものであり、同じく登録第263749商標(以下、「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和9年6月16日に出願され、第43類「菓子及麺ぽうノ類」を指定商品として、昭和10年3月29日に設定登録されたものであり、同じく登録第536799号商標(以下、「引用商標4」という。)は、「BISCO」の欧文字を横書きしてなり、昭和33年6月18日に出願され、第43類「菓子及麺ぽうの類」を指定商品として、昭和34年6月11日に設定登録されたものであり、同じく登録第4222018号商標(以下、「引用商標5」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成9年3月31日に出願され、第30類「焼菓子」を指定商品として、平成10年12月18日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標「ビスコ」の著名性

申立人は、商標「ビスコ」を付した「クリームサンドビスケット」(以下、商品「ビスコ」という。)を、昭和8年2月に発売して以来、第二次世界大戦中の昭和18年頃から終戦後の昭和25年迄は生産中止を余儀なくされたものの、昭和26年には生産を再開し、現在に至るまで約60年間の永きに亘って販売し続けている。

そして、商品「ビスコ」の最近の14年間の売上高は、少ない年度においては約11億円、多い年度においては約29億円にも達し、その14年間の年平均は約20億円である。コンスタントにこのような販売実績を達成しうるのは、その「クリームサンドビスケット」が、時代が変わっても世の人々に飽きられることのない堅実な風味を有しているからではあるが、約60年間の永きに亘って各種新聞、雑誌を通じて宣伝広告を行ってきた結果でもある。

このような事実から、商標「ビスコ」は、申立人の業務に係る商標を表示するものとして需要者の間に広く認識されている著名商標であるというべきである。また、商品「ビスコ」が、とりわけ低年齢層向けの商品であることから、いわゆる通常の判断力を有する成人はもとより、低年齢層においても著名な商標となっているものであるというべきである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の自然的称呼は「ビスコーン」であり、一方、各引用商標の自然的称呼は「ビスコ」であるから、両称呼は、第1音から第3音の「ビスコ」の音を共通にし、第4音及び第5音の「一ン」の音を異にしている。相違音「一ン」は、第3音「コ」に吸収されやすい音であることに加えて、「ビスコ」が周知著名であり、かつ創造語であること、「ビスコーン」が特定の意味を有しない語であることから、相違音「一ン」が両称呼の類否判断に与える影響力は極めて小さい。

また、各引用商標は、それ自体が著名登録商標ということができないとしても、その称呼である「ビスコ」は、上記のとおり申立人の永年に亘る使用の結果、商標「ビスコ」として著名性を獲得するに至ったこと及び本件商標「ビスコーン」は、創造語であって既成の語でないから「ビスコ」の部分が既成の語の一部となっているものと言うことができないこと等から特許庁の商標審査基準の商標法第4条第1項第11号の適用に関する(6)に準じて各引用商標と本件商標の類否判断がなされるべきである。

よって、本件商標と引用各商標とは、称呼上類似するというべきであり、また、本件商標は、各引用商標の指定商品と同一の商品を指定商品とし、引用商標とは、商品同一又は商品類似の関係にあること明らかであるから、もはや両商標は互いに類似するものというべきである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

商標「ビスコ」が、上記のとおり、著名であること、創造語であること等に鑑みると、本件商標が、本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがあるものというべきである。

本件商標「ビスコーン」は、創造語であって既成の語ではなく「ビスコ」の部分が既成の語の一部となっているものではないこと等から特許庁の審査基準の商標法第4条第1項第15号の適用に関する5により判断されるべきである。

また、商標「ビスコ」が使用されている商品が「クリームサンドビスケット」であり、本件商標の使用商品は「菓子,パン」であるところから、指定商品との関係において、十分に出所の混同のおそれがあるものと言うべきである。

(4)結論

本件商標は、各引用商標と称呼上類似しかつ指定商品が抵触するものであるから商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、また、本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがあるから商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1) 本件商標は、「ビスコーン」の片仮名文字と「BISCONE」の欧文字を二段に書してなるものであるから、これよりは「ビスコーン」の称呼を生じ、特定の意味合いを有しない造語を表したものというのが相当である。

他方、引用商標1及び引用商標4は、「ビスコ」及び「BISCO」の各文字を書してなるものであるから、両商標よりはいずれも「ビスコ」の称呼を生ずること明らかである。また、引用商標2、引用商標3及び引用商標5は、別掲のとおり文字と図形の組み合わせよりなるものであるところ、これに接する取引者・需要者は、構成中、最も顕著に表されている「ビスコ」の片仮名文字を捉え、これより生ずる「ビスコ」の称呼をもって取引にあたる場合も少なくないものと認められる。

してみれば、引用商標2、引用商標3及び引用商標5よりはいずれも「ビスコ」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ビスコーン」の称呼と各引用商標より生ずる「ビスコ」の称呼とを比較するに、前者は4音、後者は3音と比較的短い音構成よりなるものであるから、いずれの構成音も明確に聴取され得るものである。そして、前者は「ビス」「コーン」と2音節風に称呼され、かつ後半部の「コーン」の部分が尻上がり状に強く発音されるのに対し、後者は「ビスコ」と平坦に発音されるものであるから、両者はこれを一連に称呼した場合、全体の語調・語感が相違し、彼此相紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標と各引用商標とは外観上互いに区別し得る差異を有し、また観念上も類似するところがない。

してみれば、本件商標と各引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれについても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

(2)申立人の各引用商標が申立人の業務に係る商標として需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標と各引用商標とは類似しない商標であり、かつ、両商標はまったく異なる印象を与えるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者が各引用商標を想起し、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品であるが如く、その商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものではない。

よって、結論のとおり決定する。

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